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雪月花  作者: 茶葉風味
15/42

退部

次の日の放課後。


「なぁ、良太。あの子名前なんていうの?」



「お前、部員の名前くらい覚えろよな。あの子は佐々木 結城。」



あの女の子は佐々ささき 結城ゆうきというらしい。


ちょっと小柄でかわいい女の子だ。


昨日、やっぱり彼女は僕と目が合うと不自然に目を逸らし逃げるようにその場を去った。

男子部員はその意味がわからず、からかってきたが僕もよくわからないと答えるとからかってはこなかった。


朝、彼女と目が合ったがやはり逸らされてしまった。


その現場を良太に見られてしまった僕は、放課後良太に昨日のことは隠しつつ聞いたのだ。




その後、部活にそれぞれ向かった僕と良太は教室で別れた。


競技場に着くと佐々木結城が自転車に乗り帰ろうとしていた。


「あれ?佐々木、部活出ないの?」



「あ、牧野君。うん。今日で退部するから帰るの。」


彼女は短くそう答えた。

たぶん気まずい雰囲気の中僕と同じ部活は出来ないと思ったのだろう。


「佐々木。部活出ろよ。」


「心配されるのは嬉しいけど、やっぱりね・・・。」

そう言い彼女は目を逸らした。


「わかった。俺がやめるから。大浜は陸上続けて。」


「いや、牧野君の走っている姿に私は好きになったからやめないで。」

彼女は目に涙を浮かべながら必死に説得してきた。


「ちょっと待ってて。」


彼女に強制的に待っててもらい、顧問の先生のところへ向かった。





僕は家庭の事情でアルバイトをしなければならなくなった事、そのせいで部活を辞めないといけな事。

嘘をいっぱい並べた。

佐々木の事も話した。

内容は変えて話をした。


10分くらいして僕は佐々木のところに戻った。


「てっきり帰ったと思ってたよ。」


「待っててって言ったじゃん。」

彼女は不安そうにそう言った。


「とりあえず、僕はもう帰るけど佐々木は部活どうするの?」



「え、・・・。帰るって牧野君は?」


佐々木にも嘘をついた。

家庭の事情でバイトをしないといけなくなったから近いうちにやめる予定だったと。


「そうなんだ。」


「辞めるのも続けるのも佐々木が決める事だから、何も言わないけど。大浜には走ってて欲しな・・・。また学校でね。」











「牧野君の馬鹿・・・。」


小さく彼女がそう呟いていたことを僕が知る事はなかった。
























その日の夜、予想通り夏帆さんからメールが来た。

内容は退部した理由から大浜さんの事まで本当にどうでもいい質問までいろいろされた。





寝不足になったのは僕自身のせいだろう。

そう思った。

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