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第3章 ep.13 黒曜竜戦突入

 山肌を崩落させた余波が静まると、火山の奥から異様な気配が漂い始めた。

 空気が震え、熱が一段と増す。息を吸うだけで肺が焼けるようだ。


「……来るぞ」

 ガルドが剣を構え、低く呟く。


 やがて、地の底から響く重低音が近づいてきた。

 ゴォォォ……と地鳴りが続き、炎の割れ目から巨大な影が現れる。


 黒曜石のように輝く鱗。

 眼光は灼熱のマグマそのもの。

 翼を広げれば崖から崖まで届きそうな巨躯――黒曜竜。


「で、でっけぇぇぇ……!」

 ラッツが腰を抜かしそうになる。


「……っ」

 モルティナは盾を握りしめ、全身を震わせながらも一歩前に出た。

「でも、守らなきゃ……!」


「ひゃー! これぞボス戦! 燃える展開きたーっ!」

 リリアだけは妙にテンションが高い。


 黒曜竜が口を開き、轟音とともに炎の奔流を吐き出した。

 地面が溶け、岩石が液状に崩れる。


「モルティナ!」

 ガルドが叫ぶ。


「はあぁぁっ!」

 モルティナは盾を突き出した。新たに得たスキル――《防壁展開》。

 盾の前に淡い光の壁が広がり、炎を受け止める。


 轟音と爆風に押されながらも、彼女は踏みとどまった。

「ぐっ……っ……!」


「今だ!」

 ガルドが駆け出す。

 竜の脚部へと剣を振り下ろすが――硬い。鱗はまるで鋼鉄。火花を散らすだけで、傷ひとつつかない。


「ちっ……!」

 反動で腕が痺れる。


 その隙を狙うように竜の尾が唸りを上げて薙ぎ払われた。

「っぐぅ!」

 ガルドは吹き飛ばされ、岩に叩きつけられる。


「兄貴ぃぃ!」

 ラッツが影走りで駆け寄り、短剣を竜の目に投げ込む。

 狙いはよかった。だが、竜はまぶたを閉じ、刃を弾いた。


「なっ……!?」


 次の瞬間、竜の顎が開き、ラッツに噛みつかんと迫る。


「させない!」

 モルティナが盾で横から体当たりした。

 火花とともに衝撃が走り、ラッツは間一髪で逃れる。


「……助かったっす……!」

「まだ戦える!」

 モルティナの額から汗が滴る。


「よーし! 軍神様の出番だね!」

 リリアが腰の袋を探る。


「おい待て! ここで爆弾は山ごと吹っ飛ぶぞ!」

 ガルドが血を吐きながら怒鳴る。


「えー? せっかく盛り上がってるのに~!」

 リリアは頬を膨らませるが、渋々爆弾をしまった。


 黒曜竜は翼を大きく広げ、炎の竜巻を生み出す。

 熱風が吹き荒れ、砂利や岩塊が宙を舞った。


「これが……本物の竜……!」

 ガルドは立ち上がり、剣を握り直す。

「怯んでる暇はねぇ……俺たちで倒すんだ!」


 四人はそれぞれ武器を構え、竜の巨影へ立ち向かう。

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