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最後に恋を
「応援しています」
声とともに、骨ばった手が差し出された。
これが、最初の出会いだった。
第三次世界大戦後。
ロシアの侵略戦争に端を発した世界規模の争いが始まる少し前、日本では別姓選択が叫ばれ始めた。
そしてこの大戦が終わるころ、それこそ武力による解決の倦厭ムード、力による制圧ではなく対話による相互理解、差別の是正、といったことが実を伴って行われなければ、という強い圧力が世界を席巻するようになり、男女格差大国と言われた日本も重い腰を上げ始めた。
その裏には、国際団体で活躍し名を上げたある女性の存在がある。
彼女が立ち上げた女性が多く所属する政党ーその政党の伸長も彼女が率いたからこそだがーが与党となり、日本は変わる。
心に男女格差のないーいやむしろ、女性の発言力が強い社会へ。
・・・かくいう私も、その正当に所属している議員なのである。