幕開け
射撃訓練の後、エリはアンジェラとサーシャに屋敷を案内させてもらった。
『そうそうエリちゃん、このお屋敷ね〜おっきな滑走路とか飛行機がたくさんあるんだよ〜♪見てみたい?見てみたい?』
アンジェラは滑走路を見せてあげたいようだった。
『へ〜そんなとこあるんですね〜。』
『よ〜し、じゃあ連れてってあげよ〜!サーシャ!車でお願い♪』
『しょーがないなぁ…今回だけだよ…』
サーシャに乗せてもらい滑走路まで連れて行ってもらった。
滑走路に着き、管制塔らしきとこに登り辺りを見回した。そこらじゅうに飛行機を入れる建物があり、何機かは外に出ていた。
そして管制塔の中のディスプレイだらけの部屋の中にマリーが座っていた。
『あら?みんななんでこんなとこにいるの?』
『エリちゃんに無人機たちを見せたくてね〜♪マリー、一機くらい飛ばしてよ〜♪』
マリーは答える。
『もう三機くらい飛ばしてあるわよ、なんかここのところ不審な動きがあってね…
ってちょっと、なんか変な船が近づいてきてるわよ!』
エリはそっと画面を覗いた。
どうやらここは島らしくいちめん海で囲まれていた。
…どうやって車で来たのだろう?
『漁船…にはトマホークミサイルなんてついてないわよね。…あなたたちがいるのがバレたようね。サーシャ!アンジェラ!すぐにリリーとエレナ達を起こしてきて!私はここでエリちゃんといるわ。』
『もう来てるよ。』
後ろからリリーとエレナがやってきた。
『敵の船は5隻、おそらく人数は150人弱ね。"彼女達"はいないとおもう。このぐらいなら今ここでマリーが海の藻屑にできるでしょ?』
マリーがニヤける。
『…ふふふ、わかってるじゃない♪私に楯突くことがどれだけ恐ろしいのか見せてあげるわ!』
『対艦用のヘルファイアがついてるリーパーは今8機しかいないわね…まぁいいわ、全機発進!』
エリはリリーに話しかける。
『…リーパーってなに?』
『ん?え〜と、無人武装偵察機のことよ。つまり人が乗ってない飛行機って感じかな?』
『マリーは見ての通り想像を絶する金持ちだからね〜…どこから買ってるかわからないけど無人機が50機くらいここにあるのよ。』
マリーが話に入る。
『また買ったから、いまは75機よwあと、このコンピュータは特注でね。これ一個で75機全部操作することもできるのよ〜!』
…本当にこの人は何者なのだろうか。
『よ〜し、目標捕捉!必殺ヘルファイアー!』
画面の中でミサイルが発射される。
どうやら全弾命中したようだ。
『私の無人機軍団に適うわけないのよ!オーホッホッホッ!』
『でも場所がバレたのはマズイわね…。かと言ってここから離れるわけにもいかないし…。全員で敵の上陸を防がないといけないわね!』
『サーシャとエレナはトンネルの扉を塞いできて!アンジェラとリリーとエリは武器の用意とSAMの準備して!無人で作動するようにイジってあるから操作はしなくていいわよ、あと海岸にクレイモアも仕掛けてきて!それもこっちで操作できるようになってるから電源だけつけてきて!』
『く〜!楽しくなってきたわね〜!』
マリーは喜んでいる。
エレナもはしゃいでいる。
『お姉ちゃん!お姉ちゃん!久しぶりの戦闘だよー!ワクワクするね〜♪』
みんなの士気も悪くはなさそうだ。どちらかというと全員、"歓迎"しているらしい。
リリーが心配そうにエリに話しかける。
『エリ…。相手はね、私たちを連れ去ろうとする悪い人たちなの…撃つ事を躊躇わないでね。そうじゃないと…。』
『リリー、心配しないで。私頑張るから…ね?』
アンジェラが二人を呼ぶ。
『二人とも〜!早くしないと置いてっちゃうぞ!急いで急いで♪』
初めての戦闘、生き残れるか内心エリは不安だった。