自分を守るための力
そのあとエリは皆に混じって夕飯を食べた、屋敷は豪華だが私たち以外は誰もいないらしい。
マリーが買い出しに行くのを忘れたらしく、今日はみんなでカップラーメンを食べた。
サーシャがカップラーメンにお湯を入れている時だった。
『あちっ!いててて…』
サーシャの手に熱湯がかかった、しかし1秒もせずに火傷は治ってしまった。本当にクローンには自己再生能力があるのだとエリは実感した。
軽い夕飯を済ませた後、マリーはエリを部屋に案内した。
『今日からここがあなたの部屋よ♪何か欲しいものとかあったら遠慮なく言ってね〜。』
…部屋まで豪華だ。52型の液晶テレビが壁にかかってある。部屋の隅にスピーカーが置いてあり、ベッドはよく映画で見るようなカーテンのついてるベッドだ。
ある意味落ち着かない部屋だ…
『今日は疲れたでしょう?だからゆっくりおやすみなさいね。』
エリはベッドに寝転んだ。
…そういえばいきなり家を出たようになってしまったがみんな心配してないだろうか?
学校とかどうしよう…
考えてるうちにエリは寝てしまった。
パンッ!パンッ!
エリは銃声で起きた。何事だろうか?
窓を開けてみると中庭が一望できた。中庭でアンジェラとサーシャが銃を撃っているようだ。
エリは中庭に行ってみる。
『あ!エリちゃんおはよ〜♪よく寝れた〜?』
アンジェラさんは今日も元気だ。
『おはよエリ、もしかして私たちが起こしちゃった?』
サーシャは申し訳なさそうにしている。
『今、私たち射撃訓練してるんだけどエリもやってみる?』
エリは少し怖かった。銃には抵抗がある。
普通の女子なら誰だって抵抗があるはず…
でも、これからは自分の身は自分で守れるようにならなければいけなくなってくる。
『…うん、やってみる!』
アンジェラは嬉しそうな表情になった。
『そう言ってくれると思って用意して置いてあるんだ〜!はい!エリちゃんの銃だよ〜。』
エリはアンジェラから、銃を受け取る。それはイメージと違って小さく軽かった。
『えっへん!私がエリちゃんの為に組んだんだよ〜!』
『ベースはM4で、アッパーレシーバーはVLTORのMUR-1、ロアはSTAG ARMSのレシーバーで、ストックはエリちゃんでもガッシリ構えられるようにVLTORのIMODストック、ハンドガードはCASVとかが私の好みだけどそれだと太くなっちゃうからCOLTのXM用のハンドガードにしたの♪フロントサイトはガスブロックにもなるVLTORのVST-1Cにして、バレル長もCQB並みのサイズのに変えて、ハイダーはPWSのFSC556、これにするだけで反動が激減するの〜♪グリップはTangodownのグリップに…
こんなものかな?あとトリガープルはかなり軽くしておいたから落とさないように気をつけてね、落としただけで暴発しちゃうから…
』
『アン姉…そんなことエリちゃんわかるわけないでしょ…。
エリちゃん、つまりね。う〜ん…愛がこもってるってことだよ!』
確かにエリはアンジェラが何を言っているのか全くわからなかった。
でもアンジェラ自分のことを思ってくれてるのだと思うと嬉しくなった。
『アンジェラさんありがとう…ずっと大事にするよ!』
エリは的を狙う。アンジェラのつけたDOCTORサイトは覗きやすい。
エリは引き金を引いた。
パンッ!
腹に音が響く感じがする。耳が痛い。
しかし弾はしっかり的に当たっていた。
サーシャはアンジェラとこっそり話をしている。
『…アン姉、撃ち方教えた?』
『教えてないよ〜…。なんでしっかり構えられてるの?ちゃんと脇もしめてるし…』
エリはだんだん撃つのに慣れてきた。
狙えば当たる。
アンジェラのカスタムは完璧だった。
エリはこの銃を一生大事にしようと思った。