久しぶり
今の時刻、午後3時15分。
飛行機は少し遅れが出ているらしい。
連絡を待っていることが出来なかった僕は、飛行機が石垣島に着く一時間前に既に空港の前に立っていた。
そもそも、ひかりはこの飛行機に乗るとは一言も言ってない。
しかし、東京から石垣島行きの飛行機は一日に一便から二便くらいしかないためすぐにわかった。
遠くから、ガヤガヤと賑やかな声が聞こえた。
ふと、視線を上げると懐かしい姿が目に映った。
「ひかり、久しぶり。」
あぁ。
久しぶりに見る笑顔だ。
僕は思わず抱き締めた。
「急ブレーキするんだもん。驚いたよ。」
「あはは。驚いたか。黙ってて良かった。」
ひかりは空港の近くにホテルを借りているらしく、今はホテルに向かって歩いている所だ。
「ふぅ。やっと着いたね。」
少し乱れた服装を直しつつひかりは、笑顔でそう言った。
「いやいや、まだ20分くらいしか歩いてないよ。」
そう言い僕は、ホテルを見上げた。
本当ならタクシーに乗ってしまえば10分で着くはずだった。
「高志君が生活しているこの島の一部でも今すぐ見たい。」
ひかりの申し出に歩いてホテルに向かったわけだ。
チェックインを済まし部屋に荷物を一緒に運んだ。
その後は、少しホテルで話をして夕飯を食べて解散した。
薄暗い一人の帰り道は、明日からのひかりとの日々に心躍っていた。
「ふぅ。今日は少し冷えるな・・・。」
誰にも気づかれないように小さく笑った。




