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刻印戦記-Crimsonuniverse  作者: ワサオ
1-②悪だくみNova-
22/77

【Part0】変な事件が起きてるようだから、山に行ったらとんでもないモノを発見&放送事故?

 


『5月17日、時間は午後6時24分。我々"悪だくみNova"は今ここ六道山公園にて、変な宗教団体が山を囲んでいるとの情報を得て、何とか人混みを掻い潜って来ました!1万人ほどの同接ありがとう!!カメラマンはリーダーのヒート君です!』

『本当にこれ大丈夫なのかよ?山の上やべぇ事になってんだろ?俺やだよ、死ぬの』

『鬼さんよ。ビビってんじゃねぇぞ。他の二人は行く気満々だぞ。なぁ、二人とも!』


 真っ暗な中、山を登っている光景を映しているスマホ。辺りから赤いパトカーの光、サイレンが鳴り響き、人々の悲鳴が至る所から聞こえるこの場所。

 ヒートと鬼と名乗る二人の少年の声が聞こえて来て、振り返るとそこには泥棒のような覆面を被る一人の長髪の少女とメガネ男子と、ゴブリンマスクを被った男子がいた。

 少女とメガネの男はスマホを向けられると軽く手を振った。


『みんな見てるぅ?マリサだよぉ』

『こんばんわ、臆病なマカオです。僕は今すぐにでも逃げたいです』


 画面には大量のコメントが流れており生配信をしているようだ。そして心配するコメントが流れている中、カメラマンの覆面男がカメラを顔に向けて言う。


『危ないけど、これは皆が知りたい真実を知る為だ。これは陰謀だろう。政府が作り出した人工新人類!それじゃなかったら、これは何だ?夢か幻か?それを皆に伝えてやるのが、俺達の使命だ!』

『新人類?マジで言ってるの?』

『なら、なんて説明する?空飛んでるんだぜ?ヒーロー映画かよ!』


 二人がそうこうしている内に山頂の戦いが始まろうとしていた。


『おおっと?俺らとタメ?いや、歳上か?二人の男がぶつかっている!!超能力者!?』

『これ以上は危険だ!逃げようぜ星、いやヒート』

『後、もう少しで二人の顔が撮れるんだ。ここで引くわけには──』


 と目で確認して、スマホを戦っている二人へと向けようとした瞬間に、鷹斗と劉生が刻印の力でぶつかりあった瞬間大地が割れ、四人の足元にヒビが入った。更には強烈な衝撃波が放たれて、四人全員が軽々と宙へと浮いて何メートルも吹き飛んだ。


『うわっ!!』


 スマホも葉っぱのように飛んでいき、木に激しく激突した。

 地面に倒れるとカメラマンの男はすぐに取りに行き、スマホを付けるが反応はなく、電源も付かなかった。画面は銃で撃たれたように真ん中にヒビが入っており、完全に壊れてしまった。


「おい!スマホ!!くそっ!壊れやがった!!」


 そう言って覆面を脱ぎ捨てて、スマホもポケットにしまった。

 他の三人も壊れた事を知ると覆面やマスクを脱いで集結し、イケメンフェイスの男子がやれやれと言わんばかりの顔で言う。


「言わんこっちゃないよ星夜。辞めとけ言ったのに」

「東児、スマホ貸してくれ。すぐにでも配信を再開するぞ」

「急いでたから、スマホ充電ねえよ」

「なら、秋か蓮。どっちかスマホ貸してくれ」


 そう言ってリーダーの星夜は、長髪のクリクリ目ん玉の少女秋に聞くと頭を横に振った。


「私はガラケーって言ったじゃん」

「あぁそうだった。早くスマホにしやがれ時代遅れ!蓮、お前なら常日頃充電してんだろ」


 と言ってメガネ少年蓮はスマホを差し出した。


「スマホは命だから、手荒に扱わないでよ」

「もちろんだ。安心しろ」

「君のその言い方が一番怖いんだよね」

「さぁ配信再開と──」


 配信再開しようと配信開始を押そうとした時、東児が青ざめた顔で星夜の肩を強く叩いて来た。


「おい、星夜!」

「んだよ。みんなマスク被れよ」

「そうじゃなくて後ろ見ろ……」

「はぁ?」


 後ろを振り向くと、他の二人も唖然としておりその視線の先にはヒビ割れた地面から青白く発光している大きな岩が顔を出していた。


「な、なんだアレ……石が光っている?」

「さっきの衝撃で地面から出て来たのかもしれないな。にしても、発光する石とか実在してたんだな。嘘だと思ってたぜ」

「さっきの奴らと何か関係が──っておい!」

「秋何してるんだ!」


 声を荒げる星夜と東児。

 それは秋が謎の石に秋が触れようとしており、大急ぎで止めに入ろうとした。だが──


「え、何?」


 秋は恐れる事なんてなく、むしろ興味津々に石を触った。

 その瞬間、石に触れた秋の腕から光輝いた亀裂が入り、身体全体に亀裂が入った。秋は動かなくなり、ただ触ったまま立ち尽くしていた。


「あ、秋!?」

「何が起きてるの?私死ぬの?」

「……手を離せ秋!!」


 秋は動こうとするも、まるで磁石のように引っ付いてしまい、動けなかった。


「離せないわよ!くっついてるみたい!」

「クソっ!みんな秋を引き離すぞ!」


 星夜の掛け声に二人もすぐに秋の腕を握りしめて、引き離そうとした。非現実的だがこれは異常事態。とにかく三人は秋を引き剥がす事に必死になった。

 だが、腕を先に触れた星夜の腕にも光の亀裂が入り、一気に身体全体が亀裂が入り光が放射する。


「うわっ!星夜まで!?」

「お、お前もだぞ!!」

「えっ!?」


 全員に光の亀裂が入り、全員固まって動くことが出来なかった。

 けれど、何故だか苦しくなく、痛みも感じない。


「でも、何だろう……痛みを感じない」

「確かに……何だ」


 そして心臓部分までも光り始めて、どうなるんだと全員が息を飲んだ。その時、石が周りを包み込むほど大きな光が放たれて全員がその光に吸い込まれた。


「「「うわぁぁぁぁぁぁ」」」


 気がつくと全員倒れており、


「いてて……」

「だ、大丈夫かみんな?」

「あぁ、大丈夫だ。だけど、何が起きたんだ……」


 全員吹き飛ばされてない。それに怪我もしてない。ただ光に包まれただけ。だけど、変なな感覚だった。身体から力が湧いてくるような、温かな感覚。


「東児、それに皆……手の()()何だよ」

「お前こそ……それ何だよ」


 全員手の甲に違和感を感じた。手を確認すると、手が光っており何かゆっくりと刻まれて行く。


「機?」


 星夜の手の甲に"機"の文字が刻まれた。他のみんなも合わせるように見せて来た。


「俺は"糸"」

「僕は"風"?」

「アタシは"拳"」


 東児は糸、蓮は風、秋は拳の文字だった。


「でもこれ、あの男達と同じように腕に何か描かれてる」

「……まさか俺達、変な能力に目覚めた?」

「そのまさかだろうな」


 全員黙り込み、腕を組んで考え込んだ。

 星夜は重苦しい空気の中で口を開いた。


「これって……良い動画のネタになるじゃんか!」

「ワオ!?それ本当?アタシ達有名投稿者の仲間入り!?」

「マジマジ?CGなしの超マジック?いや、超能力だぁぁぁ!!」

「これでお小遣いもっと稼げるし、ネタ切れも防げるしやったぁぁぁ!!」


 星夜と秋の二人だけハイタッチしながら喜んでいるが、東児と蓮だけはあまり喜ばしくない空気感であった。


「二人共喜んでいるけどさ。あんまし良い状況じゃないような」

「僕もそう思うよ。嫌な予感がしてくるよ」

「これ以上ここに関わるのは危険だと思う。さっさとこの場から去ろうぜ」


 そう言っていると頂上から爆発音が鳴り響き、四人がいる場所も激しく揺れた。


「さ、賛成だね。何が起きるか分かんないし……」

「行くぞ星夜!取り敢えずは撤退するぞ!」

「誰か来る……みんな伏せて……」


 蓮が何かに気づき、全員を伏せさせた。

 すると、一分後に近くを武装したSAT部隊が頂上へと向かって行くのを目撃した。


「よく気づいたな蓮」

「いや、何か感じたんだ。小さな風の流れで、何かがこちらにゆらりと迫ってくる感じが……みんなは感じてない?」

「俺はないぞ?」


 星夜が首を振り、他の二人も首を振った。


「まさかと思うけど、この"風"の文字が関係してるんじゃ……」

「まさか、嘘だろ?そ本当に超能力を手に入れたってのか?」

「そうとしか言いようが──」


 その瞬間、銃声と共に再び大爆発が起きて更に山頂の戦いが激しさを増していた。

 このままいると危ないと取り敢えず全員山を降った。降りると東児が皆の慌てっぷりを落ち着かせる為に言う。


「はぁはぁ、とにかく皆この力がバレるのは危険だと俺は思う。だから、一旦解散して明日改めてこの力について話し合おうぜ」

「その方が良さそうだな。でも、上では戦いが起きているから気をつけて帰るぞ」

「「「おう」」」


 そうして全員自分の力を理解する為にも、今日は別れた。










 今回の刻印戦記の物語は、動画投稿・配信している少年達が、謎の石の力で刻印を手に入れてしまった。その少年達が、刻印を手に入れた事により、世界が広がり様々な動画のネタ探しをする物語。

 その先に待ち受けているのは──

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