冬の朝
冬の朝は嫌いだ。
喉はカラカラになるし、体は思うように動かせない。
しかし、僕の体は食事を求めている訳で無理矢理体をベットから起こした。
「おはよう。」
「高志、おはよう。」
父さんと母さんが既に起きていたのか、コーヒーを二人で飲んでいた。
「昨日言い忘れてたけど、父さんと母さんしばらく仕事休み貰えたから。」
朝から珍しい光景だと思っていたが、謎はすぐに解けた。
「ふーん。そうなんだ。ゆっくり休みなよ。」
僕は空いている席に座りパンを食べながら言った。
「高志、ひかりちゃんはいつ帰るの?」
「ちょっとわからないや。」
母さんに言われて気づいた。
そうだ、ひかりは遊びに来ただけだ。
いつ帰ってもおかしくは無い。
あまりにも久しぶりで、でも全然離れていた気がしなくてずっと一緒に居れる気がしてた。
「今日はみんなで、ひかりちゃんの好きなとこ連れて行ったあげようか。」
考え込んでいる僕に父さんは、善意からかそんなことを言い出した。
悪気があって言っている訳でもないし、ひかりが大丈夫ならいいか。
「ひかりに聞いてみるね。」
父さんは短く返事をすると新聞を読み出した。
あぁ、これが家族の風景なんだな。
ふと、そんなことを思った。
少し恥ずかしくなり、慌ててひかりに電話した。
「うん。ほんと!嬉しいかも!」
「うん。わかった。じゃ、11時にね。」
高志君から電話がかかってきたのは朝食も食べ終わり、ホテルの自室へと戻った時だった。
ちょっと安心した。
彼に言わなければならない事を先延ばしにする事が出来た。
「なに馬鹿な事考えてるんだか・・・。もう変わらないってわかってるのに・・・。」
伝えるのは明日にしよう。
飛行機に乗る前に、全部伝えよう。
さぁ、いまは高志君達が来る前に準備しなくちゃ。




