別れと絶望と決意
昨日、4人で夕飯を食べてホテルまで送ってもらった。
高志君の両親は高志君に似て、優しい人達だった。
12月27、9時15分。
あと、2時間後には飛行機に乗らなくてはならない。
高志君と高志君のお父さんとお母さんも見送りに来てくれるらしい。
「さぁ、支度しなきゃね。時間もないし。」
15分もかからず支度は終わった。
ベットの上に置いておいた携帯が突然鳴り出した。
知らない番号だったが慌ててでる。
「あ、もしもし。ひかりちゃん?」
梢さんだった。
「はい!そうです。」
「もう、支度終わった?」
「終わりましたよ。」
「じゃ、ロビーにいるからおいで。」
そう言うと梢さんは電話を切った。
今更だが、梢さんとは高志君の母親のことだ。
ロビーに行くと、高志君と梢さん、弘一さんがいた。
弘一さんは高志君の父親だ。
「お、来た来た。まだ時間あるから食事しようと思ってね。悪いね。」
「いえ、ありがとうございます。」
高志君達の心遣いに感謝した。
私は少し我が儘を言い、あのパスタ屋さんに行って貰った。
「我が儘言ってすみません。」
「いいよ。ひかりちゃんはなんだか娘みたいな気がして楽しいからね。」
「ありがとうございます・・・。」
「ひ、ひかり!」
高志君が慌てている。
たぶん、突然私が泣き出したからだろう。
私は泣いてしまった勢いで両親の都合で外国に行かなくてはならなくなった事、石垣島に来たのは高志君にそのことを伝えに来た事。
せっかく決心したのに行きたくなくなった事。
高志君が好きな事。
全部、梢さんと弘一さんに言った。
高志君は呆然としていてたぶん後半は聞いていないだろう。
恥ずかしさよりも離れてしまう悲しみや恐怖が先に来てしまい、昼間の人がたくさんいるパスタ屋さんには迷惑をかけていただろう。
でも、変わらないんだ。
私は旅立つのだ。




