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刻印戦記-Crimsonuniverse  作者: ワサオ
1-②悪だくみNova-
29/77

【Part7】自然保護団体クリーンフォックスの裏を暴け!

 

 夕方6時30分──陽が落ち始めて辺りは暗くなり始めた頃。


『さぁ始まりました!悪巧みNovaです!今回はリクエストであった自然保護団体のクリーンフォックスが実は秘密裏に武器密輸をしているという情報が入ったので、真実かどうかを確かめに来ました!』

『今は三人だけど、後で多分合流するから気にしないでねぇ』


 と元気よく配信を始める仮面を被った三人。場所は港付近の暗い路地裏。

 星夜はドローンを視聴者に見せつけて、地面に置いた。


『今回はあまり力は使わないけど、このドローンで駿河湾ターミナルへと飛び、武器密輸の証拠を撮る!!そして俺らがパパーっと主犯らを捕まえるって寸法よ!』

『つ、捕まえる!?そんな事──』


 といきなり言う星夜にツッコもうとした蓮に対して、無理やり口を押さえられる。秋は何も分かっていないのか、ハイテンションなまま答える。


『逮捕逮捕!!現行犯だ!!』

『そうだ!!現行犯で捕まえてやるさ!』


 コメントも盛り上がりを見せて、新たな試みに視聴者らもワクワクしているようだ。

 星夜も秋もテンション高めで蓮以外全員が楽しみにしている。


『さぁ!悪事が本当か裁きを下す時が来た!!皆んなで見るぞぉ!ドローン、発進!!』


 ドローンを浮かせて星夜らを映し、仮面越しだが秋はキメ顔をして蓮は呆れた顔をした。


『みんな!俺がコントローラーは持ってないのは分かるだろ。能力で浮かせているんだぜ!信じてもらえないと思うが、それよりも真実を目の当たりにしてくれよ!!』


 ドローンを埠頭に向けて動き始め、バレないように慎重に飛んでいく。道路を越えて、埠頭へと近づいていく。


『見たかっても知らないよ』

『バレたらお終いだけど、俺の操縦テクニックをご覧あれってな!』

『もう好きにしてくれ……』


 ドローンはゆっくりと低空飛行して、埠頭の入り口を回避して海側から埠頭へと目指す。物に隠れながら進み、どんどん船へと近づいて行く。


『よしよし、もうすぐで怪しいとされる船に到着するぞ』

『ワクワクが止まんないわねぇ!』

『情報だと武器を積んだとされるトラックが来るとらしい。それも一緒に撮れたら、即逮捕だ』


 星夜らも視聴者も盛り上がりが最高潮に立っていた。コンテナ船を映すがこれといって何も無く、コンテナも中が見れないので、今のところ証拠は何もない。それでもこの緊張感に視聴者は誰も文句も言わず、もっと行けだの催促する者が増えていく。


『待て待て慌てるなって皆んな。情報は絶対だ。絶対にあるさ』


 人が見えたらコンテナに隠れたり、上空へと移動したりして人目を掻い潜りながら更に進む。4段に積まれているコンテナの上へと行き、横に回転して埠頭内を見渡す。大きなコンテナ船が船舶しており、そこからコンテナを下ろしている最中であった。


『視聴者のみんな見えるか。これからあの船に武器が積まれるって訳だ。その証拠をばっちりと撮ってやるからな!』


 コンテナ内に何が入っているかは不明。でも、星夜らはそれが武器や弾薬である事をなぜか確信していた。

 すると秋が映像からある物を見つけた。


『ねぇねぇ、あの黒い車?』

『ん?アレってベンツか』


 コンテナ船の近くに一際目立つ黒いベンツが止まっており、遠くからだけどズームして誰が乗っているか見ようとするも、スモークガラスで外側からじゃ中が見えなかった。


『ちっ、誰かが乗っているのは間違いないが、黒いガラスで全く見えんぞ』

『あの人は?何か変じゃない?』

『あ?』

『ここよ、ここ』


 秋が言う人物。指を指してその人物にフォーカスを向ける。

 それはウルフであり、他の傭兵とは違う雰囲気に星夜は興味を示した。コメントもそれには大きく反応して、挨拶しろとか言われて更に興味を示す。


『他の奴より辺な格好だな』

『映画によくいる謎の用心棒じゃない?』

『こんな事の為に呼ぶわけねぇろ』

『よほど大事な荷物を載せようとしているとか』

『う〜ん』


 とドローンを動かしてウルフの後方上空にて止めて、じっくりと観察し始めた。


『おいおいそんなの危ないから遠ざけてくれよ』

『大丈夫だって、視聴者も気になってるし』


 パソコンのコメントにはもっと見せてだの、用心棒?や不審者じゃね?だのと盛り上がりを見せていたのだが、


『視聴者が喜んでも危険過ぎる』

『んなもんバレたら即逃げればいいんだからよ』

『だからと言って──』


 蓮と言い合っているとプロペラ音が聞こえてウルフが振り返った。

 カメラ越しに目が合った星夜は慌ててドローンを逃そうとしたが──


『あっ……逃──』


 振り向いた男がドローンを目視した。星夜が逃げようと言おうとしたが、それよりも早く懐から銃を取り出しドローンへと音もなく発砲した。

 ドローンは激しく横に回転しながら落ちていき、完全に操作不能となった。


『やっば……』

『うえっ!?僕のドローンが!!』


 ドローンが突如銃によって撃ち落とされて、ドローンがコンテナの上に激突した。事のヤバさに気づいた星夜は咄嗟に配信を切った。

 練の顔は仮面越しでも分かるほど青ざめて、凍りついたように固まってしまった。


「今銃撃った人アタシ達みたいに何か被ってなかった?」

「そんな事よりも俺のスマホが向こうに落ちたんだぞ!!奴らの手に渡ったら──」

「どうなっちゃうの?」

「あわわわ……スマホから個人情報が取られてしまう!」


 秋は事態をよく分かっていないが、蓮と星夜はこの事態がいかに深刻か分かっているのか頭を抱えて悩んだ。


「もし見つかったら、それこそバレちゃうだろ!どうすんだよ!」

「……そうは言ってもこのまま放っておく訳にはいかん!今の時代、ドローンやスマホだけでも十分すぎるほど特定出来る。それこそ調べれば、ドローンをお前が買った記録すら調べられるかもしれんのだぞ」

「……う……だから嫌だったんだよ。こんなのぉ」

「幸いコンテナの上に落ちたようだから、行けるはずだ」

「コソッと行く気?港は監視カメラとかあるんだよ!」

「俺に任せろ!」


 自分の胸を叩き、ドンと来いと言わんばかりのニヤリと笑う姿に嫌な予感がずっしりと来た。


「まさかと思うが……停電を起こすつもり?」

「そのまさかだ」

「問題起こさないはずでしょ!」

「もう起きてるから意味ねぇよ。それに後少しで現場を抑えられたんだ。ここで引く訳には行かんだろ!」

「東児が聞いたらブチ切れるぞ……」

「何とかなるさ。俺の考え通りなら」

「後でどうなっても知らないよ、もう」

「付近の電柱ぶっ壊して停電を起こす。そして混乱している内にドローンを回収する。まだ取られてないといいがな」

「マジかよ……」


 脳内で操作してスマホのカメラを起動させると未だスマホもドローンもコンテナの上に落ちていた。

 それを確認すると星夜がガッツポーズを取る。


「よし!善は急げだ!!秋、行くぞ!!絶対にマスクは取るなよ!」

「おうさ!!」

「蓮は待機してろ!!SNSで適当に言い訳してくれ!!」

「頼んだよぉ!」


 二人は港へと走り出して、その背中を不安視する蓮。

 はっきり言って秋がいると不安しかなく、変な事が起きなければ良いなと祈るばかりであった。


「はぁ、どうにか問題にならない事を祈るしかない……か」


 *


 二人はコソコソしながら港へと近づきながら電柱を探す。

 道中車通りが少ない場所を見つけて、電柱の一部を指して秋に説明する。


「あんまし人がいない場所で電柱の一部配線を切ればいいからな。壊したもんは後で俺が能力で治すから。適当に配線を──」

「よいしょ。ほれ!」


 と言ってるそばから秋が電柱に両手で根元から引っこ抜き、全力で山へと投げ飛ばした。その衝撃で電柱の配線が全て千切れてしまい、辺り一帯が停電を起こしてしまい、港方面も真っ暗になった。

 話を聞いてなかった秋はとぼけた顔をして言う。


「あれ?まずかった?」

「あぁ、後始末が大変になったよ。でも、まぁいいや。行こう……」

「うん!」


 何も分かってなさそうに笑顔で言われ、どうにでもなれと諦めた星夜は指示なしで危険な事をするなとお灸を据えた。

 辺りは大慌てになり、住宅街は夕方時でもあり主婦達は大騒ぎ。埠頭も例外ではなく、停電になりコンテナを積む作業が一時停止した。


『港も作業が中断したようだ。今なら侵入が容易だよ』

「分かった」

『手荒な事はしてないよね。停電起こす為に』

「あぁ……うんまぁ」

『言い訳は後で聞くから……それとコメント大荒れだぞ。僕がどうこう出来る事態じゃないよ!』

「その件も何とかやってみせるから」


 蓮からの電話を切り、徐々に色んな疲れや不安が募るが二人は隠れながら進み、何とか埠頭へと侵入した。

 港の関係者らしき人々がが大騒ぎしており、その隙を見て隠れながらどんどんドローンの居場所まで走っていく。

 そしてドローンが落ちたコンテナの真下に到着した。


「秋は身を潜めて、誰も来ないか見てくれ」

「OK」


 星夜はコンテナへとジャンプして登っていきドローンの元へと急ぐ。

 秋はコンテナとコンテナの隙間に身を潜めながら、周りに人がいないかを確かめる。


「おっ?俺のだ!」


 コンテナの上に落ちたドローンを発見し拾い上げ、スマホを取り外して壊れてないか確認、あまり外傷がなく安心した。


「ふぅ……スマホはセーフ。ドローンはアウトか」


 ドローンはローターの一部が破損し、中央部分が銃弾により見事に破壊されていた。


「まぁいいか。よし、これで帰れば──」

「帰れば……何だ?」

「うぃ!?」


 後頭に何か突きつけられた星夜。背筋が凍り、嫌な空気が一気に漂った。まさかと思い、両手を無意識に上げて振り向いた。

 それは先程、ドローンを打ち抜いた男ウルフであり、星夜に銃口を突きつけていた。引き金をいつでも引けるようにしており、殺意満々である。




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