お喋り
12月25日。
今日はクリスマス。
本当はイヴの方が聖夜って言うくらいだから、めでたいのだろう。
しかし、プレゼントをあげたりするのは25日。
つまりクリスマスだ。
僕の選択は当たっているはずだ。
「なんか、不思議だね。」
「うん?なにが?」
食べようとしていたハンバーガーを片手にひかりが呟いた。
「だって、沖縄の石垣島だよ?東京から飛行機で三時間もかかるんだよ?」
「うん。ど、どうしたの?」
「不思議だなぁって、東京にもファーストフード店なんてたくさんあるのに石垣島も変わらないなんてなんか不思議じゃない?」
確かに、ひかりはたぶん地方限定品みたいなものを期待していたのだろう。
しかし実際は、何も変わらないということだろう。
僕も石垣島に来た時は多少は驚いたのを覚えている。
生活も何もかもがテレビで見た沖縄とは違っていたからだ。
幼い僕はテレビドラマをそのまま鵜呑みにしてしまっていたからだろう。
ゆっくりとしているのは変わらないが、学校でよくある虐め、嫌がらせといったものはやはりどこに行っても変わらなかった。
「次、どこ行く?」
ひかりの声に僕はまた考え込んでいた事に気づく。
「あ、風強いけど海行く?」
「海?行く!」
その後、僕達はゆっくりと食事をして、次の目的地へと向かった。
「風強いね!」
「寒いしね!」
僕達は近くの港まで歩いて行き、海に着いたのはいいが、風が思ったより強かった。
「違うとこ行こっか!」
「うん!」
結局、海には5分も居なかった。
「あはは。石垣って風強すぎだよ!」
「久しぶりだから強く感じるだけだよ。」
今僕達は、バスに乗っている。
向かっている場所は僕の家だ。
バスに揺られて30分ほどで僕の住む吉原に着いた。
「ただいま。」
「お帰りなさい、高志。」
「母さん、藤原覚えてる?」
「あぁ、小学校の時の・・・。」
ひかりを母さんに会わせると妙に気が合ったらしく、話し込んでしまった。
「今日、夕飯食べていって。帰りは送るから。」
女の子のお喋りは長いと感じていたがここまで長く感じたのは初めてだ。
3時間も玄関で話をしていた二人も暗くなるにつれて寒さを感じてか、部屋に入った。




