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刻印戦記-Crimsonuniverse  作者: ワサオ
1-②悪だくみNova-
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【Part23】最後の生配信!!誘拐された友達をクリーンフォックスから救出大作戦!!

 

 次の日、三人は日が昇る頃には学校から出て、廃ビルで特製車と特製トラックを何とか運転する練習をした。

 運転席に乗ってエンジンをつける。コントローラーの各種ボタンを押してレバーやライト、ブレーキを自由に操る。そしてハンドルはアナログスティックで右左と回転出来るようになっている。

 スタートボタンを押すとクラッチを切り、別のボタンを押して車をゆっくりと動き出す。

 両手を震わせて必死になって運転している蓮の横で座っている星夜は、自分で構築したシステムなので勿論理解している。まるで自動車学校の先生のように教えていた。


「本当にコントローラーで車を運転するとは……」

「いつもコントローラーで操作してたろ。超高画質のVRのレースゲームをやっている気持ちでやれ」

「一発ゲームオーバーじゃんか」

「ノーコンで行けばいい話だ」

「……」


 その後は蓮が秋に運転方法を簡単に教えつつ、星夜は一人別の作業を行い、その日を終えた。

 この日の夜は前夜に比べて皆静かで、明日の放送について何も言わずに一日を終えた。その日一日中、三人とも電話が鳴りっぱなしだったが、三人とも着信を拒否した。


 *


 次の日、夕方まで打ち合わせをし、辺りが暗くなった頃に六道山方面に2台で向かう。

 道中の山道で最後の話し合いをする為に車を止めた。星夜のスマホを確認すると東児からの連絡が届いており、"あと2しかん"とだけ送られて来た。


「後2時間か……」

「ドローンの準備も完了。生配信準備も完了。東児から頼まれた事の準備も完了。車の調子も万事OK。そして全員の体調もバッチし。全て整ったね」


 二人が話していると秋がスマホを向けて来た。


「どうしたんだ?」

「動画を撮っているのよ。記念にね」

「記念ってなぁ……」


 ウキウキしている秋に二人は困惑するも、秋は話を続ける。


「星夜、今の気持ちを正直に」

「……今の気持ちって」

「う〜ん。とにかく、何か記念の言葉を残してよ」

「刻印の力を見てもらいたいという承認欲求がこんなにも危険視されていた事に驚きだった。小ちゃなコミュニティからここまで拡散されるなんて、一生モンの黒歴史だ。デジタルタトゥーとはよく言ったものだ。だが、黒歴史から白歴史に変えるさ。東児を助けて、俺の罪を償って全てを曝け出す」


 そう言って星夜はスマホから背を向けた。

 次に蓮が息を整えて語ろうとした。


「ごほん、僕は──」

「蓮はいいや、充電少なくなったし」

「って、おい!」

「まぁ良いでしょ、気分は少し良くなったでしょ」


 言葉通り少しだけ二人は気が楽になり、笑顔が自然と出て来た。

 星夜はバッグからとある物を取り出した。


「秋、これを受け取れ」


 星夜は小袋を秋に投げ渡した。

 秋がそれを両手で受け取ったが、小袋のくせにやたらとずっしり来る重さで、思わずビクッと身体が反応してしまった。


「!?……って何これ?」

「昨日俺が徹夜で作った特製武器だ。もしもピンチになったら、これを使えよ。本当にピンチの時だからな」


 その中身を確認すると、秋の表情はウキウキワクワクからげんなりと萎れてしまう。


「なぁにこれ……」

「言ったろ武器だって。大丈夫、殺傷能力はないから。使い方は簡単、装着するだけだからさ」

「……ありがとう」

「じゃあ、お前らの健闘を祈るぜ。さっさと所定の場所へと行けよ」

「うん。その前にハイタッチでも、景気付けに」

「まぁいいか」


 三人は軽いハイタッチを交わした。そして別れを告げて秋達はトラックへと乗り込む。

 蓮が乗り込もうとした時ふと立ち止まり、星夜の元に駆けた。そして星夜の手を強く握りしめた。


「絶対に東児を助けよう。僕達も石を絶対に運んで破壊する。だから、何年掛かってでもまた配信者として、友達と戻ろう」

「あぁ、リーダー不在のチームなんてないも同然だ」


 覚悟を決めた顔をした蓮に言われ、星夜もその想いに応えるように強く言った。


「え?星夜がリーダーじゃないの?」

「あれ?そうだっけ?」


 *


 蓮達がトラックで刻印石の場所へと向かい、トラックを見送る星夜。だが、一人になった途端、心の底から不安が立ち込んで来た。

 目の前まで迫っている事に何処か不安になり、皆んなには自信満々に言っているが本当は失敗しないか不安で仕方がなかった。

 そんな自分を奮い立たせる為に足を何度も叩き、足を動かす。


「さぁ、俺。やるぞ、やるんだ、やってやるんだ。助けるんだ!東児を!」


 動かない足に気合を入れ、歯を食いしばって決意を固めた。不安な気持ちを少しでも抑える為に考えた。どうなってもいい。死んだって神様は許してくれるだろう。死んだら逮捕されずに済むんだ。だけど、友達だけは助けたい。


「……変な事考えるのはやめよ」


 しっかりと息を整えて車で所定の位置に向かう。

 そして無言のまま車を進ませ、山道から外れた砂利道に車を停めた。時間を確認し、ドローンを数メートル空の飛ばして生放送の準備を整えた。それと蓮達が刻印石のある場所到着した事を確認した。

 そして数十分後、東児からの合図の連絡が来た。"はしめよう"と


「よし、始めるか」


 その時、星夜の顔つきが変わり、真剣な眼差しへと変わった。被り物を嵌めてドローンを操作し、自分の姿を映しながら生配信開始のボタンを押した。


「スタートだ」


 上空から映された真っ暗な夜の画面に被り物を被った星夜のみが映っており、星夜は先程の暗い雰囲気とは打って変わって明るいコメディアンのように手を画面に振りながらあいさつをした。


『よぉ!みんな!久しぶりだな!!俺は一人だけど悪巧みNova!!何週間ぶりかな?】


 と陽気に言うとコメントからは

 復活したの?や他の三人は?や誘拐って?のコメントもあるが、中には犯罪者!やら通報したとアンチも沢山湧いてコメント欄は混乱を極めていた。


『コメントは様々なようだな。でも、茶番は手短に済ませる。早速本題に入ろうぜ』


 しっかりそのコメントを目にしている星夜だが、何もコメントのをせずに話を続けた。


『みんなが気になるのは誘拐友達だろ?言っただろ、俺はクリーンフォックスの悪事を裁くと!その為に今回は悪事を裁くと共に誘拐された友人の救出を行う!そして他の二人とはまた後で合流する!だから、お前らはヘッドカメラやドローンからの映像で見てくれよ!後数分で起きるぞ。とんでもない事が!』


 コメントらもその言葉に疑問を持っているが、星夜はドローンを操作して上空にまで飛び、研究所を映し出した。

 東児がもうすぐで行動を起こす。その時、自分も行動を起こす。星夜はその時を待った。


 

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