池袋駅
第二章 steppe -ステップ-
飛び交う車の音。
あの島に比べたら相変わらず五月蝿過ぎる(うるさす)。
18歳の春、私は高校を卒業した。
結局、私はあの人への思いを告げることは出来なかった。
あれから、二年の時間が流れた。
高校二年の冬に見た高志君の姿は、春になって、夏になって、冬になって行く度に何かを必死になっていた気がする。
今まで以上に穏やかな人になっていた事。
他の人への優しさに胸が何度苦しくなった事だろう。
大学生活のも慣れてきて、人との付き合い方も段々変わってきた。
そんな毎日に疲れた私。
ある日、東京都の池袋駅で彼と再会した。
高校を卒業してから、毎日彼のことを考えると頑張る事が出来た。
ホームシックになった時も彼とメールをすることで元気を貰うことが出来た。
彼が高校を卒業する半年程前から、彼に頼り過ぎる私が自分自身が嫌で連絡を取るのをやめた。
そして今日、2年ぶりに彼と再会した。
もちろん、先輩と後輩としてだった。
「高志君・・・?」
「へ・・・?あ、先輩。お久しぶりです。」
2年も月日は流れたというのに彼は変わっていなかった。
安心した。
彼も私と同じように大学を受験して受かったらしい。
「高志君。今もしかしてヒマだったりする?」
「あ、帰ろうとしてたので大丈夫ですよ。」
彼との再開に興奮していた私は彼を食事に誘った。
夕方の駅は人が溢れており、時間に身を任せ育ってきた私にとっては違う次元の人達に見えた。
遠くから聞こえる聞き覚えのある声に振り返ると高校時代の先輩がいた。
久しぶりに見る彼女は元気で石垣にいた頃と何も変わっていなかった。
彼女に食事を誘われた。
ちょうど今書いている小説が行き詰っていた。
気分転換になると思い、行くと返事をした。
「でさ、萌がまた彼氏に振られたって言って私に言ってくるんだよね。」
先輩は二十歳を過ぎていてもう大人の女性の仲間入りをしていた。
お酒を飲んで上機嫌な彼女の話を聞きつつ、小説の展開をずっと考えていた。
「先輩!気をつけて帰ってくださいよ!」
「大丈夫!大丈夫!」
先輩は少し酔っ払ってしまったが問題なく、人ごみに消えていった。




