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刻印戦記-Crimsonuniverse  作者: ワサオ
1-②悪だくみNova-
30/77

【Part8】緊急事態!!危ない人に襲われました!!

 

「こんなおもちゃを何の用だ」

「い、いや……これは」


 冷や汗がダラダラと流れ、頭の中でどうしようか必死に考えた。でも、この状況化で頭がフル回転する訳もなく、動悸が激しくなる。

 ウルフは星夜の頬から流れる汗に気づいた。


「その汗、相当焦っているな。一瞬だけだが、ドローンにスマホか何かのカメラを仕掛けていたようだが、何の目的だ?」

「それは……お遊びというか……」

「遊びでこんなとこに来るか。ガキの考えは分からんな」

「へへ、そうゆう事だから俺はこの辺で帰られせてもらいます……」


 星夜はゆっくりと立ち上がり、ドローンを抱いて歩こうとした時、銃声と共に星夜の足元に一発の銃弾が打ち込まれた。


「うっ……!!」

「帰らせる訳にはいかんのでな」


 足が固まり足元を見るとコンテナに穴が開いていた。思わずドローンを落としてしまい、再び膝をついた。


「吐く気はないか。まぁガキほど痛い目に遭えば嫌でも答える。貴様にはたっぷりと聞かせてもらおうか」

「くっ……」


 男は銃を突きつけたままもう片方の手を伸ばし、星夜を捕獲しようとした瞬間──


「だるま落とし!!」


 と秋の声が響くと共に乗っているコンテナが激しく揺れ、男は体勢を崩し伸ばした手も銃口もズレた。

 秋が二人がいる場所の一番下にあるコンテナを蹴り飛ばしてだるま落としの要素で一段崩したのだ。


「!?」

「作戦どおり!」


 コンテナが一段落ち、落ち着くとウルフは胸ポケットに手を忍ばさせて問う。


「何をした」

「助っ人召喚したんだ」

「何やら隠しているようだが少年よ、これ以上世界を知り過ぎると息苦しくなるぞ」

「こっちのセリフでもあるよ。スマホ持ってりゃあ嫌でも世界を知り過ぎるんだよ。変わった奴らが大勢いるからな」


 と言い合えると同時にまた秋がコンテナを一段蹴り飛ばして、ウルフの体勢が崩れる。それと同時に星夜はコンテナから飛び降りて秋と合流した。


「ナイスな作戦ね!」

「褒めるのは後で頼む。逃げるぞ!」

「オーケー!!」


 秋はコンテナのジャンプして港の出入り口まで向かった。

 星夜もコンテナに飛び乗ろうとしたが、先程秋が蹴り飛ばしたコンテナに穴が空いており、そこから大量の木箱が転がり落ちていた。一部の木箱が破損しており、そこから大量の弾薬が溢れている。

 その木箱には"CC"とだけ英語が大きく書かれていた。


「まさかのまさかであれって弾薬!?とんでも危険な物だったか」

「これで、逃す選択肢は失ったな少年」

「でも逃げちゃうのよね!」


 星夜は咄嗟に飛び上がり、コンテナに飛び乗ろうとする。


「逃がさん!」


 ウルフは懐からナイフを取り出して星夜に投げた。

 ナイフは星夜の足を掠り、コンテナに飛び移ろうとした星夜はコンテナに頭をぶつけて地面に倒れ込んだ。


「痛っ!!」

「あっ!星夜!」

「くっ……俺に構わず逃げろ!!早く!!」

「……分かった。絶対に来てよ!」

「もちろんだ!収穫あんまりないけど、死ぬわけにはいかんからな!」


 笑って余裕を見せる星夜を見て、秋は足を止めずに逃げていく。

 それと共にウルフの元に連絡が来る。


「あぁ、侵入者二人だ。ガキの男と女だ。一人は俺がやる。お前らは要人の警護と、港周辺に怪しい奴がいないかを調べろ。女の方にら"クマ"が向かっている。仕事にかかれ」


 電話を切ると、ウルフは痛みで足元を押さえている星夜を見つめる。


「くそっ……全員逃す気はない……よな」

「当たり前だ。これも仕事なんでな。氷山の一角という言葉を知っているか。海にある氷山のように見えている氷山は我々から見れば大きいが、海の中だと氷の全体のほんの少しだけの存在だ。それと同じお前が見た者は海の中の氷だ」

「一つ聞いて良いかい。クリーンフォックスは武器製造してるって本当なのかい。この弾薬はどこで作られた?それだけ答えてほしい」

「答える義理はない。俺はあくまで用心棒だ。そんなものは管轄外だ」


 男は懐からナイフを取り出し、殺気を丸出しにして近づいて来た。

 その目は星夜だけを見つめて、その目を見て星夜は足の痛さ関係なくビビって足が動かなくなった。


「や、やべぇ……」

「少年、分かるだろ。死と死が隣り合わせの時、臆病者は動けなくなる。だが、俺みたいに死地を潜り抜けた猛者なら躊躇いもなく動き、その喉を切り裂く」

「……なら、俺は今。死地を潜り抜けるさ」


 星夜は待ってましたと言わんばかりに背中に手を伸ばして、服に手を入れて服から短い鉄パイプを取り出して構えた。


「念のために持って来て助かったぜ」

「ふん、やる気は認める。死なない程度には痛ぶらせてもらう」


 ナイフ片手にゆっくりと距離を詰めていくウルフ。

 軽く一歩を踏み入れ、ナイフで突いた。星夜は顔面の前に鉄パイプを出して、ナイフを鉄パイプに当てて軌道を逸らした。ナイフは頬をかすり、そこから血が流れる。

 ウルフはすぐに後方へと引き、再び様子を伺う。

 星夜は今の一撃で固まってしまった。今の一瞬、ナイフを突く時ウルフのマスクから見えた眼光は殺意に満ちていた。本当に自分を殺すつもりでいる。こんな体験初めてだ。身体が初めての出来事に対応できず、石像の如く固まってしまったのだ。


「……マジか。殺る気満々じゃないか……」

「顔面ギリギリで止めるつもりだったがな」

「頬を掠ってる時点で殺すつもりだったろ」


 明らかに言葉とは裏腹に殺す気満々な一撃だ。でも、そんな事を言ってる場合じゃない。今は逃げるのが最優先。でも、この場を抜けるにはこの男を倒さないと行けない。この男を倒すと自分の心に言い放ち、自分の胸を強く叩き、強気な表情を作って鉄パイプを突きつけた。


「……やってやる」

「その顔、鼓舞したか自分を。その気持ちはよく分かる。初めて人を殺める時の俺と同じだ」

「人殺しを一緒にされちゃあ困るな。殺すんじゃない。お前を気絶させるだけだ」

「一丁前に言うな。少年」


 ウルフが再び距離を詰めて攻撃を仕掛けた。

 星夜は息を整えて鉄パイプを大雑把に振り下ろす。


「ふん!」


 まともに喧嘩もした事ない奴の攻撃なんか当たる訳もなく、簡単に避けられて、瞬く間に眼前に迫っていた。


「やばい!」


 星夜は無理やり壊れたドローンを刻印の力で浮かせて、ウルフに投げ飛ばした。


「!?」


 真横からドローンがウルフに衝突し、何メートルも飛ばされる。だが、即座にドローンを地面に叩きつけて破壊し、体勢を整えた。


「何をした。それにその手の光は何だ……」

「……秘密事項だ。そちらさんと同じでね」

「ふん。余計に逃す訳には行かんようだ」


 懐から短く細い鉄の棒を取り出した。裏にはボタンがあり、そのボタンを押すと棒の先から一メートル以上もする赤い色をしたビームソードが現れた。


「ゲッ!?何だそれビームソードか!?んなのありかよ!大人気ねぇぞ!」

「フン、これで切れば証拠も残りづらいから楽なもんだ」

「マジかよ!映画の世界かよ!」

「腕や脚は失うだけだ。命は保証するさ、お前らの事を言えばな」


 *


 その頃、一人先に逃げている秋。コンテナの上を飛びながら出口へと向かっている。その下では大勢の傭兵達が追いかけて来ている。

 銃などは構えていないものの、懐が膨らんでおり、何か忍ばせているのだけは確認出来た。


「しつこいわね!」


 と降りて傭兵らと戦おうとした瞬間、傭兵の足が止まり、誰かと連絡を取り合っている。


「ん?」


 連絡を終えると全員そそくさと離れていき、周りから誰もいなくなった。何か怪しいと思う反面、自分に恐れをなしたのか?と考えてしまう。

 とりあえずは助かった。そう思い、再び逃げようとした。その時──


「!?」


 突如コンテナが激しく揺れ、体勢が崩れてコンテナから落ちてしまった。

 だが、咄嗟の判断で体勢を整えて、地面に着地した。顔からマスクが外れそうだったので、すぐに治した。


「危うくマスクが──」

「ふしゅぅぅぅ……」

「ん?」


 目の前から荒い息遣いが聞こえる。目を前に向けると、そこには2メートルを優に超えている大柄の男。ノースリーブで筋肉が露わになっている腕は大木のように太く、怪物と見間違えるほどの圧倒的な威圧感が放たれている。

 ウルフと同じく顔をマスクで隠しているが、その威圧感のある見た目と目つきから、まるで目が光っているように見えた。


「まさかコンテナは……」


 秋はコンテナへと目を移すと、コンテナは車が衝突したような凹みがあり、絶対にこの男がやったんだと考え、人間離れしている事に驚愕する。


「げげ、マジでやばい人かな」

「殺す……こ・ろ・すぅぅぅ!」


 耳の奥に響くほどの大声を上げて大きく足を一歩一歩踏み込みながら近づいてくる。


「へ、へへ……」


 秋は笑いながら何歩か下がり、逃げるかと思いきや懐から穴あき手袋をはめた。


「逃すわけには行かないって事ね。なら」


 そして刻印の力を発動して、何度かシャドーボクシングをして、一度飛び上がって回し蹴りを決めてから、攻撃の構えを取る。


「悪いけど、アンタには気絶して貰うわよ!」

「ふひぃ〜!!殺す!!」


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