熱の理由
夜、近所のおばちゃんが、話した魔物が出た件を家族で話し合いをした。
もちろん、私は聞いてるだけだが、...
(カミルと私が行こう)父が言った。
(ラルフ!魔物が出たといっても強さと数を
確かめたうえで行かないと...それに手加減できるの?
周りの影響は考えてるの?)
母が心配そうに
どちらかというと父より周りの被害の事を考えているようだった。
(僕もセシルと行きたい!)兄は軽い調子で言った。
(加減ができないでしょ!全く!)
(我らだけで行こう)カイがカミルを見ながら言った。
(夜まぎれて倒せば周りの村人にも気づかれにくい...)
(やっぱりそれが一番ね..私はレイを見なきゃいけないし、
下手にラルフが居て誰かに見られたら強さがばれてしまうし
この前も腕が鳴るとか言って炎の魔法で森に広がりそうになったでしょ
確かにとても強いベアー(熊)だったとしても
家に近かったせいか、疑われてしまったじゃない。
オオカミの色は何とかごまかせても意味ないわ...
引っ越しも大変だしレイも熱が出やすいもの...
しばらくゆっくりしたいわ..)
ラルフこと父が(レイは大丈夫なのかい?)と
私を母から取り上げて頬擦りをしてきた。
するとすぐ兄が近寄り、
(レイ僕が看病して氷魔法で冷やしてあげる)とデコチューして
今は熱が無いみたいだねと頭をナデナデしてきた。
私が熱が出やすいのは暑苦るしく、うっとおしい、この男共のせいじゃないかと
私は思いたいほど、常に抱っこしてるかチューしてくる....。
しばらくの間、父と兄だけではなく、カミル・セシルも来てペロペロ舐められまくり、
私は、何かを女の子として奪われてるような錯覚を感じながら、
されるままに目を閉じた。もう何も抵抗できる気力がない...。
しかし、やはり熱が出やすいのかまた頭がフラフラしてきた。
(もう!熱が出てきたじゃない)と母が私を父から取り上げ
(今日はルークと寝て頂戴!)と言って颯爽と部屋を出て行き、
それに続いてるカイは勝ち誇ったようについって言った。
(私のレイ...)
(僕のレイ...)
カミル.セシル(.....グルウ)