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3話「死んでも夢を叶えるものたち」

 初めは気のせいだと思った。奇妙な世界に接触し、非現実を目の当たりにした今でも、なかなかその事実を信じることはできなかった。


 その夜、沙穂は『毛糸まきまきサークル』の新人歓迎会に参加し、少し酒を飲んでいた。カクテル一杯とビールの大ジョッキを半量ほどであったが、普段アルコールを口にしない沙穂にとっては大きな挑戦であり、酩酊状態とまではいかないまでも目の前が揺らぐくらいには酔っぱらっていた。

 『毛糸まきまきサークル』は通っている大学で見つけたサークルだ。せっかくの大学生活、何か入らなければ損だろうと入学してから三か月経ってようやく気づき、その楽しげな語感だけで入会を決めたのだった。

 女性五人、男性二人というささやかな人数で、いまだに活動内容すらよく分からないのが正直なところであったが、歓迎会をやってくれるとのことだったので、ありがたく出向いたというわけだ。新人は沙穂の他にローラという外国人の女の子がいて、すぐに仲良くなった。日本語を片言で喋る彼女はサムライ言葉を教えると、すぐに日常会話で使ってくれるのが可愛らしい。

 そして沙穂は正常な判断が難しい状態でアパートに帰ってくることとなった。靴を脱ぎ、部屋の電気をつけると、フローリングの床にすぐさま倒れ込む。ひんやりとした感触が火照った体を鎮めてくれるようだ。

「はぁ、やっぱり我が家はいいなー。なごむでござるー」

 誰もいない部屋で、日向ぼっこをする猫のようにだらけきる。実家に帰ってきたわけでもないのに「我が家」と言ってしまうのは、一人暮らしに慣れた証拠だろう。この町に来て三か月経つが、今のところ不自由は感じていない。それなりに充実した毎日を送っている。バイトは面接で一度落とされてから受けていないが、サークルにも入り、友達もそれなりにできた。生まれ育った町に置いてきた、中距離恋愛中の彼氏ともそれなりにうまくいっている。

 だからトイレを占拠されるという珍事は、あれから一度もない。

 怪人に襲われることも、ライバルと遭遇することも全くなかった。現実離れした光景から遠ざかり、日常の中で沙穂は過ごしている。まるで全てが夢の中の出来事であったかのように。

「ライバル……どうしてるんだろ」

 頬を床につけながら、沙穂は呟く。彼のバルバル喋る声が、耳から離れない。気付けば友達と話している最中に、語尾にバルバルつけてしまうくらいだ。一旦思い出すと、ライバルに会いたくなった。理由は分からなかった。外灯に群がる羽虫のような気分なのかもしれない。だが居場所を知る術すらないのが、実にもどかしかった。ため息すら零れる。

 こうしている間にも彼はこの町で、闇に潜む怪人と戦っているのだろうか……

「おい、ここから俺を出すのだ」

 沙穂は飛び起きた。今、確かにどこからか野太い男の声が聞こえてきた。慌てて周囲を見渡すが、もちろん人の姿はない。カーテンを捲り、窓を開けて外を見るが、日付が変わる寸前の夜道に人通りはなかった。

「違う。こっちだ。タンスの中だ。俺の姿をその瞳に宿すのだ」

 びくりと身を震わせ、背後を振り返る。部屋の隅に置かれたタンスに目を向ける。三段になっている引き出しの中には上から下まで、下着や洋服が詰められているはずだった。

「まさか幻聴? やっぱりちょっと飲みすぎたかな……」

「くくく……この俺様が幻であろうか。いや、幻であるはずがない! なぜなら俺はこの世に巣食う混沌の根源だからな」

「そんな、幻聴が反語法を駆使して語りかけてくるなんて……!」

 不気味さに慄きながらも、沙穂は意を決してタンスに近づくことにした。このまま脅えていてもどうにもならないことは、火を見るより明らかだ。さっさと解決し、ホッと胸を撫で下ろして寝てしまいたかった。明日も朝から講義があるのだ。こんなところで立ち止まっている余裕はない。

 沙穂は恐る恐る足を進めると、タンスの引き出しを一番下からひっぱり出した。三段目にはTシャツが敷き詰められていた。しばらく眺めたあとで息を呑み、今度は二段目の取手を掴んで手前に一気に引いた。

 その瞬間。

 背後の襖が何の前振りもなく開け放たれ――

「くく……引っかかったな小娘! 馬鹿め、俺様はこっちだ!」

 ――中から、しわくちゃのブレザーが飛び出してきた。

「てぇい!」

 沙穂は襖を反射的に閉めた。もはやそうする以外に方法が思いつかなかった。今見聞きしたことをすぐさま消し去りたかった。

ばしん、と襖と柱とがぶつかる激しい音が部屋中に響く。その残響が潰えると、室内は意外なほどの静けさに満ちた。そして柱との間に挟まれたブレザーは床に落ち、そのまま動かなくなった。


 同時刻。指場町、南地区にあるコンビニエンスストアにて。

 深沈と更けていく夜の中でも、店内には煌々と光が灯っている。深夜だけあって客足も少ない。一人、二人とレジをこなすと、それだけですぐに客の姿はなくなった。レジに立つ店員は他の仕事もひと段落してしまったのか、タバコの陳列棚に寄りかかりながら大あくびをする。その指が手元の台を小突く。やけに活気のある有線放送の音だけが店内を無感動に流れていく。

 軽やかな音とともに入り口の自動ドアが開いた。店員はいかにも眠たげな、気の抜けた声で来客に挨拶をする。

だがその顔がドアの方に向けられた瞬間――店員はぎょっとした表情のまま固まった。

 店に入ってきた客がその白い毛に覆われた足を、一歩前に踏み出す。コンビニのドアをくぐってやってきたのは、明らかに人間とは一線を介した生き物だった。二足歩行し、両腕をぶらつかせ、背筋をぴんと伸ばしたそのシルエットだけを見るならば、人間そのものであったが、それ以外の要素には人間らしさなど一つも含まれていなかった。

 白い毛が生えているのは両足首と首周り、鼻の下の髭ぐらいのもので、その全身は枯れ木のような色をしている。胴体には角ばった機械が埋め込まれ、胸には鉄製のドアのようなものが取り付けられていた。腰にはパイプが回り、肩からは煙突が飛び出している。

 顔に目を向ければ、その頭頂部には真っ赤なモヒカンが揺れている。枯れ木のような色をした顔面に、緑色の瞳が光っていた。

「唐揚げをいただこうか」

 怪人は生い茂る髭の下に隠れた口元を動かし、落ち着き払った声でそう呟いた。

 あまりに奇怪すぎる客の登場に、店員は唖然と立ち尽くす。もとより、こんな深夜まで揚げ物を作っている店は少ない。それでなくとも人気商品であるから揚げは、九時前にはすでに売り切れていた。

 しかし怪人にそんな常識は通用しないらしい。そしていつになっても店員が動き出そうとしないので、ついに痺れを切らせたようだった。

「おい! まさか、ないというのか? 世界を救うあの揚げ物が!」

 怪人の眼光が鋭くなる。店員は短く悲鳴をあげた。

「も、申し訳ござ」

「……そうか。ないなら仕方ない。それならば俺が、この店の唐揚げとなるしかないようだな!」

 怪人は店員の謝罪を遮って突然声を荒らげると、いきなり走り出し、レジの前で急停止すると、腰を捩り、肩を捻って、店員の頬を拳で殴りつけた。

まるでバットで木を殴ったときのような、激しく鈍い音が店の中に響いた。

その音から一拍遅れて吹き飛ばされた店員は、その勢いのままにタバコの陳列棚に激突した。派手に転げたその体の上に色鮮やかなパッケージのタバコが、まるで雨のように降り注いでいく。店員の唇の隙間から苦痛に掠れた声が漏れる。

 静寂に包まれていたコンビニが、一瞬で惨劇の舞台と化した。仰向けに倒れこんだまま怯えた目をする店員に、怪人はにやりと笑みを浮かべ、レジ台の上に片足を乗せた。

「今日から俺がこの店の唐揚げだ。お前は俺のことを唐揚げ様と呼ぶのだ。敬意をこめてなぁ。分かったか小僧!」

 さらに怪人は腕を大きく振り上げると、カウンターを真上から殴りつけた。雷が落ちるような轟音とともに台はひしゃげ、破片が周囲に飛び散っていく。

 店員は赤く腫れた頬を押さえながら、ようやく体を起こす。床に座り込み、怪人を見上げるその表情には怯えと困惑が滲み出ていた。


 しばらくすると、ブレザーは目を覚ました。そうはいっても単なる洋服に過ぎないブレザーに目も口も耳もあるわけがないので、実際にどの段階で目覚めたのかは知りようもない。ただブレザーは「うーん」と野太い声をあげると、ゆっくりと胸から上を起こした。

「この『究極の闇を司る子犬』にこれほどの仕打ちを……恐れを知らぬ小娘だ」

「ブレザーがなんか偉そうに喋っている……」

 沙穂は床にあぐらをかいて、ブレザーを前にしている。やはり先ほどから聞こえていた声は、口もないのにどうやって発声しているのか疑問にも思うが、ほぼ間違いなくこのブレザーのものだった。

 どこかに機械が仕込まれていて、あたかもブレザーが喋っているように見せかけているだけでは、という疑いは持たなかった。なぜならそのブレザーは数週間前にライバルから授かったものだったからだ。人知を超えた存在からの贈り物なら、人知を超えているのは当然だろうという気持ちがあった。

 だがそれでも人の着ていない洋服が床に立ち、袖を右に左に動かしている光景は眩暈がするほど奇妙だった。怪人に遭遇し、不思議な世界に足を踏み入れた後でも、この光景を現実のものとして受け入れることは容易ではない。

 ブレザーの胸元を軽く指先で弾くと「この俺に触るな!」と怒鳴られた。右袖を薙ぎ、手を振り払うようにしてくる。沙穂は大人しく引き下がった。

「小娘が! この俺が喋らないとでも思ったのか」

「うん。普通の服は喋りませんもの」

「ククッ、ならばこう返そう……俺は異端だと! 俺は単なるブレザーではない。闇の住人、デスメアードなのだから」

「デスメアード?」

 聞き覚えのない単語に沙穂が首を傾げると、ブレザーは右袖を左ななめ上に、左袖を右ななめ下にびしりと構えた。今にも踊り出しそうなその構えに多少戸惑う。なぜ突然そんなポーズを取ったのか、まるで意味が分からない。意味などないのかもしれない。

「ククク……この町を跳梁跋扈する、闇の住人たちの総称だ。昼は塵となり、夜に具現化する。まさか小娘よ、圧倒的な邪気を放つこの俺が、昼間いなくなっていることに気付かなかったわけではあるまい?」

「全然気が付かなかった……」

 ブレザーの解説を聞きながら、沙穂はもしやと思った。頭の中にはこれまでに出会った妙な怪人たち、そしてライバルの姿が過っていた。

「……もしかして、ライバルもそのデスなんちゃらだったりするの?」

「ほう。これは恐れ入った。お前、我が主を知っているというのか?」

「我が主?」

 何とも大仰な言い回しだ。沙穂は目をぱちくりとさせるが、ブレザーは「ふむ。なるほど。ならば俺がこの場にいたことにも説明がつく」と小声でぶつくさ言っている。沙穂は一人でくつくつ笑っているブレザーを見ているうちに、不意に思い立ち、棚に置いてあるスプレー式の消臭剤を手にとった。元の位置に戻り、ブレザー目がけて消臭剤を吹きかける。白い霧が体を覆うと、ブレザーは激しく悶えた。

「ぐあっ、がっ! 俺の邪悪な身体が! 悪しきオーラに満ちた肉体が浄化されていく!」

「いいことじゃないの」

 さらにシュッシュッとスプレーを連射する。柑橘系の匂いが鼻をくすぐった。沙穂はこの香りが好きだった。嗅ぐと胸が弾み、爽快な気分になる。

「何をする、貴様! 俺にいい香りなどいらぬ! 俺を誰だと思ってる! 止めろ、それ以上シュッシュッするのは止めろー!」

 だが、このへんてこな喋るブレザーはこの香りがお気に召さないようだ。残念に思いながら、消臭剤を床に置いた。鼻をくんくんさせると獣臭さは消え、柑橘系の匂いが漂っているのでどの道もう十分だろう。

「それで、子犬ちゃんはなんで今頃出てきたの? ライバルにもらったの、割と前だけど。それともあなたもトイレを占拠するつもり?」

「なんのことだ。そして子犬ちゃんとは誰のことだ。俺はそんなファンシーな名前ではない! もう一度教えてやる。いいか、俺は究極の闇を司る――」

 ブレザーは唐突に言葉を切った。周囲をきょろきょろと窺い、「ついに来たか……」だとか「この気配は……」とか呟いている。沙穂はもう一度、消臭剤をブレザーに吹きかけた。

「どうしたの? 急に挙動不審になっちゃって」

「……おい、小娘よ。我が主の元に急ぐぞ。何やら血なまぐさいものが香ってきたようだ。だから柑橘系の香りを吹きかけるのは止めろ」

 我が主、とはライバルのことだろうか。先ほどそんなことを言っていた気がする。

「会えるの? ライバルに?」

 沙穂が目を丸くして尋ねると、ブレザーは胸の前で両袖を交差させ、胴体を軽く捻るようなポーズを取った。やはりなぜその体勢をとったのかは意味が分からない。

「ククッ……戯言を。主と俺とは一心同体だ。考えていることはおおよそ分かる。その居場所も然り。起きぬけであっても感覚の衰えぬところが、さすが俺様というところだな」

 ブレザーは宙にふわりと浮きあがると、立っている沙穂の目線と同じ高さまでやってきた。一見すると竿に干した洗濯物のようだが、そのブレザーを宙に固定しているものは何もないのだった。

「さぁ、理解できたのならばついてくるがいい。クククッ、素晴らしい闇の世界へ案内してやろう……!」

 ブレザーは一方的に言い放つと沙穂に背を向け、宙を滑るようにして去っていく。呆然としていると引き返してきて、「何をしている。間に合わなくなっても知らんぞ!」と袖をぶんぶん振り回し、激昂する。呆れを通り越して感服するほどの自分勝手ぶりだった。

「う、うん。分かった。トイレ済ませてから行くから、ちょっと待ってて」

 気迫に押され、沙穂は慌てて動き出す。ライバルに会いたい気持ちはここ数週間抱え続けていたので、ブレザーの提案を断る理由もなかった。ライバルに会い、もっと彼のことを知りたいと心底思う。彼と接するだけで、巨大な光の片鱗のようなものに触れることができるような気がした。そのためにも出かける前にトイレに行っておくことは、沙穂にとってとても大事なことだった。同じ過ちは、繰り返すまい。


 全ての準備を終え、家を出ようとするとブレザーに「さぁ、俺を身に纏うがいい!」と言われたので、沙穂は拒否した。あんな臭いのするものに袖を通すなど、考えられなかった。着ようものならその瞬間、体は腐ったホットドッグになってしまうだろう。

「なってたまるものか! ライバルに会いたいのならば、あまりごちゃごちゃ言わぬことだ……さぁ、何も考えず、本能の赴くままにこの俺を着用しろ!」

 そこまで強く言われれば抗うことなどできず、沙穂は渋々ブレザーを手に取るとデニムシャツの上からそいつを羽織った。消臭剤を吹きかけてもやはり鼻を近づけると臭いは強く、沙穂は顔をしかめなければならなかった。

 三日月の照らす夜道を十分ほど歩く。何を育てているのか分からないが、周囲には畑が広がっている。人通り、車通りもなく、外灯もぽつぽつと建っているだけだった。とても静かだ。何かを主張するかのような蛙の鳴き声だけが鼓膜を震わせる。

 目の前に現れたコンビニは、闇の中に煌々と浮き上がっているように見えた。灰色の景色に、その周りにだけ色がついている。駐車場には車が三台停まっていた。

「主はここにいる。俺の嗅覚に間違いはない」

「お弁当でも買ってるのかな……」

 やはり怪人でも戦うとお腹が減るのだろうか。赤いワゴン車の隣を通り、扉に手をかける。押し開き、中に入ると軽やかな音楽が耳に飛び込んできた。

「えっ……」

 沙穂が異変に気づくまでに、そう時間は要さなかった。不穏な予感に思わず足を止める。店を軽く周りながら、店員が挨拶を投げかけてくるのを待った。だがいくら待てども店員が姿を現すことはなかった。さらに客の姿すらない。それではあの駐車場に停まっていた車は誰のものなのだろう。

「なんか、誰もいないね……」

「ククク……物騒な店だ。店員すら出てこないとはなぁ。それとも無愛想な店、と言い換えたほうがいいか」

「うん」

 ブレザーの声を耳の側で聞いたその時、沙穂はぎょっと目を見開いた。店員と客とがやり取りを交わし、商品を置くカウンターのスペースが木端微塵に破壊されていた。何か重たいものが上から落ちてきたような潰れ方で、木片が足元に散らばっている。さらにカウンターの内側にある煙草の陳列棚はひどい有様で、床には煙草が散乱していた。

 これまで気配でしか感じ得なかった不穏が、ここにきてようやく現実味を帯び始める。

 沙穂はレジの前に立つと、カウンターの内側を覗き込んだ。「すみません」と声を張り上げてみるが、人の気配が店内に灯ることはない。沙穂はもう一度、周囲に視線を巡らせる。無人のコンビニがこれほどまでに恐怖と危機感を煽るものだとは、あまりに意外だった。

「そう脅えるな。我が主の発生させたメアード空間に呑み込まれているだけだ」

「メアード……なに?」

「空間だ。デスメアードは自分の得意とする空間を生み出す力を持っているのさ。そこに立ち入ることは選ばれた者しか許されない。ククッ、まぁこの俺は別だがな」

 不敵に呟くとブレザーは両袖をそれぞれ左右に勢いよく突き伸ばした。その紺色の布地が淡い光に包まれる。自分の肩の上で始まった異変に何事かと目を丸くしていると、同時に光は大きく膨らみ、そして爆ぜた。凄まじい速度で周囲に広がった光輪は店のレジや、本棚や、スナック菓子にぶつかると、宙に波紋を浮かばせた。

「あっ」

 沙穂は困惑と驚愕の入り混じった声をあげた。波紋を浴び、わずかな揺らぎを帯びた景色が、徐々に崩れ、歪んでいく。まるで水彩絵の具で描いた絵に水を被せたかのように、周囲の何もかもが溶けてなくなっていく。その光景は見方によっては酷くグロテスクだった。あらゆる物の色や形が混ざり、淀んでいく。その中心で沙穂は立ちつくす。少しでも動けば現実が足元から崩れ、奈落の底に落ちていってしまうような恐怖があった。

 コンビニが消え、入れ替わるように現れたのは紫色の空と荒れた大地だった。この場所に沙穂は見覚えがある。もはや馴染み深いその景色は、いつもライバルと共にやってくる珍妙な世界に違いなかった。

「あれは……!」

 視線を巡らせるまでもなく、沙穂はライバルの姿を景色の中に見つけた。ライバルは、頭に真っ赤なモヒカンを構え、枯れ木のような体色の怪人と対峙していた。名前を叫びかけて、沙穂は声を呑み込む。怪人の足元には男が三人、俯せになって倒れていた。一人はコンビニの制服を着ている。あとの二人は店に訪れた客だろう。沙穂と奈々のように彼らもまた怪人による被害を受けたに違いなかった。

「人が……!」

 彼らに近づき、安否を確かめたい気持ちはあった。しかしライバルと怪人の間に漂う緊張感は、それを許さなかった。下手にしゃしゃり出てライバルの邪魔をするのも本意ではないので結局沙穂はその場で立ち止まり、眉を顰めるしかない。

「……なるほど我が主と戦っているあれは、ウマシャス・メアード。土属性のメアードだ」

 背中に羽織ったブレザーが突然、耳元で囁く。沙穂はぞくぞくと背筋に冷たいものが走るのを感じながら、肩ごしに振り返った。

「な、なに。お知り合い?」

「あんなモヒカンは知らん。だが地獄の眼差しを持つこの俺に、見透かせぬものなどない」

「まず、子犬ちゃんのどこに目があるのか教えてほしいんだけど……」

 沙穂はため息を零す。くだらない会話を交わしているうちに、ライバルと怪人――ウマシャスの距離はじりじりと縮まっていた。

「……なるほど、貴様を倒さなければここから出ることはできないということか」

 ウマシャスは鼻の下にたっぷりと生やした髭を、ひくりひくりと動かしながら周囲を見渡す。再びライバルに向けたその眼差しには、明らかな敵意が滲んでいた

「知っているぞ小僧。貴様、巷で有名なライバルだな」

「バルバル」

「夢の狩人、漆黒の断罪者……ふん。貴様に関しては悪評しか聞かぬのお」

 ウマシャスは鼻を鳴らしてライバルを指さす。ライバルは身構え、真紅の双眸を鋭く光らせた。

「俺の始まったばかりの夢、貴様ごときに潰させはせぬぞ。この世界には唐揚げを食べる資格のない人間たちが大勢いる。一人一人粛清してやる。貴様もその一人だ」

「バッルバル!」

 聞く耳など持たないという風にライバルは跳躍すると、敵目がけて固めた拳を振り下ろした。だがウマシャスはその場から動かず攻撃を片手で受けると、腕をぶんと振るい、ライバルの体を薙ぎ払った。

「その拳で一体、何人の夢を壊してきた?」

 肩から胸にかけて伸びた鉄色のパイプを、掌で撫でつけながらウマシャスはいやらしく問う。よく見ればこの怪人の体には、至る所に機械が埋め込まれているのだった。

「ライライッ!」

 ライバルは顔をあげると、今度は全体重を載せた回し蹴りを打ち出した。雄叫びとともに放たれた一撃であったが、またしても通じなかった。ライバルのつま先を機械化した右肩で受け止めるとウマシャスは豪快に笑った。

「なんと驕った存在か。……許し難い。俺がその心、一度挫いてやろう!」

 その言葉に嫌なものを感じ取ったに違いない。ライバルはびくりと肩を震わせると、素早く背後に飛んだ。そんな彼に追いすがるように、ウマシャスの胸部に備わった飴色の鉄扉が開く。やがてその内部から薄黄色をした液体が大量に吐き出された。

 液体はライバルを逃がさず、彼の頭からつま先までをぐっしょりと濡らした。ライバルは着地するや否や、水浴びをした後の犬のように激しく体を震わせ、体に付着した水分を吹き飛ばす。その色と風に乗って流れてくる匂いは、沙穂にあるものを連想させた。

「これって、油……?」

「バッルバル!」

 濡れ鼠にされたことに腹を立てたのか、ライバルは敵を睨むと足を踏み出した。進む先には先ほど噴出した液体によってできた液だまりがある。ライバルは戸惑うことなく、その薄黄色に濁った液の中に飛び込んでいった。

 しかしその足が、体が、前に進むことはなかった。右足が地面から離れ、さらにもう片方の足も引き剥がされる。沙穂があっと声をあげるのと同時にライバルの体は半回転し、彼は腹部を地面に打ちつけた。

 つまりのところ、漆黒の戦士は派手に転んだのだった。ライバルは赤く腫らした顔をあげ、苦痛の声を漏らす。その間抜けな姿にウマシャスは口を大きく開け、爆笑していた。

「いい恰好だのう、狩人よ。殺された者どもの痛み、味わうが良い」

 ウマシャスが自身の右肩に手をやると、そこに備わった機械から鉄串が飛び出してくる。それを引き抜くと大きく腕を振りかぶり、ライバルに向けて投げつけた。

「バッ、バル!」

 油まみれになり、起き上がろうとする最中であったライバルには攻撃を避ける余裕などなかった。鉄串は容赦も躊躇もなく、ライバルの右肩を刺し貫く。

「ライバル!」

 耳を塞いでしまいたくなるほどの、あまりに痛々しい叫び声がライバルの口から迸った。怪人はライバルに飛び掛ると、起き上がろうとする顔面目がけて拳骨を叩き込んだ。

 その琥珀色の空気を突き破った轟音は、がつん、とも、どがん、とも聞こえた。それは何か硬いもので、アスファルトの地面を強く叩いたような音だった。衝撃に吹き飛ばされたライバルは背中から落ち、地面を転がった。主人を心配するかのように、その腰にぶら下がったお守りの鈴がけたたましく鳴る。

 沙穂は悔しさに歯噛みをする。恩人がやられている様をただ眺めていることしかできない自分が、ひどく卑劣な存在に思えた。だが下手に手を出せば、ライバルの足を引っ張るであろうことは明白だった。

「小娘よ、お前は何も知らぬようだから教えてやる。俺たちは夢の搾りかすだ。物や人、動物が無念を抱えたままその命を終えた時、デスメアードは生まれる」

 切迫感に押し潰されそうになる沙穂の耳に、ブレザーの声が飛び込んでくる。沙穂は表情を凍らせた。

「生前に果たせなかった夢を叶えるため、我らは存在している。そのためにはなんでもする。中には人を傷つけることや、町を壊すことを躊躇なく実行するものもいる」

 コンタクトレンズの怪人や、トイレに籠城された鳥頭の怪人が思い浮かぶ。確かに彼らは“夢”という単語を口にしていたような気がする。

「そして我が主は、そんな連中を始末して歩いているというわけだ。それが主の夢であり、目的だからな。ククッ……デスメアードにとっては忌むべき存在だろう。夢を邪魔されるだけでなく命さえも刈り取られる。当然、憎む者も多い。主は孤独に戦っているのさ」

 ウマシャスは髭を指先で撫でつけながら、下卑た笑みを浮かべる。その手にはまたも鉄串が握られている。顔をあげたライバルは深紅の目で、怪人を睨みつけている。強い輝きを眼差しに湛えた、決死の表情だった。

「どうだ? お前は我が主を恐れるか、人間よ? 夢と称して同じメアードを粛清する化け物を、どう感じる?」

 ブレザーからの問いを間近で耳にしながら、沙穂は戦うライバルの雄姿を見つめる。同族の命を奪い、その憎悪を一身に受けなければならないというのは、どれほど辛いことだろう。孤独を強いられた背中は哀しく、しかし力強い。

「私は……」

 ウマシャスが投げつけてきた鉄串を、ライバルは自分の肩から引き抜いた鉄串を使って叩き落とした。さらに腰を捻り、左手に握ったそれを投げつける。

「そんな攻撃如き……俺には通用せぬぞ!」

だが、怪人の目の前に突如出現した光の球体が鉄串を受け止めた。

 曖昧な輪郭を宿した球体は、やがて明瞭とした形を取り始める。鉄串に貫かれながらも宙を浮かぶピンポン玉サイズのそれは、やがて美味しそうな鶏の唐揚げに変化した。

「見たか、これぞ俺の能力。唐揚げシールドだ」

 唐揚げの刺さった鉄串を手に取ると、ウマシャスはそれを口に運んだ。さくり、と音をたてて黄金色に揚がったそれを咀嚼する。

「まだそれほど動く元気があったとは仰天だ。……よかろう、では引導を渡してくれる」

 口の中の唐揚げを呑みこんでから、ウマシャスは歯を食いしばり、こめかみに血管を浮かばせた。するとその体から黄土色をした光球が、まるで蛍のように次々と出現し始める。それらは全て鳥の唐揚げだった。きつね色に揚げあがった表面がなんとも食欲を刺激する。

「ゆけ、お手製の唐揚げたちよ! この俺に勝利をもたらすのだ!」

 指揮をとるようにウマシャスが大きく腕を前に突き出すと、唐揚げたちはまるで自我を持つかのように動き出しライバルに襲い掛かった。

「バルゥ!」

 ライバルはその双眸を赤く光らせ、身構える。あらゆる軌道をたどって迫りくる唐揚げに対処するためなのか腰を低くし、間近まで来たタイミングで後ろに飛び退いた。

 だが――ライバルの反応を、唐揚げのスピードははるかに上回っている。

 先行した唐揚げが、ライバルの腹部にねじ込まれる。それは彼の皮膚にめりこむと弾かれることもなく、そのまま体内に入り込んでいってしまった。

「唐揚げが……ライバルの中に!」

 揚げ物が生物の皮膚をたやすく突き破る、というあまりに衝撃的な光景を前に沙穂は声をあげる。ライバルは胃のあたりを押さえるとその場でうずくまり、激しくえづきだした。背中を丸めたその様子は苦しそうだ。

「俺の生成する唐揚げは、その油分や味を自在に変化させることができる」

「バル……!」

「どうだ、油分九十三パーセントの唐揚げを直に叩き込まれた気分は? お前の内臓は胃もたれを起こしているはずだ。どうだ、苦しかろう!」

 ウマシャスは唾の溜まった口を動かすようにして、濁った笑い声をたてる。

「だが、絶望するのは早すぎる。これはまだまだ序の口だ。体の内も外も油まみれにしてやる。油・ザ・オールナイト! ノーキャベジン!」

 ウマシャスは高らかに叫ぶ。するとその高揚に触発されたかのように、さらに速度を増した唐揚げの群れが次々とライバルを蹂躙していった。

「バ、バリュ……ラバリュ」

「逃げようとは思うな? 俺の唐揚げの飛行速度は……時速百二十キロだ!」

 拳を打ち出し、つま先を振るっても、高速で動く小さな唐揚げたちをライバルは捉えることができない。五つ目の唐揚げが体の中に消えると、彼は大きくよろめいた。

「さて……そろそろフィニッシュといかせてもらおうか。唐揚げ帝国の建設には、いくら時間があっても足りないのでな。人の夢を打ち落とす悪戯は他でしてもらおう」

 ウマシャスが肩から鉄串を引き抜く。絶えずえずき、いかにも苦しそうなライバルを、沙穂は不安な気持ちで見つめる。彼の握りしめられたままの右拳が、胸を震わせる。

「……でも、なんであってもライバルが私を助けてくれたことは、確かなんだよね」

 脳裏に、宮本奈々の血の気の失せた顔が過る。あの時のことを思い出すと息ができなくなる。心音のリズムが狂い、目の前が真っ暗になる。

 戦うライバルとウマシャスの側で、倒れていた人たちが身じろぎ始めた。どうやら気を失っていただけらしい。彼らの姿を遠くから眺めながら、怪人に襲われた時の恐怖を、奈々が倒れた時の哀しみを思い出す。絶望に塗りたくられた沙穂の心を澄んだ色に変えてくれたのは、あの黒くあまりに小柄な身体だった。

 そうだ、と沙穂は気付く。どんな理由があろうとも、ライバルが救世主であることに違いはないのだ。ならば自分がとるべき道は初めから、一つしかないではないか。

「だから私は、ライバルの味方になるよ。どんな理由があっても、想いだけでもライバルを助けたい。ライバルが私を救ってくれたみたいに」

「……そうか。ならばそれでいい。我が主のために祈ってくれるなら、拒絶はしまい」

 夢を壊すため。人を守るため。傷つきながらも戦うことを止めないライバルと同じように、沙穂もまた拳を固く握りしめる。その掌に溢れんばかりの祈りをこめて。

「負けないで……ライバル」

 ちりん。

鈴の音が、荒廃した世界に響く。

 沙穂の声に応えたわけではないだろうが、ライバルはゆっくりと顔をあげた。その額は割れ、顔面を分断するように痛々しい裂傷が走っている。そのベルトが深紅に輝く。バックルのメダルが燃えるような光を放った。

 ウマシャスが鉄串を握る腕を振りかざし、意気揚々と駆け出す。全身のあらゆる箇所に装着された機械をがちゃがちゃといわせながら、地を跳ねるように移動し、手にする得物の切っ先をライバル目がけて突き出した。

 ライバルは放たれたその刺突を避けることも、防ぐこともしなかった。その左手にはいつの間にか鉄串が握られている。

「バルゥー!」

 全く淀みのない動作で、彼は飛び掛かってきたウマシャスの腹部目がけ、その先端を突きだした。同時にウマシャスが放った一撃も、ライバルの脇腹を抉った。

「……随分とぬるい反抗ではないか」

 敵の胸部を貫いたはずの鉄串が抜け落ちる。どうやら油で手が滑りやすくなっていたため力がうまく入らず、深い損傷を与えるまではいかなかったようだ。

「そんな攻撃で俺に一矢を報いたつもりか、小僧。そんなことでこの俺は!」

 語気を荒らげたウマシャスの拳が、ライバルの胸を殴りつける。その力は凄まじく、ライバルの体はまるで打ち上げ花火のように突き上げられ、空を舞った。頭上にあるライバルの姿を見上げながら、ウマシャスは自身の周囲に光球をいくつもばら撒く。それらはやがて、ひとつ残らずこげ茶色の唐揚げに変化を遂げた。

「これが俺の最終奥義――煌めけ、“唐揚げ流星群”!」

 その身をわずかに震わせ、浮遊する唐揚げたちが一斉に動き出す。無数の矢のように放たれたそれらは、砂糖に群がる蟻のようにライバルに飛び掛かっていく。

「頑張れ、ライバル!」

 考えるよりも先に、思うよりも前に、沙穂の唇は言葉を紡ぐ。上昇を終えたライバルの体が今度は落下を始める。その体の周囲にいくつもの光が瞬いた。

「バルゥウウウッ!」

 ライバルが空を裂くような雄叫びをあげた。呼応するかのように彼の周囲にある無数の光が唐揚げに変わる。それらもまた流星群のように、地上に落下していった。もはや茶色の塊としか認識できない速度で地面に突き刺さっていく唐揚げたちは、ライバルに襲いかかる敵の唐揚げと激突し合い、次々と打ち落としていく。

「馬鹿な、俺の奥義を!」

 空で弾け、砕けていく精鋭たちを前にウマシャスは唖然と声を漏らす。その表情にわずかながら恐怖が浮かんだ。

急降下するライバルが敵の目前まで接近していた。その手足は茶色の塊――唐揚げですっぽりと覆われていた。まるで、両手足にだけ鎧を纏ったかのように。

「なにっ!」

「ライバル!」

 それは凄まじい落下速度だった。ライバルの胸の目は開き、腕は赤い瘴気によって包まれている。そのあまりの速度に、ウマシャスも沙穂も反応することさえできなかった。

「バルゥウウウウウッ!」

 ライバルの雄叫びが、こだまする。

 空を衝き、地を砕く速度と威力をもって振り下ろされたその一撃は、ウマシャスに全く反応する隙を与えず、その胸を一息に貫いた。

「ぐあああっ!」

 叫喚が跳ね、ウマシャスは吹き飛ばされる。着地したライバルは緑色の液体が滴る拳を撫でながら、身を起こした。真紅の目は、よろめきながらも立ち上がる敵の姿を捉えている。無残にも胸には大きな穴が開き、そこから油が血液のように流れ出していた。

「俺の、唐揚げの追撃速度を、利用して……」

 ウマシャスの体のあちこちから黒煙があがり、火花が散る。その足元に装甲片が落ちた。途中で切断されたパイプが地面に引きずられ、折れた煙突から甲高い音が響いている。

「俺の夢……貴様などに、譲り渡すわけには……」

 周囲に無数の光が瞬き、再び唐揚げを生成しようとする。だがそれを成すだけの力がないのか光は唐揚げに変わる前にほどけ、霧散していった。

「ちく……しょう……」

 ひび割れた声が、髭の下から漏れる。やがてウマシャスは光の粒と化し、乾いた風の中に消えていった。後には、緑色の液だまりだけが残された。

「主の勝ちだな、ククッ……当然のことだがな」

「ライバル……」

 沙穂は心底安堵して、彼の名前を口にする。ライバルは深くため息を吐くと、何が起きているのか分からない様子で上半身を起こす人々に目をやり、その後で――沙穂の方に顔を向けた。

 彼の戦う理由を知った今でも、沙穂の中に迷いはなかった。恐れもなかった。目の前に立っているのは、自らは傷だらけになろうともなりながらも人々を救い、この世界に希望を振りまいてくれる勇者であった。

「ライバル!」

 沙穂は笑顔を浮かべると、ライバルに向けて親指を立てた。サムズアップというやつだ。あなたは一人ぼっちじゃない。こんなに感謝している人もいるのだと伝えたかった。

 ライバルははじめ、当惑した顔でこちらを見ていた。しかしやがて彼もまたおずおずと左手を前に出すと、沙穂を真似るように親指を立てて返した。その表情は見ているこっちが嬉しくなってしまうような、大きな喜びに満ちていた。

「ライ、バルッ!」

 こうして沙穂とライバルは、ようやく本当の意味で出会うことができた。耳元でブレザーがふっと笑う。紫色の風が足元を吹き抜けていった。


※誤字が見つかったため修正しました。


「デスメアード・ファイル」

ウマシャス・メアード

属性:土

AP4 DP3

身長:175cm 体重:90kg


【基本スペック】

領域(Lv1。物音などを周囲に気付かれにくくする)

魅了(対象:腹ぺこ。対象に含まれる相手は、このデスメアードに攻撃できないことがある)

衝撃(クリティカル率1.5倍補正)


【特殊能力】

鳥の唐揚げを無限に生成する。付けや脂っこさなどは調整可能。生み出した唐揚げは自在に操作でき、相手の皮膚をすり抜けて胃に直接食べさせることもできる。

唐揚げの最高速度は120km/h。


【DATE】

唐揚げ大好き中年の成れの果て。唐揚げを愛し、この世で一番の唐揚げになろうとする紳士。自尊心が強く、ライバル相手でも怯まない。


-----------------------------------------------


ヘルブレイダー・メアード

属性:火

AP1 DP1

身長:75cm 体重:4kg


【基本スペック】

領域(Lv1。物音などを周囲に気付かれにくくする)

解析(相手のパラメーターを見ることができる。名前と属性限定)

侵食(他のデスメアードが生み出したメアード結界・空間に出入りできる)


【特殊能力】

他の誰かの代わりに攻撃を受けた場合、防御力が2倍になる。


【DATE】

“究極の闇を司る子犬”を自称する謎の喋るブレザー。いつも偉そうである。

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