表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
抱えきれぬ想い ルーフェイア・シリーズ03  作者: こっこ
Chapter:04 慟哭、そして哀悼
21/27

Episode:21

◇Rufeir

「あー食った食った」

「ルーちゃんご馳走さまー」

「あ、こら、てめぇら後片付けしろっ! つか、作ったの俺だっ!」


 にぎやかな声が響く。いまちょうど、みんなで夕食を食べ終わったところだ。

 クラス分けのテストが終わったのはだいぶ前だけど、休みがあと二日の今ごろになって、ようやくあたしのクラスが決まった。


 聞いた話じゃ、ずいぶんモメたらしい。飛び級がどうとか、教官が言ってた。

――でも飛び級って、なんだろう?

 飛ばされて違うところへ行くのはイヤだから、イマドと同じクラスがいいと、言ったのだけど。


「あ、ちょっとキミ、何やってんの! そのケーキはルーフェイアのなんだから」

「えー、持ってっちゃダメっすか?」

「ダメっ!」


 飛び級がイヤならと、あたしはAクラスになった。思ってたより、いい加減な決め方だ。

 けど話を聞いたロア先輩はとても喜んでくれて、しかもなぜか「お祝いをする」ってことになって、それをしてたとこだ。

 この学院、クラス分けが決まるとお祝いする習慣があるらしい。


「ルーフェイア、このケーキここにしまうよ」

「あ、はい」


 最初は部屋で先輩と二人の予定だったのだけど、気がついたら人数が増えてた。エレニア先輩が来て、イマドも来て、その友だちもついてきて、ご飯が足りないからってイマドが作ってくれて、先輩も買出しに行って……。

 こういうのが「学校」なのかな、と思う。なんでお祝いになったかは今も分からないけど、みんなで集まって騒いで食べたりは、けっこう楽しい。


「ほらキミたち、そろそろ出てってくれないかな。ボクが怒られるから」

「へいへい」

「ルーちゃん、またねー」

「ロア、私も戻るわね」

 急に静かになった。


「大騒ぎだったねー。おいしかったけど」

「はい」

 最後に残ったものを二人で片付けて、やっとぜんぶ終わる。さっきまでの陽気さがいっしょに消えた気がして、ちょっと寂しかった。


「さ、今度はいつものやろうか?」

「……はい!」

 急いで自分の魔視鏡の前に行って、準備をする。毎日少しづつ教わるこれは、とても楽しみだった。


「あー、もしかしなくても、明日で休み終わりだっけね。そうするとゆっくりやれるの、今晩くらいかな?」

「ですね……」

 きちんと授業が始まったら、そうそう夜更かしはできない。遅刻したら減点されてしまう。


「そしたらさ、今日はホントにやってみる? ルーフェイアももう、校内なら少しできると思うんだ」

「え、でも……」



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ