【Part11】とうとう補導!?警察に事情聴取された!
男に連れられて誰もいない空き教室へと連れてかれた。部屋のシャッターは完全に降ろされており、ドアもしっかりと鍵を閉められた。案内されるがまま三人は椅子に座った。
椅子に座ると星夜がさっそく話を切り込む。
「で、俺達が怪しいとでも?」
「いやいや、怪しいというか疑わしいと言うか。それよりも名前を言ってなかったね。僕は木田黄美。警視庁の特別捜査官とでも言おうかな」
そう言って話を一度切り、木田は名刺を三枚渡してきた。
名刺には木田の写真と警視庁、特別捜査官(仮)とよく分からない肩書きが書いてあった。余計に不審がる星夜らだが、木田は普通に話し始める。
「君達は何で学校の塀から帰ろうとしたのかな?それが気になってね」
「学校の外を見ても分かりますよね。マスコミがいっぱいいて正門裏門どっちから抜けてもマスコミの質問攻めに合うに決まっている。あの配信者を知っているか?と素性を知りたがる」
「それが嫌だから、塀を乗り越えようと?」
「当たり前ですよ。下手したら全国ネットで顔を晒される。そんなのごめんさ」
「なるほどね。なら納得」
と言いながら、事情聴取のように適当にメモ帳に書く。
逆に星夜は毅然とした態度で答えていく。
「それだけを聞くために俺達を呼んだのですか?」
「君達を呼んだのは、君が言った通り警察は君達を怪しんでいるかもしれないから」
「何でですか?」
「今問題になっている配信に出ている子達が、君達にそっくりって思われているようだ」
「僕も皆んなも配信を見ていましたが」
「そうか、因みに今日休んでいる一人に君の友達もいるようだが?」
「多分風邪だと思いますよ。明日か明後日には来るでしょう」
「分かった。話を変えるけど、君らは六道山の事件を知ってるかい?」
「六道山……確か、突発的な台風とは聞きましたけど?」
「……そうだね。でも、その配信者達は裏があると言って、六道山に登った。彼らの映像には山頂で睨み合う二人の男がいた。そして彼らは近づこうとして、衝撃が発生した。その時に近くの謎の石に光始めて配信は途切れた」
「そうなんですか?変わった映像だこと」
星夜は冷静を装って喋っているも、木田という男はこの力の何かを知っていると予測した。何としてもこの力の事を聞き出そうと模索するも、木田は話を続ける。
「それから次の配信でいきなり超能力を手に入れ、一気に有名になった。それまではそんな能力は無かった」
「六道山の件が原因て訳ですかねぇ」
「俺はそう思う。ネットでは超能力を持った新世代配信者と言われているようだね。彼らは調子に乗りすぎた結果、今回の件を起こした。クリーンフォックス社は武器密造や密輸などは関係ないと弁明し、自分達を憎む環境破壊論者の戯言だと怒っているみたい」
「クリーンフォックス社はどんな対応を?」
「自分達には名誉毀損されたとして、彼らを訴えるかもしれないと」
「そうですか。大変でしょうね」
木田も星夜もお互いの顔を伺いながら喋り、その表情は常に硬い星夜とニコニコしながらも表情を常に確認する木田。
星夜は自分達の能力を看破している事を読み取った。
「もう良いですか?俺達は忙しいんですよ」
「すまないね。でももう少し良いかい?もし、その不思議な力が君達にあったとしたら、どう使う?」
「どうと言われてもね……考えた事もないな」
「子供──いや君達くらいの年頃ならそうゆう事考える事あるでしょう?」
謎の質問に違和感を感じる星夜。蓮もその事に気づいていて、口を中々開かないが秋だけは普通に答えようとした。
「それは──」
「いや、俺が言う。そんな力があったら世界が変わると思うけど?」
秋が言おうとしたところに星夜が介入して答えた。
「どうしてかな?」
「言わば生きる兵器だ。世界のあらゆる組織が食いつくだろうな。どんな兵器よりも強い存在だ。使いこなせば言った通り世界が変わる。だから、そいつらの今後が気の毒だと思うぜ」
「そうか。同い年のご意見ありがとう。もう一つ聞くけど、君達ならこんな事件が起きたら、次はどうする?」
「さぁな隠れるに決まってるだろ。今の世の中、そこらに監視カメラがある。それにネットと言う探偵並みに捜索が上手い軍団もいる。行動はできないさ」
星夜が言い終わると、また良い加減な感じでメモ帳に何か書いた。そして木田はメモ帳を閉じて立ち上がった。
「ありがと協力してくれて」
「僕達からも一ついいですか?」
「何だい?」
「犯人を捕まえたらどうするつもりですか。未成年とはいえ犯罪者。それに不可思議な力を持っている。それをどう対処するつもりで?」
「さぁ、それは僕達の管轄外だ。秘密事項は内緒だよ」
「すいません、ありがとうございます」
「まぁ、もし何か見つけたり情報があったりしたら名刺の場所に連絡してね。君達が犯人じゃないを信じるよ。犯人だったら獣の如く場所を嗅ぎつけるからね」
木田の言葉を軽く受け流し、部屋から出る。
ドアから出ると、すぐ横にショートヘアのスーツ姿の女性が鋭い目で三人をうかがっていた。
「時間を取ってすまなかったね」
「大丈夫ですよ、こんな事態ですから」
「頬に傷があるが、怪我か?」
「はい。ちょっと掠ってしまって」
「大事に至らなくて良かったな」
「今後は気をつけますよ。では」
星夜らは女性に頭を下げて、その場を立ち去った。
三人は塀を乗り越えて、そそくさと学校を離れた。そして制服だと、マスコミなどの周りの目も気になるので一度全員家に帰り、私服に着替えてファミレスに集まった。
全員ジュースを飲み、フライドポテトを摘んでいた。星夜と蓮は重苦しい表情の中、秋だけはポテトを他二人より早く食べながら話していた。
「まさか私達が悪巧みNovaなんて思わないよねぇ。うまく騙せたって感じかしら?」
「あれは犯人は俺達だと断定してると思う。木田って男の顔からは常に怪しげなオーラを感じた。俺達と同じような」
「どうゆう事?」
「お互い疑っているって事だ。あの人らも警視庁の者だろうが、何かを隠している」
星夜の言葉に蓮も頷いた。
「僕らは色んな所に敵を作りすぎたのかもしれない。僕達が想定しているより、遥か上に」
「うん。そうだろうな。行動は控えるしか出来ないのかもな……次は奴らに殺されるか、政府に何かしらの処罰を受けるか。どの道、あれは警告だ。俺達に対しての」
木田と言う男。彼らは何かを知っている。
自分達はこれ以上何もしてはいけないと、三人は決断した。
*
星夜らが立ち去った後、スーツの女性は木田のいる部屋に入った。
「彼らはどうやって刻印を手に入れたのでしょうね」
「そこが聞きたかったけど、あれだけ警戒心丸出しだと聞き出せないよね」
「貴方のそのいやらしい顔じゃあ、到底聞き出せませんよ」
「言ってくれるねぇ、有ちゃん」
「その呼び方、キモいからやめて下さい。訴えますよ」
「ごめんごめん」
木田は有に平謝りした。
優はため息を吐き、四人の写真を机に置いた。
「彼らを保護はしないのですか?」
「六道山での事件が起きて、世界中の機関が刻印の事を調べ始めている。政府も彼ら四人を必死になって保護をしたいだろう。世界各国からしたら、あれほどいい交渉材料になる者はいない」
「なおさら保護を優先した方がいいのでは?」
「事が沈静化したら保護をしろとの命令だ。上のまた上が会議とか他国との連携がとかで最終的な決断が決まってないようでね」
「下手な事をしたら、国際的な問題になるから……ですかね」
「それに鷹斗君とは違い、相手はクリーンフォックスだからね。それが関わっていなければ、もっと早く行動が起こせたんだろうけど。だから僕達に出来る事は彼らに釘を打つ事だけだ」
「まったく、今どきの高校生は何を起こすか分かりませんね」
「あぁ、本当に厄介な事をしてくれたよ」




