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休息

『やっほぉーい!』

エレナが露天風呂に飛び込む。

露天風呂まであるのかこの家は…

エリは湯に浸かり今日のことを振り返る。

今日だけでかなり出来事があった。自分が小島エリではないことを知り、警官に連れて行かれそうになり、そして彼女達にたすけられた。

『ねぇ…そういえばあなたたち何者なの?銃を扱ったり車を運転してたり…』

アンジェラが伸びをしながら答える。

『私たちがエリちゃんと同じクローンだって話はしたよね〜?その中でも私達は"戦闘用"のクローンなの。だから銃も扱えるし車だって運転手出来ちゃうの♪』

エリは驚いた。

『…そうだったんだ。じゃあ私も銃とか使えたりするの?』

アンジェラはグイッとエリに近寄った。

『エリちゃんはね…クローン中でも戦闘用でもなんでもないクローンなの。だって一番最初に作られたクローンがエリちゃんなんだよ〜、だからオリジナルに一番近いのはエリちゃんなの♪そしてその遺伝子に戦闘能力を加えたのが私達。だから見た目が違うんだよ〜。』

エリは疑問に思う。

『あれ…?でもリリーちゃんと私は見た目が瓜二つだよ?』

扉が開きリリーが入ってきた。

『ふぃ〜お待たせ。私とエリが似てるのはね、私も戦闘用のクローンではないからなの。ちなみに型番で言うとR-003。あなたの次の次に作られたクローンなのよ。』

リリーは話を続ける。

『そしてアンジェラ姉さんがR-101、エレナはR-103、サーシャはR-104なの。ちなみに最初の桁に1がついてるのは戦闘用って意味なの。』

『あと、クローンは結局まだ合計で8体しか生産されてないの。私達とエリで5体、あとは"彼女達"で2体、あとの1体は不明なの…』

エリは引っかかっていた"彼女達"について聞いた。

『"彼女達"って一体誰なの…?聞いてた限りだと味方ではなさそうだけど…』

『"彼女達"っていうのは政府サイドのクローンのことよ、私達を探して回っているの。』

『私達を…殺すためにね。』

『私達はそもそも"知られてはいけない存在"なの、人間のクローンなんて人道的に反しているからね。そんな私達が世間に知られてしまったら困る、だから排除しようとしているの。』

アンジェラが横から口を挟む。

『私達はとんでもない再生能力を持っているけど死なないわけではないんだよ〜、脳を破壊されたり木っ端微塵に吹き飛べば死んじゃうの…。だからエリちゃんも油断しないでね…あと痛覚はあるからひどい痛みも体に走るよ…』

エリは血の気が引いた、彼女達は普通に会話しているがよく考えれば恐ろしい会話だ。

こんなことが平和な日本の裏であったなんて…

リリーも湯に浸かった。

『でもまぁ…小難しい話は後にしてゆっくり休みましょう♪せっかくみんなでお風呂に入ってるんだしね。』

アンジェラもサーシャも賛成と言うように頷く。さっきからエレナを見ないと思ったら奥で泳いで遊んでいた。

…ドアの外から笑い声が聞こえる。

『ふふふ…この私を差し置いて仲良くお風呂タイムなんてさせませんわよ!』

扉が勢い良く開く!

あのお嬢様らしき人物が飛び出してきた。

そして素早い動きでエリの背後を取る。

『うふふ…///エリちゃんのちっちゃいわね…ちゃんと牛乳飲んでるの…?///』

瞬間、リリーの鉄拳が飛ぶ。

『うにゃーーー!』バタン

『…ごめんね、アホで…。ホントこんな人がこの屋敷の持ち主だなんて信じられないわ。

そういえば紹介してなかったわよね?この人はマリーさん、まぁ…危ない人だから気をつけてね。』

…エリは少し笑ってしまった。

みんな優しくていい人なんだなと思った。

この現実が夢ではありませんようにと初めて願った。


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