表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/16

事件

イタリアの田舎にある民家。

周りには殆ど家も無い。


正午の太陽が広大な農地を照らす。


「早く隠れなさい!」


父親が叫ぶ。

その言葉を聞いて、少女は急いで地下室に駆け込んだ。


「母さんと父さんも早く!!」


少女は両親に向かって叫ぶ。

母親が地下室の扉の前まで走り寄ってきた。


「私達を待たないで! いいわねアリア、私達が戻ってくるまで絶対に扉を開けては駄目よ」


母親はそう言うと扉を閉めてしまった。

アリアは地下室の扉に鍵を掛け、じっと二人が来るのを待っていた。


扉の向こうから三発の銃声が聞こえた。

アリアは思わず耳を塞ぐ。


寒い地下室で、アリアはただ二人が来るのを待っていた。


どのくらい時間が経ったのかアリアには分からなかった。

扉に耳を当て、外の様子を伺おうとする。


物音一つ聞こえなかった。


「お父さん、お母さん!」


アリアは思わず叫んでいた。

すると、扉の方に近づく足音が聞こえた。


「お父さん? それともお母さんなの? 何があったの!? もう大丈夫なの!?」


アリアは扉越しに声をかける。

しかし、返事をしたその声は聞き覚えの無い男の声だった。


「君がアリアだね。なぜこんな事になったのか、君には分かっているはずだ。私と同じ苦しみを味わうがいい」


「だ、誰なの………? お父さんとお母さんは無事なの!?」


男からの返事は無かった。

黙って男はその場を去ってしまう。


それからおよそ12時間後に、アリアは地元の警察に救助された。

アリアの目に最初に映ったのは、変わり果てた両親の姿だった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ