ライフラインは生きている。
「もし地球上に今この瞬間に人類が消えたら」
というドキュメンタリー番組をご覧になられたことがあるだろうか。
我々人間は、生活するため日々地球にダメージを与えている。その人類がいなくなれば大気を汚染するものはいなくなり、車を動かすものはいなくなり、発電所はその機能を停止し、地球を温暖化させる生産活動は止まり、地球は急速に冷却されるであろう。というものだ。
ヒトという動物がいなくなることで、都市のコンクリートの隙間から草木は芽吹き、野生動物はその個体数を急速に増やす。
自然は息を吹き返す。
本来あるべき姿に戻るということなのだろが、我々はこの地球の邪魔者ということなのだろうか。
…
4月3日 12:45
「ふう~いい湯だった!」
カッパが呑気に口笛を吹きながら風呂から出てきた。さっきまでの修羅場を思い出すと殺意すらこみ上げてくる。
ふと脱衣所を見ればバスマットはおろかカッパが歩いたあとがすべて濡れている。
「ちょっ、お、おいこら!カッパ!てめーなんで脱衣所びちゃびちゃにしてんだよ!ちゃんと体を拭いてから風呂から出てこい!」
カッパ許すまじ。
「ひひぃー」
情けない声をあげるカッパ。
「しかしてめー、何日風呂入ってないんだよ!こんな状態になってもまだライフラインは止まってないぞ」
そう、まともなテレビも新聞も無くなってはや2日。なぜか電気や水道などのライフラインは止まっていない。
「いや~クミちゃんに会いたい一心で家の前で車中泊をずっとしてたから」
カッパは変態ストーカーだった。
クミとかいう女に一目ぼれしてそれ以来風呂にも入らず付きまとっていたらしい。
そのクミちゃんがみごと感染し、帰宅したところに遭遇し、熱いキスと包容をされそうになっていた。そこをオレ達が偶然見つけて助けた…という流れらしい。
いっそのこと食われていたほうが変態ストーカー糞カッパのためだったのだろう。
このカッパを追い出そうと思ったが、意外と使えることがわかった。
どうやら実家が金持ちで、親に買ってもらった車を目の前の駐車場に停めていることが分かったのだ。それと…カッパがBiterになったら、マジで気持ちが悪いし、寝覚めが悪いから、常さんと相談して生かしておくことにした。
け、けして善意からじゃないんだからね!
ちなみに
「オレの名前はカッパなんかじゃない。金地院静流という立派な名前がある!」
なんかよく分からないカッパ語をしゃべっていたが覚えられないのでカッパと呼ぶことにした。
カッパのことはさておいて、不思議なことがある。
テレビはとうの昔に死んでるんだが、ラジオは一部生きてる。
そして、ライフラインだ。
電気も水道もガスも、そしてネットも生きている。
なぜだ?この状況でもまだマジメに管理し続ける人間がいるのだろうか?
常さん曰く
「このへんの水は浄水された水がそこの富岡山の貯水池に溜められて、自然流下で宅地に供給されてる。浄水場で働く奴がみんな感染したって、しばらくはあの貯水池から水は落ちてくる」
さすが本職。
ちなみに、同僚のほとんどが奴らの仲間入りしちゃったそうだ。
「でさ、電気は?止まるの?」
カッパは勝手にオレのドライヤーをつかって皿じゃなかったつるっつるの頭頂部を乾かしながら話に割り込んできた。
「火力発電は早晩止まるだろうよ。働く人間がいないと燃料の投入ができない。水力、太陽光、地熱…こいつらは、しばらくは人間が管理していなくても発電される。
やっかいなのは原子力だな。コンピューターで自動的に制御されて停止していくんだろうが、動かす人間がいなくなりゃ冷却水の供給も止まる。炉心溶融が起きれば福島でおきたような原発事故が全国でおきまくって、放射線がばら蒔かれることになる。一月後か、一年後かはわならない。そうなったときにオレたちは生きているかどうかもわからんわな」
常さんはカップ麺をすすりながら
「ま、電気を使う人間も少なくなるし、消費電力も少なくなる。しばらくは通じるさ」
とあっけらかんと言う。
しかし、なぜかネットはいまだに生きている。facebackもsweeterもイノスタも。もっとも使う人間も減っているが.情報交換のツールとして使われている。
ケンジロウ
こちら東京都杉並区。
私は60代男
●×小学校には避難所なんて無かった。いやあったのだろう。Biterがわんさかいた。
息子だったのは括り付けて部屋の中に放り込んでいる。嫁は隣に食い物を分けてもらいに行ったら感染した。気がつかず左腕をやられた。腕をロープで縛る。何か中でもぞもぞと動く奴がいる。腕が痛い。
まこっちゃん
こちら福岡県北九州市。
40代男
金曜夜勤してたら清日鉄の第2工場に大量のBiterを乗せたバスが突っ込んできたww
今組合事務所に20人で籠城中。事務所のまわりは元同僚がうつろな目で取り囲んでるww
腹減った。誰かタスケテ~
yuki
富岡県富岡市
18歳 女
土曜日部活をしようと家を出たら、家の前で女の人が父に噛みついていた。
急いでママを呼ぶと今度はパパがママに噛みついた。
2人とも私の部屋の扉を爪でがりがりとひっかいています。
いつもお読みくださり、ありがとうございます。
ブックマークや評価、感想などをいただけると励みになります。
よろしくお願いいたします。




