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雪月花  作者: 茶葉風味
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喜びに辿り着くには

僕は、小学生の頃病弱であまり外で遊ぶということはしなかった。


両親の仕事の関係で引っ越すことが度々あった。

友達はあまりいなかった。

だから、あまり寂しい想いはしなくてすんだ。



そして、ある日僕は4度目の引っ越しをする事になった。


場所は沖縄県。

東京から約二時間、沖縄本島からさらに飛行機で約一時間ほど飛行すると見えてくる。

 

東京から三時間というとてつもない時間をかけていく石垣島という場所。

そこは、小学生の僕からしたらまだ誰も踏み入ったことの無い未知の世界のように感じられた。

 



飛行場が見えてきて、飛行機が着陸の態勢に入った。

地上に着いたかと思うと一回バウンドし、次の瞬間激しい衝撃が襲ってきた。




もう命の終わりを迎えるのかと思ったが、何事も無かったかのように窓の外には石垣空港の白い文字。

吸い込まれるように出口へと向かう人々。

僕は、しばらく何も考えずに窓から見える石垣空港の文字を眺めていた。

 



たぶんこの時僕は、何かが起こる予感で胸が張り裂けそうなくらい緊張していた。

 


空港の出口へ向かうと母親と父親が待っていた。

二日ぶりの対面だった。

まだ前の学校が終わる前に予定が早まってしまったのか、父と母は二日前に先に石垣島へと向かっていた。

 

いつものような日常的な会話をしているうちに、さっきまであった緊張は既に無くなっていた。

車に乗って約三十分、ようやく新しい家に辿り着いた。

普通の一軒家で中も思ったより広い。

 

今からの新しい生活が始まることに、何も感じずいつものことだからと幼いながらに思っていた。

 


自分の部屋に荷物を運び部屋に置いてあったタンスに自分の服等を入れたが、思ったより荷物が少なかったためすぐに終わった。


母に荷物の整理が終わったことを告げると地域探索でもしてきなさいと言われ、この町に馴染むために探索に行くことにした。








家を出てすぐに下り坂がある。

その坂を半分ほど下ると右側に小学校がある。

家からは五分も掛からない距離だ。


しばらくして、歩くことに疲れた僕は家の近くのこの辺り一帯を見渡せれるような鉄塔に行って休憩することにした。

家の方角に向かうので坂を今度は上らないといけないが、不思議と疲れを感じなかった。


十分ほどして坂を上りきり、鉄塔に辿り着いた時ふと後ろ振り返った。
























そこには、今まで見た事の無い世界が広がっていた。

 















「すごい・・・。」
















思わず口からそんな言葉が出てきた。

 

遠くに見えるエメラルドグリーンの海。その先に果てしなく広がる青い海。

初めて見るその景色に心を奪われた。

今までに無かった物がそこには広がっていて、初めて新しく始まる生活に喜びを感じたように思えた。


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