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Episode:16

 昨日と同じようにケーキを選んでもらって、空いている席に座る。

 と、向こうのほうにイマドがいるのに気がついた。いっしょに居るのは友だちだろう。

 向こうも気がついたみたいで、視線が合う。ちょっと嬉しくなって、小さく手を振った。

 とたんにイマドが、両脇の友だちから殴られる。


――あたしの、せい?

 ほかに考えられなかった。あたしみたいな、普通の生活を知らないような人間が、親しげにしたりするから……。

 涙がこぼれそうになって、下を向いてくちびるを噛む。


「わわわ、ルーフェイアどしたの? どっか痛くした?」

 先輩が慌ててるのを見て、泣くのをやめようとしたけど、逆効果だった。よけいに涙があふれて、止まらなくなる。

 イマドに会ってからあたし、どうもダメだ。前からすぐ泣いて、どうにかしなきゃと思ってたけど、なんだかひどくなった気がする。


「ほんとにキミ平気? 部屋帰って休む?」

「あー先輩、コイツ泣き出すと当分ダメですから」

 聞き覚えのある声に、思わず顔を上げる。

「イマド……?」


 いっしょにいた二人の首根っこをつかんだ彼が、目に前に居た。こともあろうに二人を引きずりながら、ここまで来たらしい。

「オイコラ何しやがる、放せっての!」

「つかイマド、いつもとキャラ変わってるって!」

 友だちらしい二人が、口々に文句を言う。

 なんだかよく分からないけど、やっぱりあたしが原因で、騒ぎになってるみたいだ。


「あの、あたしのせいで……ごめんね……」

 申し訳なくて、引きずられてきた二人に謝る。

「あ、違うから! そのさ、悪いの俺らだから!」

 友だちの片方が、あたしに向かって謝った。


「てかおまえなぁ、なんだっていきなり泣くんだっての」

「ごめん……」

 こんどはイマドに謝ったあたしの前で、なぜか彼の頭が、ごちんと音を立てて殴られる。

「キミねぇ、何しにここまで来たか知らないけど、この子泣かせたらボクが承知しないよ!」

 ロア先輩、すごい剣幕だ。


「あの、先輩、違うんです!」

 殺気のようなものを感じて、慌てて止める。

「けどさ、こいつらが何かしたから、ルーフェイアが泣いたんだよ」

 つまりはあたしのせいで、よけいにややこしくなったらしい。


「あの、イマドたち、関係なくて……その、すみません……」

 上手く説明できなくて、だんだん声が小さくなってしまって、情けなくてまた涙がこぼれた。

「あ、先輩も泣かした」

「ちょっと、ボクは別に!」

 何がなんだか分からなくなってくる。



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