心は想い出に
雪は静かに時間の流れを感じさせないほどゆっくりと振り続けた。
彼の事はこの先ずっと好きだ。
たぶん、明日も明後日も来月も再来月も来年もずっと、どうしようもなく好きなんだと思う。
彼の特別な人になる事の出来なかった悔しさより、彼に私の気持ちを知って貰うことが出来なかった悲しみの方が今は大きい。
彼とはこの先ずっと友達として付き合っていける自信のない私。
この先何年、何十年もの時間を駈けて彼を想い出にしていくのだろう。
空を見上げれば、白く儚い輝きを放つ雪は深々と私に降り注ぐ。
この日家に帰った私は、彼の事だけを想い、気がつけば泣きながら眠っていた。
あれから、いろんな大学での出来事もあり気がつけば半年という時間が流れた。
「夏帆~!こっちこっち!」
「今、行く~!」
彼の事は今でも変わることなく大好きだ。
たぶん、彼に会う度、心の底から苦しみ続けるだろう。
夢、希望、喜び。
絶望、哀しみ、虚しさ。
それら全てに包まれ、この先生きていく。
でも、大丈夫。
彼との想い出がある限り強くあり続けれるだろう。
彼の優しさ、微笑み、感じる事の出来なかった温もり。
何も出来なかった私。
今なら、自信を持って言える。
この先どんなことがあっても強く生きていけると。
広い草原を駆け抜けるように明日に向かって私は歩き出した。
第二章 steppe-ステップ- 終




