繋がり
ひかりから手紙が届いた次の日、僕は誰もいなくなった教室のベランダにいた。
グラウンドから部活動をする生徒の声を聞きながら、手紙を何回も読んでいた。
「あれ?高志君。」
不意に名前を呼ばれた。
「あ、先輩。お疲れ様です。」
陸上部の先輩の夏帆さんがそこにはいた。
「一人でどうしたの?あれ、ラブレター?今時珍しい。」
確かに、今時手紙でやり取りしている僕とひかりは珍しい部類なのかもしれない。
ここ二、三年で携帯電話という現代機器が発達し続け尚且つ普及して行くなか、ひかりは携帯という機器を持っていなかった。
僕は入学式の日母に連れられて携帯電話を買っていた。
「違いますよ。」
ひかりの事をあまり知られたくなかった僕は、嘘をついていた。
「ふーん・・・。あ、高志君。」
「なんですか?」
「高志君って携帯持ってる?」
「持ってますよ。」
「良かった。教えてもらっていい?」
僕はポケットに入っている買った時から母と父の名前しか登録されていない現代機器を、ポケットから取り出した。
「いいですよ。」
「ありがとう。メールするね。」
そう言い彼女は何処かへ走り去って行った。
その日の夜、眠ろうとしとしていた僕に携帯電話の不気味なバイブ音が聞こえた。
カチッ。
携帯電話を開くとメールを受信したとの表示があった。
メールを開くと先輩からのメールだった。
From 鈴木 夏帆
To abc.・・・・・・.jp
Sub やっほー。
早速メールしたよ。
用事は得になんだけど。
明日からまた部活頑張ろうね。
それじゃ、おやすみー。
返事をした方がいいのかわからなかったが、先輩に返事しないのも悪いと思い適当にメールを返した。
眠気もピークに達してきた僕は寝ようとベットに横になった。
ブー、ブー。
携帯電話からまたこの音。
携帯電話をしばらく憎たらしく思い睨みつけていたが、相手を待たせるのも悪いと思い急いで電話にでた。
「高志君?」
「っ・・・。」
この日僕は興奮と不思議が頭の中を占領されて、眠る頃には空が明るくなり始める頃だった。




