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公爵様は見る目がない!  作者: 猫森まりも
第一部 雇用契約?公爵夫人、始めます
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作品に登場する美術品①

本編に登場する美術品に関するうんちくを載せていきます。蛇足的なものですが、全くの無関係ではないので気になる方向けとして。

本編進行に合わせて追加していきます。

全てエリーナが知識として蓄えているものという設定です。


『降臨する天使』


シャント・カルミロ作


通称『カルミロの天使』。世界の中心と言われる聖地ミュロンにあるミュロン・ド・バール大神殿内、大聖堂の壁画として描かれている宗教画で、実際の題名はなく、後の人々が様々に呼ぶようになり、一般的には通称名で通る。シャント・カルミロは神殿内にいくつもの宗教画を描いているが、本人は無神論者である。この世ならざる美しさを持つ人物を描くことに心血を注いだ生涯で、『カルミロの天使』は晩年に描きあげたものであり、彼がその短くない生涯で唯一出来に納得した作品であるのに相応しく、目にしたものは二度と忘れることはないという。

しかし、描かれている大聖堂は大神殿で洗礼を受け聖信徒と認められた者しか入れないので、実物を目にできるものは限られている。




『高貴なる庭園』


ニール・テルミナ作


ローゼンベルク公爵邸内にあるロイヤルローズの庭園を描いた絵画で、国内では王宮以外で唯一ローゼンベルク公爵邸にしかないロイヤルローズを描いていることと、風景画という芸術の第一人者となったニール・テルミナの代表作である事で有名な、国宝と言っても過言ではない程の作品。

まるで庭園をそのまま切り取ってきたかのような鮮明さと美しさ。当時まだなかった技法を使っていたこともあり、人物画と静物画くらいしか存在しなかった美術界に風景画という新ジャンルが生まれるきっかけとなった。

この作品が描かれた経緯については有名な逸話がある。三代目ローゼンベルク公爵、シュバルツ・フォン・ローゼンベルクが国立学園に在学中、しがない男爵家の四男であったニールの絵画の才覚を見出し、人物画で芽の出なかったニールに風景画を描くように勧め、題材として自邸の庭園を提供。出来上がった作品をいたく気に入り、夜会会場となる大ホールに飾り、集まった貴族達にニールと共に紹介することで知名度を一気に上げさせた。その後は彼と専属契約を結び惜しみなく支援を続ける一方で、他の貴族からの依頼は彼の好きなように受けさせ、ニールが名作を生み出す手助けを生涯続けた。

ニールの作品に関しては、風景を切り取ってきたかのようだと評されるのと同じくして、窓枠のような装飾の額縁に飾ることが流行り、中には本当にガラスをはめ込んで開閉できるようにしたり、カーテンを付けたりする者までいたという。


それは自由に外出できない事情を抱えた人々の心を慰めるのに一役買っていた。




『静謐の湖畔』


ニール・テルミナ作



ニールがシュヴァルツの支援を受けるようになってから描いた作品の一つ。病で伏せることが多くなり、趣味であった遠乗りが出来なくなったシュヴァルツの父、アルバスの為にとシュヴァルツから依頼されて描いた。


題材となったのはローゼンベルク公爵領内にある森の中、アルバスが遠乗りに出た際に見つけた湖で、彼はその場所をシュヴァルツにのみ教えていた。


青空と森の木々、陽の光を反射した波立つことも無い湖を描いただけの作品であるが、風にそよぐ木々のさざめきと時たま聞こえる野鳥の囀りのみが聞こえる静謐さをそのままに描いた作品は、アルバスの心を癒した。


シュヴァルツはアルバスの為にと窓枠の額縁を付けて贈り、病でこの世を去るまでこの絵を飽くことなく眺め続けたアルバスは、今際の際に家族への遺言の他にニールへの感謝の言葉を遺したという。






エリーナさんにうんちくを語らせたらきっと止まらないんだぜ

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