表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

4/7

6歳になりましたので洗礼しました

新しい朝が来た。


唐突だがこの世界では成人は12歳である。

はやくね?と思うよね。

その通り、はやいのだ。

だが聞いたところこれは形式だけらしい。

12歳で成人だけど、実際大人扱いされるのは一部の貴族が学院を卒業する16歳かららしい。

このぐらいなら地球でも探せばいくつかの国と地域で当てはまる所がある。


そして俺は、いや、俺たち兄妹は今日、6歳になってしまった。

6歳ということは形式上ではあるけれども成人の半分だ。

そして貴族家ではこの年齢から本格的な教育が始まるのだ。


家毎に内容は異なるらしいが剣術、格闘術、魔法、礼儀作法、軍隊指揮、領地運営、商売、算術、語学、歴史等である。

他にも沢山あるが流石にそれ等を全部やる訳には行かない。

いや、一通りは成人までにほぼ全てこなすのだが専攻して学ぶものがあるという事だ。


その選択に寄与するのがステイタスだ。

ステイタスとは個人情報アンド能力値である。

6歳の時に教会に行き洗礼を受けてステイタスボードを受け取る。

ちなみにこれは無料。

平民でもみんな受けられる。

貴族は多額のお布施をするのが暗黙の了解としてあるけどね。


まぁそれは今の俺にとってはどうでもいい、問題は俺のステイタスの内容だ。

俺は今日、朝早く起きて妹と一緒に馬車に詰められ、ガタゴトと教会まで尻を痛くしながら来たわけである。

そして教会では小太りの生え際が後退し始めた聖職者の話を聞きながら、洗礼の間とやらに入れられて、聖職者が本を開き何事か唱えてから石版を渡してきた。その石版がステイタスを示すボードである。


ちなみにステイタスを羊皮紙に書いて持って帰るのは無料だが、このボードごと貰って帰り常にステイタスを見れるようにする為には、洗礼とは別に金がかかるのだからいやらしい。


おっと、話を戻そうか。

ボードの受け取りが終わったら、聖職者は部屋の外に出て父上にゴマさんをすりすりしに行ったので、今この部屋の中には俺と妹だけだ。

あぁ、父上は元から洗礼の間に入らず接待室で待機しているからね。

なんか洗礼の間には大人は基本入っちゃ駄目みたいなのでね。


さてさて、それはさておきこれが俺のステイタスである。


名前 アンドレア カヴァリーノ

年齢 6

称号 酒狂い 食卓の貴公子 夕方のトップニュースの焼死体 スティバーリ王国カヴァリーノ子爵家次男

加護 酒の神バローラの加護

体力 26500/26500

魔力 66600/66600

スキル

戦闘系

格闘術Lv8 短剣術Lv10 棒術Lv3 狙撃Lv3

魔法系

火魔法Lv1 水魔法Lv1 土魔法Lv1 風魔法Lv1 氷魔法Lv1 雷魔法Lv1 樹魔法Lv1 光魔法Lv1 闇魔法Lv1 無魔法Lv1 空間魔法Lv1 従属魔法Lv1 魔力操作Lv1 魔力回復Lv1

耐性系

熱炎無効Lv‐ 物理耐性Lv6 魔法耐性Lv1 苦痛耐性Lv3 毒耐性Lv6

その他

指導Lv4 謀略Lv6 目利きLv6 農業Lv5 漁業Lv2 罠Lv1 調教Lv5 房中術Lv3 調理Lv10 清掃Lv2 探索Lv4 味覚強化Lv8 嗅覚強化Lv3

固有


こんな感じだ。

なんかダメな気がするだろう。

だが俺は平均がわからないのだ。

なにしろ周りが情報を与えない様にしてた印象があるのだ。

唯一比較できるのが一緒に洗礼の間に連れてこられた妹だけだ。


「クレア、どうだった?」


「…やはり兄様もですか?」


どうやらクラウディアもあまり普通では無さそうだ。

俺達はステイタスボードを見せあった。


名前 クラウディア カヴァリーノ

年齢 6

称号 悲壮なる美少女 スティバーリ王国カヴァリーノ子爵家次女

加護 酒の神バローラの加護

体力 120/120

魔力 99999/99999

スキル

戦闘系

格闘術Lv2 棒術Lv2 捕縛術Lv2 狙撃Lv1

魔法系

全魔法Lv- 魔力強化Lv1 魔力操作Lv1 魔力回復Lv1

耐性系

物理耐性Lv2 魔法耐性Lv1 精神汚染耐性Lv8

その他

追跡Lv2 家事Lv5 歌唱Lv3 礼節Lv3 演技Lv2

固有

親愛


魔法莫迦であった。

全魔法ってなんだよ!

あと魔力。

これ多分カンストだよな。

あと固有のスキルもあるの?

親愛ってなに?


やべぇ全然参考になんねぇ。

これ親に見せたらダメだよな。

でもなぁ〜、確か夕飯の時に披露してくれって言われたんだよなぁ。

あ〜、これが平均であると信じたい。


……無理くせぇ。


スキルのレベルは熟練度の目安というのは知っている。

だから同じLvでも幅があるしLvは当てにならない的なことをルチアーノ兄さんが朝練の時に言われていた。

スキルもあくまで補助であり目安だとも言われていたっけ?


だからこの際Lvやスキルは無視するとしても(いや、ダメだってわかってるけど)体力と魔力がやばいな。

あとは称号も。


食卓の貴公子とか久しぶりに聞いたわ。

あと酒狂いとか夕方のトップニュースの焼死体とか……

不名誉すぎるしただの悪口でしかない。

それに夕方のトップニュースの焼死体ってあれだろ、前世の最後のことだろ?

そんなことを蒸し返すなよ。


ってかトップニュースだったの?

マジでやめていただきたいんだけど。


あとクラウディアは悲壮なる美少女なんだね。

悲壮なのは可哀想だけど世界から美少女って認定されるのはすごいと思うよ。


でも、これも前世の時の称号だろうね。

最近は可愛いポンコツも無くなってきたし今世ではそんな悲壮なことなんてないもんな。

あと称号の順番が多分取った順番だも思う。

俺のを見る限りね。



あ〜、しっかしなんとか誤魔化す方法ないかなぁ。


………あったよ。


ステイタスボードのスキルクリックしたら説明が出るんだけどさぁお誂え向きなのがありましたよ。

ご都合主義、バンザイ!


スキル 謀略 Lv6

相手の鑑定、直感、心眼系スキルを阻害(Lv1で解放)

自分の言葉を無条件に信じさせる(Lv3で解放)

ステイタスボードを編集できる(Lv5で解放)

効果範囲、効果威力は熟練度等による。


素晴らしい。

これだよ、これこれ。


「クレア!

ステイタスいじれるスキルがあったぞ」


「本当ですか、兄様!

良かったです」


「あぁ全くだ。

しかしどのくらいにすれば良いのだろうか」


「そうですね。

スキルは今までの日常生活では縁がないものは消した方が良いかと。

あぁ、魔法系はランダムで残しましょう」


んーまぁ妥当なところかな。

しかし、


「体力と魔力どうすればいいと思う?」


「確かに…これはおかしいですよね」


「あぁ多分な」


「最低は私の体力の3桁ですよね。

しかし私の実際の体力ってさほどですよね」


「あぁ、特別良くはないがそこそこってぐらいだな」


「ですので最高は4桁ぐらいまでなら優秀ぐらいで済むのではないでしょうか」


「いやいや、3桁といっても120だ、4桁だとお前の9倍、10倍体力があるんだぞ。

それはまずいって。

一応最高でも3桁の前半ぐらいにしとこう。

低すぎたら後で足して成長と言い張ればいい。

それじゃあまずはクレアのから編集しようか。

そんなに時間もないし俺は夕飯までに何とかするよ」


「お願いします」


「おーけー。

任しとき」






あ、ダメだわ。

………クレアの全魔法が消えない。

なんて言おうか。


「やっぱさぁ、クレアは戦士じゃなくて魔法使い志望だから全魔法は残しといた方がいいよな!」


「いえ、かなり嫌な感じがするので消去で」


「……マジで?」


「まじで、です」


「………」


「………」


「全魔法重すぎ」


「つまりそれは、」


「消せないゾ!」


「ァオゥ、ノォゥ」


クラウは崩れ落ちた。

▷声をかける


「おーい、クラウディア〜。

元気出せって!」


敢えて明るい声で接する。


「……」


返事がない

ただのしかばねのようだ。


「兄様のばか」


クラウディアの口撃。

アンドレアにクリティカルヒット!

アンドレアは倒れた。


▷コンティニューしますか? YES/NO


……YES。

さすがにまだ死ねない。

まだこの世界の美味いものや酒を味わってないのだから。


「ふたりとも〜。

まだなのかい?」


部屋の外から父さんの声が聞こえる。


やっぱNOじゃダメかな。


俺は諦めてクラウディアを横抱きに抱えて外に出た。

お姫様抱っここと横抱きなのは本人の希望だ。



……今日やけにクレアが素直だし、甘えてこないか?

それにノリもいいな。

何があったんだ?

まぁ年頃だからな。

そんなこともある……のかな?


まぁこんな状況だしな。

特に気にすることでもないだろう


それよりもステイタスどうなるかなぁ〜。




扉は手が使えないので外から父さんに開けてもらった。

教会で蹴って空ける訳にはいかないからね。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ