プロローグ
太陽系第三惑星、地球。西暦1900年代から立て続けに起こった世界規模の大戦争以降、急速に発展してきたこの惑星の文明と科学力は、地球の外にまで及ぼうとしていた。
宇宙飛行士や学者たちが、火星や水星など太陽系の惑星すべてに到底生物が生息できるような環境があるにも関わらず、完全に無人の惑星となっていたという調査結果を学会に提出したのを皮切れに、宇宙開拓時代が始まった。そして西暦2100年代、ついに予備知識の無い民間人でも気軽に宇宙旅行ができるほどにまでなっていた。
―――この時期から、古くからまことしやかにささやかれていた宇宙人やUFOなどのオカルト的な存在はこの時確実に否定されたのである。
民間人が宇宙旅行を気軽にできるようになってから、建設業者や不動産業者がテーマパークや映画館などのさまざまな施設、富裕層の別荘などを次々に建設していった。人類はついに、地球以外の惑星への進出を本格的に始めたのである。
そして西暦2180年4月12日、人類はこれまで未発見であった太陽系九番目の惑星と、それを取り巻く衛星群の存在を確認せしめた。
調査の結果、発見された第九惑星は地球型惑星とほぼ同型の環境の惑星であることが判明。加えて地球の人類と非常に類似した生物を発見。
調査の結果、文明力、軍事力は第九惑星の方が遥かに進んでおり、その惑星の生物との意思疎通も可能であることが判明。その翌々年である西暦2182年、地球と第九惑星は互いに、軍事的介入、武力の不行使を前提に異星間交流を開始したのであった。
プロローグなのでまだ登場人物もセリフもなしです。
ゆっくり進めるので気長にお付き合いいただけるとうれしいです。