(3)
お楽しみください^_^
二次関数を解いている間も、元素の周期表をおさらいしている間も、僕はずっとそら豆のことを考え続けていた。
次に晴れが連続するのはいつだろう?
それに合わせて、干し網とそら豆を揃えておく必要があった。
特にそら豆に関しては、新鮮さが肝心だ。
そら豆の新度が、血液の鮮度に深く影響しないはずがない。
早く買いすぎても意味がないし、遅れを取って晴れ間を逸してしては、そら豆の旬が終わってしまう。
スマホにデフォルトで入っている天気予報アプリに頼っていたが、これだけでは十分ではないだろう。
塾講師に、――そら豆や血液のことはもちろん黙っていたが――天候の読み解き方を聞くと、「雲の動きを見ればわかる」と教えてくれた。
また、星を詠めば、吉兆がわかるという情報もインターネットで得た。
だから僕は当面の間、深夜に起きて雲や星を観察してみようと考えた。
そこで早速その日の夜に、ベランダに出て雲と星を見た。
しかし、見ただけでどう詠めばいいのか、どう観察すればよいのかはわからなかった。
そもそもの詠み方から調べる必要がある。
室外機にもたれ、暗闇に光る画面としばらく格闘していたが、一朝一夕にわかるものではないらしいことがわかった。
僕はうなだれ、部屋へと引き返した。
しかし、液晶の光を瞳に入れてしまったせいか、目が冴えて眠る気になれない。
「こんな時は、可愛い妹の寝顔でも見て落ち着こう」
僕はこっそりと、彼女の部屋に侵入した。
続きます!