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クリスとアリスの夢物語  作者: たくま
第1章開拓村編

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10/12

第10話 都市国家バニラ

「ああ、やっとここまで来れた」

 

 感動なのか呆れなのか、よく分からない声とともに、クリスは吐息(といき)を吐き出した。ついでに横目でちらりと、となりを歩いているアリスの様子をうかがう、彼女はいつになく真剣な面持ちで、手に持っている布袋を見つめていた。

 つまりはこちらの話を、まったくもって聞いていなかった──しかたがない、今のは独り言なのだから。と自分に言い聞かせ、クリスはできてしまった間を埋めるように、さらに言葉を割り込ませた。

 

「もっと早く物事ってのは、進まないものなのかね。ほんと無駄に長かった気がするぞ! 無駄と言えば、無駄に痛い思いもしたし、天中殺とはこういう状況を言うのか?」


 こんどは独り言なのか、話しかけているのか、よく分からなくなったが、少なくとも後者であることは確かだと、自分を信じ込ませ、改めて横を見やる。

 

 やはりアリスは手元を見ながら、ひとりでぶつぶつと、なにやら独り言にいそしんでいた。彼女の安定した聞く耳のなさに、他人事ならいざ知らず、それが当事者ともなると、どうにも悲しくなってくる。クリスはどこかあきらめの()()()()、長い吐息を吐いてから、かぶりを振ると、今度は前方に広がる景色を見据えた。

 

 開拓村がある山沿いを抜けると、突如として現れる大海原のような草原──と言えば聞こえはいいが、実際はただの味気のない、雑草の生えた平原なのだが──それが地平線の彼方まで続いている。

 雑草をふたつに引き裂くように、舗装された街道が地平線の先まで延びていて、この道の先、地平線の上にのっかっているかのように、灰色の巨大な城壁がそびえ立っているのが見えた。

 移住先にと決めた都市の規模の大きさを、いやでも認識させられたところで、クリスはしみじみと感じ入った様子で言葉を漏らした。

 

「ほっんと、なんど来ても凄いの一言しかでてこないよな。縦どころか横にも大きいからな、よくもまぁあれだけ広大な市街地を、城壁で囲うきになったよ。ふつうそんな発想するか? それに3つも城壁があるから、ここから見ると──」

 

 都市の中心部は小高い丘になっており、丘を取り巻くように市街地が形成されている。3つの城壁を備えているバニラ市街は、遠くから見ると3段ケーキのようにも見えるとクリスは思っていた。

 いまは斜陽を受けて、バニラ市街地は幻想的な陰影を浮かべて佇んでいる。なんにしろクリスは素直に思ったことを、(くち)にだした。

 

「うん。豪華なお誕生日ケーキだな! そう思うよな? アリス」

 

 クリスの何気ない問いかけに、返ってきたのは。

 

「……ヘッ」

 

 彼女の(さげす)むような一言だった。

 

 とりあえず話は聞いているのだと、前向きにとらえることにして、ほかの話題を振ろうとした──が、クリスは喋るのを止めて、息を呑みこんだ。


 眼前右側に広がるは、地平線に沈みかけた太陽。赤々(あかあか)と輝く光は時を刻むごとに、世界を美しく移し変えていく──つい立ち止まって。クリスは感嘆の声を漏らしていた。

 

「カメラがあれば、この綺麗な景色を撮りまくるんだけど、まあ無い物ねだりだよな」

 

 彼は目に映る光景を全身で受けとるように、両手を少しだけ広げた。空を見上げ、深呼吸をして感じとる。太陽が今日1日の最後の務めを果たそうと、地上を茜色に染めあげている。

 空、山、川、大地、そして地平線の先にある、人工建造物たる城壁すらも、その恩恵に授かろうと拒むことなく、一身に斜陽の光を取り込んで、鮮やかなオレンジ色に染まっていた。まるで世界がこの色彩以外を許さないと、言っているようでもあった。


「こういった綺麗な景色に偶然出会うのも、旅の醍醐味のひとつだよな」

 

 感嘆の声を漏らしていたら、ふっと気づく、自身の身体もオレンジ色に染まっていたことに。

 夕陽がジリジリと、露出した頬や手の甲に焼きつく、それを秋風が冷たく取り除いてくれる。光と風の織りなす刺激に、世界と精神がシンクロしたような感覚を受け──クリスは言った。

 

「俺たち人間も、この自然の一部なんだよ。これを享受するために生まれてきたはずなのに……だけど人はなかなか気づけずにいる、きっと、誰もかれも遅刻しないようにと、急ぎ足で人生を駆けて行くからなんだろうな。立ち止まってみれば……ただそれだけで、今まで見えなかったものが見えてくる。そう、こんなにも世界は素晴らしく佇んでいるというのに、こんな簡単なことを、俺は──」

 

 ──と。

 

「ポエ〜?」

 

 クリスが五感で風景を味わっていると、横から空虚な声が割って入る。

 手もとに視線を向けていると思いきや、いつの間にか、アリスは横目でこちらを見ていた。パッと顔を向けた瞬間に、彼女はもう布袋の中に視線落としていたが。いたたまれない感情から逃れるように、また歩きだす。

 

「俺はそろそろバニラに着いてからの予定を立てたほうがいいと、思っていたところだぞ」

 

 ゴホンっとわざとらしく咳払いをして、クリスはすんなりと現実に戻ってきた。

 

「そうだな。市内に入ったら食堂を見つけて、まずは腹ごしらえをする、その後に安宿でも見つけてチェックイン。宿屋で今後の身の振り方を考える。どうだ! この寸分の隙きもない見事な計画は、無駄の多い俺たちには画期的な計略だと思わんか? なんてったって無駄の入り込む余地がないからな」

 

 胸を張って、その計画とやらを披露したクリスは、連れ立って歩いているアリスに返答を求めた。が──

 

「人生無駄遣いのくせして」

 

 彼女からはなんとも切ない回答が飛び出してきた。

 

「無駄遣いって……」

 

「わたしは人生の儚さについて、思索中なんだから、静かにしててよ」

 

「……人生の儚さね〜」

 

 クリスは疑わしげな声でぼやくと、アリスの持っている布袋の中に視線を投げ入れた。残り少なくなった食料。現時点で重要なことかは微妙なところだが、どうやら彼女にとっては緊急性の高いことらしく、それが人生の儚さにまで結びついているようだった。

 アリスは深刻な顔つきで時折、むむむっとうなり声を上げては、ひとり思案に没頭している。

 彼女の言う人生の儚さとは、いったいなんなのか気にはなったが、クリスはあえてそれ以上はなにも言わなかった。

 

「……バニラっか」

 

 どこか手持ち無沙汰になった指で弧を描き、クリスはうめいた。

 

「こんなことになるなら、父さんの話をもっとちゃんと聞いとくんだったな」

 

 ぼやきながらも、聞きかじった記憶を引っ張り出すように、クリスは言葉を並べていった。


「え~と、今から行く町の正式名称は【都市国家バニラ】だったよな、俺達は町って言ってるけど正式な国家として承認されている。もともとは行商隊の中継地点だったのが、村や町へと成長していき、現在の国家にまで発展していった。そう父さんから聞いたな、だからバニラには王家も貴族もいない、国の統治は市民の自治組織で執り行われている……なんか自治会の国家版みたいだよな、でも組織はしっかりと確立していて、王国や帝国とも渡り合える実力を持っているとも言っていたっけ」


「うーうーうー」


 そこまで独り言を言ったところで、アリスのうめき声が聞こえてきた。顔を向けてみると、彼女は手に持っている布袋の中を、食い入るようにのぞいていた。ぐっと唇を引き絞り、いったん言葉を止めて、クリスはそっぽを向くと、気にせずに独り言を続けていく。


「なので王国と帝国の外交の場としても使われていて、8年前に第2次西部戦線の休戦協定の場にもなったようだし、国家としの能力はちゃんとあるみたいだな。それにバニラには世界中から交易品が入ってきて、商都としての側面のほうが強く、いまでも人や物の流入が止まらずに発展し続けている。とまあ経済活動が活発だからこそ仕事も見つけやすい、だから俺達が移住するのに適している──そうだよな」


「んーんーんー」


 クリスが同意の言葉をかけたのだが、期待通り返事はない、あるのはテンポの悪い音楽のような、アリスのうなり声だけで、それが虚しく耳に入ってくる。

 先ほどより声が淀んでいるので、クリスがちらり、とアリスを見やると、そのまま布袋に顔を突っ込みそうな勢いで、眼前にまで持ってきていた。クリスは大きく深呼吸して、なんとか平常心を保つと、彼女のことはとりあえず無視できた。

 彼は腕を広げ、なにかの独白劇を演じているかのような語り口調で、喋りだす。


「バニラは中立国であり両国ともに国交がある、そして面白いことに王国兵も帝国兵も、観光や歓楽街目的で自由に出入りしている、国交があるから当然ちゃー当然だが、だから市内でもよく見かけるのはそのためだな。もちろん両国の兵士が偶然バッタリ出会ったとしても、睨み合うぐらいで戦闘が始まるってわけじゃない」

 

 あごに手を当てて、うんうんと感じ入った様子で、うなずくクリスの話は、まるで丸暗記した記事でも読み上げているかのようではあったが、なんにしろ彼は最後まで話しを続けた。

 

「そもそも市内で戦闘行為をした者は、自警団に逮捕されて裁判の後に処刑された。なんて事例もあるからな、なので基本的には両国の兵士が出くわしても争いにはならない、まぁ、ときには小競り合いにまで発展することもあるらしいが、すぐに自警団が鎮圧しにくるから大事にはならない、よって俺たちも安全に暮らせるってわけだ」


「ふーふーふー」


 クリスがここで指を1本立てて顔を向けるのと、アリスの荒くなった鼻息が聞こえてきたのは、ほぼ同時だった。当然のことながら、彼女は聞いてもいなければ見てもいない、いまだに手にしている布袋と無言の会話を続けていた。

 これで今日はなん度目の頭痛だろうか、と途方もない徒労感に襲われ、クリスは頭を押さえた。

 頭を押さえながらも、クリスはどこか決心したように、凄絶な笑みを浮かべて対抗意識を燃やした。こうなれば根比(こんくら)べだ! と胸中で叫び、腕まくりをして、1段階声のトーンを上げて説明に入る。


「自警団という名称もただの総称で、そもそもバニラがまだ村だったころにできた組織の名前が、名残りとして残っている。創設当初の目的は、住民の生命財産の保護、治安維持、闇市場の摘発、外敵からの防衛だったのが、今では市内の警邏や国の防衛はもとより、御用聞きみたいなドブさらいや、イベントの警備員、はては迷子猫の捜索まで卒なくこなしている、それに伴って組織が細分化されているみたいだな。これは俺もよくは知らんのだが、噂では他国の諜報活動なんかもおこなっているって話だ。ちなみに組織によって正式な呼称があるみたいだが、バニラ市民は愛称を込めて自警団と呼んでいるそうだぞ!」


 ──と。


「フシューフシューフシュー」


「あん?」


 そこで奇っ怪な音──正確に付け加えるのなら、布袋から空気が漏れでるような音──が聞こえてきた。

 なんとなく想像がついてしまい、クリスは眉間にシワを寄せて、苛立たしげに見やった。

 予測通りアリスは布袋の中に顔を突っ込んで、奇声を上げていた。犬や猫が頭を突っ込んでいるのならば、まだ可愛気があるのだが、彼女がすると、どうにも奇行にしか見えなかったが。

 なんにしろその光景に、青筋がピクピクと脈打つのだけは分かった。虚しさよりも苛立ちのほうが勝り、クリスの心はポキリと折れる。


「だぁーもう、うるさいぞ! しょうがねえだろ、食っちまったらなくなるんだよ。もどらねぇの。にらんだって増えたりしないんだよ、世の中そんなに甘くねぇんだ! わかったか。だいたいほとんどひとりで食べたくせしてなにやってんだよ、いい加減やめんか! みっともない!」


「だって、だって美味しかったんだもん、しょうがないじゃん! ご飯の美味しさを知ったわたしは、前の食生活には戻れません、お兄ちゃんの今後の緊急課題は、可及的速やかにお米を確保することです」


 妙に嬉しそうな声でアリスが言葉を返してきた。ただし顔は突っ込んだままで。

 

「そりゃ〜そうだろうよ。俺の下着や父さんのお手製の盾まで燃やして、炊いた飯はさぞかし美味かったことだろうよ」


「…………できるだけ迅速に、かつアリスちゃんが駄々をこねる前に確保することと格下げとします。あと盾の件は不可抗力です、わたしのせいじゃありません」


「まっ、いまさらどうでもいいけどよ、それよりもいいかげん前見て歩かないと、すっ転ぶぞ」


「へっへーん、わたしはそんなにドジじゃありま──」


「ほら言わんこっちゃない、お約束だよな。おーい大丈夫か?」


 地面の小さな出っ張りにけつまずいて、綺麗な弧を描き、頭から地面へとダイブしたアリス。

 

「いたたたた。わたしとしたことが──ってあぁぁー」

 

 一拍置いてから、まるで種まきでもするように、米粒がパラパラと地面へと散らばっていく、それをアリスは寝そべったまま、くぅぅぅっと口惜しそうに潤み声を上げては、拳で地面を叩き騒ぎ立てている。

 

「すぐ調子にのるから痛い目みるんだぞ。ったく」

 

 とうとう両腕を枕にするように目元に当てて、うぐうぐと泣き言を言いだしたアリスを見下ろし、クリスは毒づいた。

 

(ここまで来てペースダウンはまずいな)


 鬱蒼(うっそう)とした気持ちを吐き出すように、大きく息をついて、空を見上げる。

 

(日没まで……あと1時間弱ってところか)

 

 クリスはバニラまでの距離を気にするように、太陽の位置を確認した。時間を推し測ったところで下を向く、暑さにやられた犬のように身体を伸ばしたまま、微動だにしないアリスを憎らしげに見返したところで、先を急ぐ決意を固め。


(このままだとバニラに入都する前に暗くなってしまう、歩きだせばアリスもついて来るだろう)

 

 遠方からやって来る交易隊の到着が深夜になることもあるので、バニラの城門は(つね)に開放されていた。なので市内に入れず、野営する事態に陥ることはないが、それでも少しでも明るいうちに、入都するにこしたことはない。

 

 クリスは意を決して、右足を上げた──とその時。

 

「あっ……あの〜」

 

 奥歯にものの挟まったような、よどむ声でアリスが弱々しく声を上げた。

 

「……なんだ?」

 

 地面を叩くように、ドッン、と上げた足をその場に下ろす。クリスは振り返りもせず背中越しから、いらいらとした様子で聞き返した。

 

「うっ……あ、あの足くじいちゃったんですけど。その……おんぶしてもらえたら嬉しいなって──だめ?」

 

 クリスはへなへなと(ちから)なく、その場にくずおれた。じろりと肩越しにアリスを見やり、釘を刺す。

 

「アリスはほんっっと、世話がかかるよな。おぶってやるから、これ以上のおふざけはなしだからな」


 アリスも素直にうなづくと。よたよたとおぼつかない足取りでクリスの背中まで寄っていき、そのままゆっくり彼の背に身を預けた。

 

 アリスは両手で肩を握り、ひじを背中に当てて空間をつくる、心もち重心は後ろへと下がってしまう。

 このできてしまったスペースが、お互いの心の距離のような気がして、少しもどかしい。

 

(お兄ちゃんに言われたように、少し調子にのりすぎたのかもしれない……ご飯も美味しかったけど。はあ……わたしまた自己嫌悪してる)

 

 声だけではなく態度からも、怒りの色が透けて見えてしまい、心苦しい。スタスタと無言で歩くクリスの背中を見つめ、またひとり、落胆の吐息を悟られないように吐き出した。

 

(やっぱり怒ってるよね……この沈黙は重たいな。なにか話題はないかな)

 

 クリスの息づかいは荒くなっていた、どことなく背中も震えている。アリスはいたたまれない気持ちに押し負けて、ひじを伸ばし、握る肩を前へ押し出すように少しだけ力をいれた。さらに重心が後ろへと移動して、近づきたかったはずの背中が遠くなる。


 こんなことをしても、この場から逃げられるわけでもないし、状況が一変することもない。欲しくもないパーソナルスペースを押し広げただけで、無意味なことをしてしまった。と今さらになって後悔を覚え。

 姿勢をもどそうと思ったが、もどす勇気が出てこなかった。かわりに、やるせない気持ちだけが募っていく。

 

 見ただけで分かるほど、クリスの身体は震えだしていた。支えている腕にも(ちから)がこもっているのか、スカートの布地ごと太ももに指が食い込み、若干の痛みが走る。無言でいるのが悪いのか、それとも他にもなにか理由があるのか、いずれにしても怒りが込み上げてきているのだけは、見て取れた。

 

(そんなに怒らなくてもいいのに、わたしもちゃんと反省してるんだよ。こんなんじゃ話しかけることもできないよ)

 

 目の前の背中を直視することが辛くなり、アリスはいったん視線をはずし、空へとさ迷わせた。

 

 美しい赤焼けの空。ぽつぽつと浮かぶ雲も光を跳ね上げて、その輪郭を朱色に輝かせている。近くには(からす)が数羽、同じ方向へと向かって飛んでいた。

 

(別にわたしだって、なにも感じないわけじゃないもん)

 

 綺麗な景色を見て、そこから感動する気持ちが生まれてこない──ということはない。ただ今はとてもじゃないが、そんな気分にはなれなかった。着の身着のまま、逃げ落ちるように村を出ての移住。さらに自分の失態で、残り少なかった食料を、ほとんど失ってしまった。お金があっても万全とは言いがたい、この状況をどう打開するべきか。

 いや──その前に、自分のまねいた事態を解決するほうが先か。

 

(どうしよう)

 

 頭の中がまとまらず、困惑したアリスはうっかり、はあ、と大きな吐息を漏らす──とクリスはガクンとひざを曲げ、ほとんど屈み込むような姿勢を取った。

 

「──⁉」

 

 一瞬、投げ飛ばされるのでは、と肝を冷やした。が、すぐに立ち上がり、アリスの身体を揺さぶって体勢を整えると、クリスは何事もなかったかのように、また歩き出す。

 

(はあ〜よかった。いま嫌な想像しちゃった。いけないいけない、思わずため息なんかついちゃったから、また怒らせたのかと思ったよ。ため息つきたいのはお兄ちゃんのほうだよね……ごめんね)

 

 怪我の功名というやつか、クリスが揺さぶり身体の位置を変えてくれたおかげで、さり気なく距離が縮まってくれた。

 

(……少しだけ近づけた。いや違うか。そんなことよりも、いまのわたしが考えなくちゃいけないのは──)

 

 脱線しそうになった思考を、軽く首を振って引き戻し、アリスは大きな背中を見つめなおした。まっすぐ吹き抜ける風に髪が乱される。いつもなら気にして整えるのだが、いまは乱れたままでも気にならなかった。

 

 それに、それよりも──

 

(なにかないかな? 仲直りする方法)

 

 沈黙という会話の中、揺れる想い。自分の心の中をまさぐるように、アリスは話しかけるキッカケを探していた。

一言あとがき。

 

 軽トラ欲しい。──以上。

 

 

 と、素晴らしく真面目な、あとがきなど書けたところで。

 

 以下はただのらくがきです。

 

 

 まず最初に、あまりにも話が長くなりそうだったので(実際は1文字も書いてませんが)分割してしまいました。と言ってもなろうさんでは、これでも長いほうに、入るのかもしれませんけど。

 

 ほんとうはこの10話目で、ほぼほぼ1章完結としたかったんですけど(数字のきりも良いので)やっぱり駄目でした。なんででしょう?

 

 無駄な描写が多いのか、重複表現が多くてダラダラとした文章になるのか、単純に実力がないだけなんです。とか、あるいはその全部とプラスαか。

 なんにしろ、アリスの心理描写なんて、もともと無かったんですよ、でも──あれ? これだとさっぱりしすぎか? ってなっていろいろと足していったら……こうなっちゃいました。

 

 それと概ね完結と言うのは、最後に騎兵隊の話に戻そうと思っているので──理想では2話でまとめ上げたいな、と思っている次第です──どうなるかは分かりませんけど。まっ。最初にちょろっと出てきた、騎兵隊のキャラ名すら、忘れ去られていると思いますが。そこはどうかお付き合い下さい。

 

 それにしても、なろうさんで活躍している、他の作家さん達って凄いなって、1話をコンパクトにまとめて書かれているので。だからスゲー、かっけー、ってなるんですよ。

 

 なので自分も勉強のために挑戦してみるかって、意気込んで、書いてみようと思ったんですが……

 当然、書くネタが無くて、いきなり至極まっとうな難題にぶつかってしまい、どうしようか悩んだ末に思いついたのが──そうだ! むかし遊んでたゲームの内容を引っぱってこればいいんだ! これなら技名も魔法名も世界観にストーリーすらも、既にそこにあるわけだからして、悩むこともなく話を書いていける。なんで今まで気がつかなかったんだ! 初心者にとって、こんな素晴らしい方法など他にはないぞ。と人生の真理のようなものに、辿り着けそうになったんですが──

 

 ああそうか! これが2次創作ってやつになるのか。と社会の常識に辿り着いてしまい。なにか解決策はないかと、模索した結果。

 技名や魔法名なんてのは、似たりよったりだから問題ないとして、キャラやストーリーをちょこちょこっと変えてやれば、大丈夫だろう、という結論にいたり書いてみました。

 

 1話を2000文字までとして(当初の予定では1500文字だったが2話目で断念)

 そして、この2ヶ月で8話も書けました。正確には8話目で頓挫ですけど。理由は設定文字数を超えたため。

 

 まあそれはそれとして、たった数話書いただけでも、分かったこともありましたよ。

 それはですね。要するに実力も才能もないくせして、少しでも良くしたいがために、実力以上のものをだそうと、背伸びしているんですよね、だから言葉が出てこなくて、止まってしまい──遅くなると。

 

 ですが! 新しく書いた小説は、自分のレベルに合わせたので、これが意外とすんなりいけたんですよ。

 そうですな〜、タグをつけるとするならば……

 

 ご都合主義にがば設定。大いなる矛盾など小さな問題。誤字脱字に言葉の誤用、なにそれ? いけないの? こんな感じですかね。

 

 しかしストーリーをいじくるだけで、そこはかとなく、オリジナルぽっくなるもので、問題はオリジナリティあふれ過ぎて、ゲームのシナリオを参考にしようと思って書きだしたのに(パクるとは言ってません。あくまで参考です)それが不可能になりつつあるのだという予感しかない。

 

 しかしながらそこは矛盾ありきのがば設定──だから適当にすり合わせればいいや、と相成りました。

  

 こっちの話も書き溜めができたら、のせてみようかなって考えているんですけど、いつになるかは未定です──だって書くのが遅いから。

 

 最後になりましたけど、評価してくださったかた、ありがとうございます。章の分け方ってどうすんべ? って調べていたら、その……つい先日……気がつきました。と言うよりも発見しました。

 

 きっとわたくしめが確認した、その日、その時、そのタイミングで評価が届いたんだと、私はかたくなに信じてやみません。

 

 なにはともあれ、とっても励みになりました──同時に……あっ! ハードル上がった。と良くも悪くも勝手な思い込みをしていますが。

 なんやかんやと言いましたが、それでもやっぱり、嬉しさのほうが大きかったですよ。

 

 あらためてお礼申し上げます──ありがとうございました。

 

 まあ執筆速度は変わりませんけれども、できるだけ頑張ります。

 ではでは~またお会いできる、その時まで。

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