(7)
小悪魔、大暴れです^_^
お楽しみください!
パッと振り返り、闇の中に目を凝らすと、やはりそこにいたのは女児だった。
もこもこした白いおむつのようなものを穿いており、胸は丸出しだった。
玉のような瑞々(みずみず)しい肌が弾けている。
しかし、やはり普通の女児ではなかった。
耳たぶは天に向かって尖り、小さな黄色いツノが頭の左右に生えている。
そして、ゆらゆらと宙に浮いていた。
僕は、まず妹のはだけたパジャマの袷を直してやり――病弱な彼女が風邪を引いてはいけない――女児に向き合った。
「お前は誰だ。ここは僕たちの家だ。こんな夜中に、一体どこからどうやって入った」
「あ、あ、あ、あたいはッ、リドヴィナだァーーーーッ!
おっ、おっ、おっ、お前が悪いッ!
こんな満月の晩にッ、むむむ、無防備に窓を明けっ放しにして。
悪魔に対しておいでくださいと、ゆうとるようなもんだーーーーッ!」
女児はいちいち叫ぶように喋る。
だから、妹が目を覚ましてしたらどうするのだ。
僕は唇に指を当て、「しーっ」とジェスチャーした。
「むむむぅッ」
女児――リドヴィナ――は、背を仰け反らせ口を尖らせた。
「大声は勘弁してくれないか。妹が起きてしまうだろう。
彼女は貧血症で身体が弱いんだ。
ところで、君は悪魔なのか?」
そら豆血液製法について記されていた古書は、実は黒魔術の本だった。たしか悪魔の召喚術もいくつか載っていた気はする。
だが、製法と召喚術の間には特に深い関連性はなかったと記憶がしている。
僕の見落としだろうか。
それとも結局、どの黒魔術を使っても、それが黒魔術である限り、よくないものを呼び寄せる磁場が生まれてしまうものなのだろうか。
「そ、そ、そぉとも! あたいは、悪魔なのだーーーーッ!
そっ、その証拠にこれを見てみよッ!」
リドヴィナは後ろ向きになると、白いおむつをずり下げた。
突き出された小ぶりな尻がはみ出し、割れ目が姿を現した。
その起点から三センチほど上の肌に、黒猫のタトゥーが入っている。
果たしてこの尻の黒猫が、女児が悪魔だという証拠なのか僕には分からない。
しかし、ツノは生えているし耳は尖っているし、宙に浮いているし、まず人でないものであることは間違いないだろう。
「確かに僕は窓を閉め忘れたかもしれない。
けど、だからと言って勝手にわが家に入ってこられては困る。
とっとと帰ってくれないか」
――でないと僕は、妹の身体をまさぐることができない。
もちろん、そんな本音は口が裂けても言えないが、とにかく僕は彼女に帰りを促した。
「だめだ、だめだァーーーーーッ! かかか、帰らないぞッ!
あたいはなぁ、今度のサバドに備えて、処女の死体を用意しないといけないんだよぉ!
で、ででで、でないとなぁ、サタンさまに叱られるんだァーーーー!」
続きます〜