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雪月花  作者: 茶葉風味
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秘め事

昨日、ひかりから電話がかかってきた。


ひかりもとうとう携帯電話を買ったそうだ。








「おい!牧野!」


部活動を指導している人にぼんやりしていた僕に声をかけられた。


「あ、はい!」



怒られた。


呼ばれていることに気づかないほど僕は興奮していたのだろうか。


ひかりからの電話は、今まで定期的に連絡を取り合っていた僕らをより一層近づけてくれるものだと思っていたからだ。








怒られながらも部活は無事終わった。

水を飲み、帰ろうとしていた僕のポケットから微かに携帯が震えるのをを感じた。


ひかりからの連絡かと思い急いで開けた。


メールが一通来ているのを確認し、すぐにそのメールを開いた。

夏帆さんからのメールだった。


内容は競技場の入り口で待っていて欲しい、一緒に帰ろうとの事だった。

僕は昨日ひかりからの電話で機嫌もよく断る理由も無かったため、わかりましたと短くメールを返し入り口へと向かった。






十五分くらいして夏帆さんは来た。


「ごめん。由美と萌が離してくれなくて・・・。」



「大丈夫ですよ。じゃ、帰りましょうか。」


夏帆さんは友達の話を僕にずっと楽しそうに話していた。




















高志君にメールを送った。

何だか緊張しているみたい。

手が妙に汗ばんでいるのがわかった。


今は女子更衣室で一人でいる。

由美や萌はもう十分くらい前に帰っていた。

高志君を誘ったのはいいが、私は緊張してなかなか勇気が出ない。


この前携帯のアドレスを聞いた時も今と同じくらい緊張した。


由美や萌が言うには高志君は絶対東京に彼女がいるとの事。

この前の手紙の事かな?



あの時私は部活が休みだということを理由に由美と学校の中をうろうろとしていた。

実際は高志君を探す為にわざと、一年の教室のある一階を歩いていた。

その時、高志君を見つけ何とかアドレスを聞き出すことに成功したのだ。


由美は邪魔したら悪いからと隠れていた。

隠れる時に高志君がその時手に持っていた手紙を東京の彼女からだと判断したのだ。


よく考えればわかることなのに。

東京なんて石垣に比べたら確実に携帯電話の普及はかなり早いことだろう。

手紙なんて少し古いやり方はしないだろう。





それでも私はその手紙のことが頭から離れることは無く、今日思い切って聞いてみようと思っていた。




誘ったのはいいが、何を話していいのかわからず私は自分のことより由美や萌のことばかり話していた。

高志君はあまり仲の良くない二人の話でさえ、優しい顔で聞いてくれていた。


「あ、私こっちだから。」


「お疲れ様です。」




一言そう言うと彼はゆっくりと歩き出した。

何か言わないとと想いばかりが先走り結局何も言わず私も家へと向かった。





結局、手紙のことは聞く事は出来なかった。

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