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ネットに依存する引きこもりたち

4月5日(木) 12:00 天気は晴れ


今日の昼飯は大鍋でうどん。

冷凍うどんを男3人で5玉。

白だしを薄めた出汁に、鰹節を振りかけるだけでけっこうなうどんになるもんだ。



ここ数日、とにかく寒い日が続いている。外に温度計を出すと-3度。オレがこの街にきて10年、4月に入ってこの気温は異常だ。


ベランダから外を見るとどんよりとした曇り空。

吐く息は白い。

ちらほらと白いものが上から舞ってくる。今年にはいって一度も降ったことがない雪だ。


もう桜も咲こうかというのに、おかしい。

人間が支配しなくなったこの地球で何が起こっているのだろう。


はらはらと舞う雪を目で追う。

それが落ちた地面を見るとかつて人間だった首の無い死骸が転がっていた。


だから暖かいうどんにした。

冷凍のままうどんを鍋に放り込むと余計にガスを使うことになる。だからうどんは朝から自然解凍しておいた。


ふわぁと湯気がのぼり、出汁の香りが食欲をくすぐる。


「ずずずゅー!」


「ぷふぁー!」

「暖まるな。」


カッパが加わったことで、食い物の底が見えてきた。

まだあと3日くらい節約すればやっていける。

しかし、このままではいずれ奴らの仲間入りか、餓えて死ぬかの選択肢しかなくなる。


ついにテレビがまったく情報を映し出さなくなった。ラジオは相変わらず同じことの繰り返しだ。(常さん曰く、毎日録りなおしているのは変わらない-前述)



ネットも過疎化がすすんでいる。

近所の小学校に避難を呼び掛けていた市内の男性は、富岡第三小学校に向かったまま音信不通となった。

福岡の従兄弟も組合事務所に立てこもった、という翌日から更新が途絶えている。


マジメな話、

確実に日常生活が壊れてきていることを肌で感じることができるのはネットの世界だけだ。


ネットにおいても各地で異常気象が伝えられている。

北海道、東北、北陸の各県では大雪になった様子。

雪かきをしてくれる人も除雪機も無い。食い物を調達しようにも家から出られない状態がもう何ヵ月も続いている。


Biterまで雪に潰されているので生きているのかどうかはわからない。だが、Biterの生存を確認できる春まで生きていられる人間が何人いるのかわからない。


オレは営業だから情報がどれだけ大切なのかわかっているつもりだ。こんな世の中になっちゃったし、どこで何が起きているのかを知らなきゃ命に関わってくる。

常さんの専門知識や腕っぷしには勝てない。カッパのようなクルマも持ってない。情報を集めていくアンテナだけだ。


だからまる1日なにもせずネットを眺めている。

カッパがエロ動画見たいとかふざけたことを言っているが触らせない。



ふと、横を見ると、まただ。

常さんは趣味を貯金にしていたことへの後悔をし続けている。仕事にも行かずに通帳を眺めてはため息をついている。


お金を貯めても今は何も買えない。

通貨経済の破綻はあっさりとおとずれた。

しかし、食い物をどこかで調達してこないことにはこのままではオッサン3人で飢え死にする。そんな人生嫌だ。


あぁ、田舎のオカンとオヤジ生きてるかなあ。

あんな年よりばっかな限界集落ならBiterになるやつなんかいないよな…


ん?


田舎?



もしかして、あそこなら野菜も米もたんとある。そしてBiterもいない…。この社会が落ち着くまで籠城してみればいい。


よし!田舎に帰ろう!!




いつもお読みくださり、ありがとうございます。

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今後とも拙作をどうぞよろしくお願いいたします、

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