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あーかい部! 48話 言ってみたい

ここは県内でも有名な部活動強豪校、私立池図女学院。


そんな学院の会議室、現場……いや、部室棟の片隅で日々事件は起こる。



3度の飯より官能小説!池図女学院1年、赤井ひいろ!


趣味はケータイ小説、特筆事項特になし!

同じく1年、青野あさぎ!


面白そうだからなんとなく加入!同じく1年、黄山きはだ!


独り身万歳!自由を謳歌!養護教諭2年生(?)、白久澄河(しろひさすみか)



そんなうら若き乙女の干物4人は、今日も活動実績(アーカイブ)を作るべく、部室に集い小説投稿サイトという名の電子の海へ日常を垂れ流すのであった……。


池図女学院部室棟、あーかい部部室。




「くさぁ!」




あさぎは誰もいない部室で叫んでいた。




「クサァ!……お、ちょっと寄ったかも。」


「……。」




『あさぎの中では』誰もいない部室で……。




「草ーーーーーっ!」




「うるさいよぉぉぉおお!!」


「きはだいたのっ!?いつから……!?」


「さっき来たよ!?」


「いやぁ聞かれちゃったかぁ。」


「あさぎちゃんが大声で草を連呼するからねぇ……。芸人にでもなるのぉ?」


「きはだは芸人なの?」


「あれ、わたしの真似なの……!?」


「きはだよくPINEでいってるじゃん。『くさぁ!』って。」


「あれは口に出すものじゃないよぉ……。なんか違うし。」


「じゃあきはだやってみてよ。」


「草ァ!……ほらね?」


「うっ、確かに漢字の『草』が視える……!?」


「ふははは、格が違うのだよぉ格が!」


「良いなぁ……。」


「ふはは…………え?」


「私もそういうくっっさいセリフ言ってみたい!」


「今日は一段とめんどくさいねぇ……。っていうかくっっさいセリフってなに?」


「さっきのだよ、『格が違うのだよぉ格が!』みたいなやつ!」


「……あ〜。」


「ねえねえきはだ、他になんかない?」


「そういうのって意識して言うもんじゃないよぉ……。」


「ねえねえ〜、」




あさぎは物欲しそうにきはだの身体を揺すった。




「ねえねえ?」


「自分で考えてよぉ……、」


「なえねえねえねえ




「黙れ小僧ッ!!」




「……。」


「あ、しまったつい……。」


「うわぁ……!すごいよきはだ!後ろにでっかい野犬みたいなの視えたよ!?」


「ぜんっっぜん嬉しくねぇ……。」


「もっとない?」


「言ってみたいセリフてきとーに言ってみればぁ?」


「いいね、じゃあさっそく……コホン。」


「やっほー、みん




「っっっせぇえんだよ先公がよぉぉおお!!?」




白ちゃん(最悪のタイミングで)入室。




「……。」


「「あ……。」」

「あ"?」




この日、あさぎときはだは思い出した。顧問に支配されていた恐怖を……。養護教諭に服従してしまう屈辱を……。




「「ひぃっ!?」」




それからの2人の所作は神楽の如く……一糸乱れぬ鮮やかかつ荘厳な身のこなしで両の膝と掌をつき、額を床に擦り付けた。






「なぁ〜〜んだ、そうだったの♪いっやぁ〜あさぎちゃんがグレてなくて良かったわ♪」


「「あはは……。」」


「でもそうねぇ〜。普段なら絶対言わないけど言ってみたいセリフってあるわよねぇ〜。」


「……まあ、言ってみたいセリフっていえば、あれかしらね?『私に意見するなんて、偉くなったものねえ?』……なんて、キャー///」


「白ちゃんって偉くなりたいのぉ?」


「なりたくないの?」


「わたしは別にって感じだなぁ。」


「きはだは偉くなりたくないんだ……。」


「お、あさぎちゃんはそっち側?」


「うん。『頭が高いッ!!』とか言ってみたい。」


「わかる!わかるわあさぎちゃん……!」


「コイツら支配欲の塊か……?」


「じゃあきはだの言ってみたいセリフって何なの?」


「う〜ん、いつも言いたいことは口に出してるからなぁ……。」


「「確かに。」」


「口を慎め口を…………はっ!?」


「これを素でやってのけるから凄いわね……。」


「ああ、あれだ。『お許しください!』とかは行ってみたいかも……!」


「さっき床に向かって散々言ってたじゃない。」






あーかい部!(4)




きはだ:ミッションコンプリート……!


ひいろ:ちょっと言い方変えてるな


あさぎ:これも言ってみたいかも


ひいろ:『言ってみたい』?


きはだ:今日のタイトルだよぉ


ひいろ:なるほど、普段言わないけど言ってみたいセリフって色々あるよな




白ちゃん:あさぎちゃんって『草ァ!』したかったの?


あさぎ:あれなかなか難しいんですよ


ひいろ:そうなのか?


あさぎ:くさぁ!とかクサァ!になっちゃう


きはだ:文字に起こすとシュールで草ァ!


白ちゃん:お、本家


きはだ:ファンサだよぉ?


あさぎ:ひいろは言ってみたいセリフとかある?


ひいろ:やっぱり来たな


きはだ:想定済みかよ


ひいろ:ワタシはあれだな

ひいろ:『○○を愛しています。世界中の誰よりも。』


あさぎ:ひいろさぁ……

きはだ:お?良い子ちゃんかぁ!?


あさぎ:隠さなくてもいいんだよ?


白ちゃん:自分に正直になりなさい


ひいろ:何でだよ!?


白ちゃん:やり直し


ひいろ:は……!?


白ちゃん:もっと悪い子になりなさい。私が惨めになるから


ひいろ:ええぇ……


あさぎ:『この世界の半分をお前にやろう』みたいな方向で


きはだ:それじゃあ行ってみよー!


ひいろ:そんな急にいわれても


あさぎ:3分間待ってやる

きはだ:40秒で支度しなぁ!?


ひいろ:どっちだよ!?


ひいろ:『ボクの顔をお食べ』……かな


あさぎ:食べられたいの?


ひいろ:いや、人間だったら絶対言えないなって


白ちゃん:確かにそうね


きはだ:食品衛生的にどうなの養護教諭


白ちゃん:論外よ


ひいろ:だろうな


あさぎ:フィクションならではか……

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