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親友(男女)

今日の客は、商店街のパン屋の紹介で、男女の親友の関係だ。

大学時代の演劇サークルで出会い、それからの付き合いだそうだ。


今回の問題は男側が告白し、女側が気まずくなって距離を置いたって話だな。


まぁよくある話だな。


俺はいつものように、体を鍛え、銭湯に行き、追加の具材を買っておく。

今日は公園に行く途中に、猫に出会った。

猫は俺をじっとみて、そして前に進む。

これ……

ついてこいと言っているのか?

まさか、猫の集会?

俺は警戒しつつ、猫についていく。

すると、そこには献血車があった。:

そこで猫は忽然と消えた。

そこのスタッフらしき人と目が合う。

「よければ、献血をお願いします」


まったく、なんてこった。

俺は献血車に乗り込む。


血が抜かれていく。

ひさしぶりだな。高校生の頃以来か……。


そんなことを考えていたら、ふと写真に目が止まった。

「これ……あの猫だ」


「あの、お姉さん。この猫は?」

と聞くと、

「この猫は私の飼い猫で……。

もう亡くなってるんですけど」

とお姉さんは言った。


「いや。さっきこの猫にここまで引っ張られたんだ」

と俺がいうと、


お姉さんはクスっと笑って

「あの子に、よく素敵な人とお友達になれたらいいなって言ってたんです」

と言った。


お姉さんは

「もしよければ、今度お食事でも」

と連絡先を渡してくれた。


俺もまんざらでもなかったので、すぐに連絡先を交換した。


スーパーでは中華そばを買う事にした。


18:01、客がうちのアパートの前に来る。窓をあけ、2階まで来るように窓から言う。


「べぇさんですか?」


俺がうなずくと、


「はじめまして、今日はお世話になります」

男と、女が挨拶する。


「おぅ。まぁ上がってくれ

えっと、悪いんだけどな。

俺は人の名前を覚えるのが苦手なんだ。

だから、ボーイとガールって呼ぶけどいいか?」


と俺は言った。


2人とも、クスっと笑いうなづいた。


「で……、具材はなんだ?」

と言うと、2人は俺に具材を手渡した。

肉:鶏むね、豚しゃぶ、白身魚

野菜:レタス、トマト、アスパラ

なるほどなぁ……。

俺はしばし沈黙する。


おいおい、レタス?トマト?アスパラ?


「合わせにくいですか?」

と女は言った。


「いや。めちゃ合うよ」

と俺は言った。


まったく自信がない。


「よかった。別々の好みでと聞いていたので、合うか心配だったんですよ」

と女は言った。


「一見合わなくても、ポイントをつかめば、上手く合うんだよ。

人間関係と同じだな」

と俺は言った。


いやいや。本当に自信がない。


さて……今日はどうしようか?

コンソメで煮込んで、カレーのルーを少々いれようか。

これなら、トマトとアスパラで洋風の鍋になるだろう。


鍋の準備をする。


肉:鶏むね、豚しゃぶ、白身魚

野菜:レタス、トマト、アスパラ


鶏むね肉をぶつ切りにする。

豚しゃぶは5㎝くらいにカットし、クルクル巻く。

白身魚からは骨を取る。

レタスはぶつ切り

トマトはダイス状にカット。

アスパラは5㎝くらいに切り分ける。


「コンソメに、カレーのルーと、隠し味に醤油を少し入れて煮込もうか」

と俺が言うと、

2人共うなずいた。


まぁテーブルに座ってくれとちゃぶ台に案内する。


俺は鍋を準備しだした。テフロン製のホットプレート兼電気鍋。

中に材料を入れ煮込みはじめた。


さて酒でも飲もうか?


ボーイはスパークリングワイン

ガールはサングリアだった。


俺はコップを渡し、それぞれ酒をつぐ。


「じゃあ乾杯」

3人は乾杯する。


3口ほど飲んだところで、少し緊張が解けたようだ。

俺は話を切り出した。


「で……どういう状況だったんだい?」

俺がそう言うと、


「今まで通りに戻りたい」

とボーイは言った。


「まぁそう思うわな」

と俺は言った。


「戻るって、私が何も感じなかったってこと?」

とガールは言った。


あぁ……

ややこしい。

一番面倒なタイプだ。


「あのさ。ガールは、もうボーイのことは、どうでもいい。いっそのこと……

みたいな感じで思ってるの?」

と俺は尋ねた。


「いっそのこと……みたいな感じでは思っていません」

とガールは言った。


「じゃあ。ガールはこのまま、二度と合わないほうが良いって思っているの?」

と俺は聞いた。


「いや。そこまでは思っていません」

とガールは言った。


「じゃあ、付き合ってもいいって思っているの?」

と俺は聞いた。


「それはないです」

とガールは断言した。


視界の端でボーイが落ち込んでいるのがわかった。

悪いが、もっと落ち込むかもしれないぞ。

へっへっへ。


「でもさ。ガールは、ボーイと親友だったわけだろ。性格とか嫌なら親友にはならないよな」

と俺は聞いた。


「まぁたしかに。性格は悪くはないです」

とガールは言った。


「ボーイのすごい嫌なことある?」

と俺は聞いた。


躊躇している。


「あの俺の耳元で言えば」

というと、ガールは耳元で答えた。

「おならがすごく臭いんです」

と、


「もし、それが改善したら、ボーイを見る目変わる?」

と俺は聞いた。


ガールはうなづいた。


ちょうど鍋が出来上がったころだ。


そろそろ鍋が食べられる頃あいだ。


俺は鍋の蓋を取る。鍋から水蒸気と共にうまそうなニオイが立ち昇る。

これはもう食えるな。


「じゃあ食おう」

俺は箸と茶碗を渡す。


3人で鍋をつついていく。



「これ美味しい」

とボーイは言った。


「さすが伝説の鍋奉行と呼ばれることはある」

とガールは言った。


えっ俺……伝説化してるの?


それから鍋の具は少なくなり、中華そばを投入した。

これまた絶品だった。


その後、ボーイと連絡を取り合った。

理由はおならだ。

なんで俺がそんなことまで面倒を見ないといけないんだ。

俺は食事のメニューを聞く。

やはりな、と思った。

ニラやネギ、ニンニク、らっきょなどを含む料理を好んで食べていたからだ。

俺は彼女と付き合いたいなら、このニラやネギ、ニンニク、らっきょなどを含む料理を半分以下にしろ。

とアドバイスした。

そして自分でニオイを嗅いで、臭いかどうかのチェックの日記をつけろと言った。

ボーイは俺のアドバイスを守り、実行した。


半年後、ボーイとガールが、新しいお椀を5つ持参して、うちにやってきた。

使っていたお椀が剥げていたから、プレゼントということだった。


ボーイのオナラのニオイが臭くなくなったことで、ガールは、ボーイと付き合うことを了承した。

その感謝の気持ちで訪れたそうだ。


そいつはよかったなと俺は思った。


さて今日は暇だ。ナイハンチでもやっておこうか。


END

ここまで読んでいただき、ありがとうございました。


この作品は完結していますが、

反響があれば続編を書く可能性があります。

ブックマークしておくと、もし更新された場合に追いやすくなります。


■坂本クリア作品

異世界・現代・コメディなど様々な物語を書いています。

次に読む作品はこちらから探せます。


坂本クリアの小説まとめ|全作リンク集

https://mypage.syosetu.com/mypageblog/view/userid/2898515/blogkey/3591538/


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