【Part31】大混戦注意!
ウルフが距離を取ると地上とヘリの傭兵達は一斉に銃を撃ち出した。
弾は装甲に直撃するも、星夜は怯む事なく、傭兵達へと攻撃を仕掛ける。ロボットスーツは素早く動き、一気に距離を詰めて、傭兵達を殴り、蹴り飛ばした。
そしてヘリに向けて手を差し伸ばし、ヘリのエンジンを止めて、地上に降ろした。
「俺のスーツはお前らの車の装甲から作られている。傭兵だろうから、車の防御力も高いと思って正解だな」
傭兵達は警戒して、後ろへと下がっていく。
だが、ウルフは前に出て、同じくビームソードを構えた。
「ふん。やはり、刻印は危険な存在だな」
「結局勇気あるのは、お前だけのようだな」
二人は同時に走り出し、攻撃を繰り出した。
ウルフの攻撃と星夜の攻撃がビームソードの鍔迫り合いとなる。当たっている刃先から火花が飛び散り、スーツを着ている星夜が一歩優勢となっている。
「はぁ!」
「くっ!」
ウルフは力負けし、流されるように後方に飛ばされるもすぐに体勢を戻して、再びバリアを展開する。
「また、あれか!」
「ふん!」
先程と同じように円盤状のバリアを投げ飛ばした。
負けじと星夜はビームソードを振り下ろして、円盤を切り裂こうとした。だが、ビームソードは折れ、更には右手が切り落とされた。
「腕がッ!」
後方に飛んで行った円盤は、円を描いてこちらに戻って来た。
「くっ!」
星夜はギリギリで避けて、円盤はウルフの手に戻った。それと同時にウルフはバリアをこちらに向けた瞬間、バリアの中央に光の粒子が集まりだし、ウルフが足を力強く踏み込むと巨大なレーザーが放たれた。
「うわっ!」
避けられないと悟った星夜は腕を交差して、スーツからドーム状のバリアを展開する。
バリアにレーザーが直撃すると後方に分散して、制御の効かない軌道を描き、道路や車に直撃して爆発した。
星夜は、レーザーを撃っている間踏ん張る事で精一杯のウルフを見て、攻撃できるタイミングを見つけて、ゆっくりと前に進み始めた。
星夜は少しずつ接近していくと、スーツがアラートが鳴り、バリアの発動時間に限界を知らせて来た。
このタイミングしかない。と星夜は動いた。
「!」
星夜はバリアを解くと共に、レーザーを避けた。右肩にレーザーが掠って一部溶けるも、一気に突撃した。
ウルフも遅れてレーザーを止め、星夜を迎え撃つ。
星夜の残った左拳で攻撃を仕掛けるも、シールドバリアで防御され、その隙に繰り出したビームソードで左腕も切り落とされた。
更にウルフは突きを繰り出すも、スーツの目の部分から細いビームが放たれた。ウルフは咄嗟に避けて、ビームソードをしまって、右腕の服の中から鉤爪を出してスーツの横腹を突き、抉り取るように表面の外装を剥ぎ取った。
星夜は頭突きをするが、ウルフは避けて、鉤爪で目元を刺して頭の外装をも破壊した。
「タフな奴め」
視界が見なくなったのか、右往左往してる内に、ウルフは懐から円形の物体を取り出して、ロボットスーツの背に貼り付けた。
ピッピッピっとカウントダウンの音が鳴り、カウントダウンがゼロになると、爆発を起こして背中から煙がもくもくと上げながら星夜は膝をつく。
スーツの目から光が付いたり消えたりして、停止寸前となり、ウルフは再びビームソードを取り出し、脳天を突き刺して動きを完全停止させた。
「……止まったか」
と中身を確認しようとした時──
背後の暗闇から、車のドアを盾にして突撃して来た星夜が現れた。
「背後か!」
「ひっかかったな!」
ウルフは振り向き様にビームソードを払い、ドアを横に切るも星夜はドアから手を離してウルフの真横をスライディングし、その最中で壊れたスーツに向かって手を伸ばした。
複数のパーツが外れて、パーツは星夜の腕に装着されて巨大な機械の腕を形成していく。そして背後を取って完成した機械の腕を振るって、背中からウルフを殴り飛ばした。
「うらぁぁぁ!」
「くっ!」
ウルフは飛ばされるも、すぐさま体勢を整える。
「俺が戦っていたのはダミーだった訳か」
「お前が戦っていたのは、本当のロボットだ。さっきお前に突撃する時に、後ろから脱出して遠隔操作をしていたのさ」
「やはりガキの考えは読めねえな」
「高校生は大人だぜ。先生がいつも言ってるからな」
「ふっ、都合の良い世界だな」
「全くだ!」
二人は同時に走り出し、ウルフはビームソードを出し、星夜に切りかかるも、星夜は左手を突き出して自分の背後から先程切られたドアの飛ばした。
ドアに遮られ、弾いた為に攻撃のタイミングを失い、星夜に一発顔面を殴られるも、すぐに電磁シールドを展開してシールドからエネルギーを貯めずに少量のビーム放った。
「ぐわっ!」
ビームが腹部に直撃して星夜をぶっ飛ばして、分解された車にぶつかった。
腹を抑えて立ち上がる星夜だが、服が燃えており大慌てで服の炎を払う。
「あちち!!」
「痛みよりも、熱さか……これは手が折れるな」
炎を振り払った星夜。だが、腹を痛がっている様子はない。
痛さよりもビームによる熱さを気にしていた。
これにはウルフも苦笑いをするが、そんな暇はないと、再びシールドを展開して突撃する。
星夜は分解した車のパーツで咄嗟に武器を形成しようも背後に手を伸ばした。その時、突然ウルフの右手から紐に繋がれた手錠らしき物が腕に掛かり、ウルフへと引き寄せられた。
「その手が使えなければ!」
「やる!」
機械の腕で、紐も切ろうとするが、ウルフは懐から取り出したナイフを投げ飛ばして右肩に刺して、動きが止まり一瞬の膠着を生み出した。
「ぐっ!」
その隙を逃す事なく、ウルフは接近してもう片方の手で腹部に手を当てた。
「!?」
その時、バチバチッ!と手から電気が放たれて、一瞬の閃光と共に星夜の身体は感電して、身体全体に激しい痛みと衝撃を与えた。
痛みから身体が硬直し、刻印も解除されて機械の腕も外れて地面に落ちた。
「今だ!一気に捕縛しろ!」
傭兵らが一斉に懐からテーザー銃を撃ち、細いワイヤーが星夜の身体に無数に刺さり、30万ボルトの電気が身体を襲う。
「ぐわぁぁぁ!!」
十発以上もテーザー銃を受けて、身体はビクビクと痙攣を起こし、地面に倒れて気絶した。
更に倒れた星夜に向けて、ネットランチャーを複数放って身動きを取らないようにして、傭兵達がゆっくりと近づいてくる。
「ドローンか……」
星夜が脳内で動かしていたドローンがウルフらを写してぷかぷかと浮いている。
ウルフがドローンに銃を向けた。その時、ドローンが星夜の元へと飛んだ。
ウルフが銃を撃つが、ドローンは巧みに動いて弾丸を避け、星夜の真上に差し掛かると、ドローンの側面に付いている小さな箱が開き、目視出来ないほど小さなチップが落とされた。そのすぐにウルフの弾丸がドローンに直撃して、撃墜された。
落ちたチップは鉄網を潜り抜けて星夜の首に張り付いた。
チップは気絶した星夜の脳に信号を送り込み、気絶した状態で刻印を発動させた。
「何だ一体……」
手の甲が光出し、両腕の皮膚が捲れ、機械へ姿を変えた。
右腕から鋭利な刃物が飛び出し、もう片方の手がキャノン砲へと姿を変えた。




