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プロローグ2

唐突だがどうやら俺は生まれ変われるらしい。


いや、もっと説明と言われても俺もちょっと……

なんて言うか魂だけになってね、よくわかんない所を自分の意思と関係なしに歩かされる感じでね。

周りのこともあんまり良く見えないし、聞こえる声もなんて言うかはっきりしない。

というか何語?

俺は日本語、イタリア語、フランス語、スペイン語、英語しか分からんし。

単語とかフレーズだけならラテン、中国、韓国も多少ならって感じか?

すげーだろって自慢したいがもっとマルチリンガルな友人が沢山いたからな。

これぐらいじゃぁ全く誇れない。


そんなことより、それならどうやって生まれ変わるって気づいたか?

それはな、急に完全武装した天使みたいなのに拉致られたからだ。

元から自由に動けないのに肩に担いで拉致る必要あるのか? とも思ったけどな。

そしてなんか部屋みたいなとこに押し込められてな、するとその部屋では思考もハッキリするし、自由に動けるんだよ。


あ、でもねぇ、ひとつ言いたいのがさぁ、死んだ人の魂ってさぁ、ただの淡く光る人型なんだよねぇ。

顔は見えないし身長の違いすらねぇのよ。

いや、というか正確に大きさを把握出来ないって言った方がいいかな?

微妙に不定形なんだよなぁ。

でもね、口だけはあってな、そこで話はできるからほんと不思議、そして若干不気味。


そんでその中にゃぁ先客が3人いたんだけど、そいつ等と話をしたら、ここが生まれ変わりをする所らしいってことが分かったのよ。

どうやら不定期で天使(確定)がやって来て、この部屋の隅にあった門のようなものに入れさせられるらしい。

それが生まれ変わりをすることのようだ。

この情報は天使の愚痴を酒を飲み交わしながら聞いていたらゲットしたようだ。


酒……だと!

天界(仮)の酒だと!

ネクタルか?

ソーマか?

アムリタか?

エリクサーか?

神社の御神酒(おみき)だったら承知しねぇぞ。


………どうやら普通の世界のやつを複製したものらしい。

なんだぁ。

まぁいい。

どうやらその会社帰りの深夜のOLみたいな、お疲れダル絡み酒天使によるとだ、上司の基準によってなんか集められて、元の地球じゃない世界に記憶を残したままドボンされるらしい。

もうちょい詳しく教えて欲しいのは俺だけでしょうか?


あとそうそうさっき言語のことを言ったがな、あのOL天使(定着)はこっちに気を使って魂に直接語りかけてくるから誰でも聞けるらしい。

そして先客の方にグダグダな日本語やらネイティブな英語(イギリス系)が話せる人が居たので心配なしだ。




そして現在、正直暇で暇で仕方ない。

他の人達と駄弁るしかないのだ。

と思っていたら特によく話してた人が門を通らされた。

ばいばーい。


はぁ〜。

綺麗な感じで門が光ってていいんだけど、寂しいねぇ。


あ、行先の世界は同じなんでしょ。

もしまた会えたら宜しくね!




今日は初めての後輩ちゃんが来た。

一通りここのことを説明してから意気投合した。

日本人らしい。

警官だったそうだ。

あと死に方も聞いた。

どうやら日本最大のヤクザの本拠地の事務所で、ちょっとした有名人が放火しながら自殺したようだ。

それに慌てた下っ端が消火器を使おうとしたが、期限切れで上手く使えなかったようで、なんとそれを火の中に投げ込んだらしい。

そしたらその消火器が爆発してそりゃもう大騒ぎだったようだ。

他にも爆発物が幾つかあったらしくて、その等も次々に誘爆もしたそうだ。

その後始末兼それに乗じてヤクザの勢力を削ごうと色々やって、やっとの事で新築の一軒家に帰ったら階段から滑り落ちたらしい。

哀れ。

警察も大変だねぇ。

下っ端よりは上の役職らしいけどよく知らん……ってことにしておこう。


あと後輩ちゃんは24歳らしいのだが今まで一度も彼氏がいた事がなくキスもしたことがないらしい。

子供は高校1年生の春までは、長時間キスをし続けることでできると思っていたらしく、保健の授業で先生に疑問を投げ掛けて閉まったらしい。

やはり哀れ。

そもそも中学生の授業はどうしたし?

しかし、可愛すぎる。


顔はそこまで悪くなかったそうだが、ちょっと今は見ることが出来ないので、よぉ〜わからん。

あと話を聞くとかなり理想家だということが分かった。

その条件を満たせる男性がどれだけいるかは疑問である。


ちなみに自慢だが、俺は多分満たせていた。

副業だがかなりの額がそれなりに安定して入っていたしな。

多分というのは顔の問題だ。

俺は自分で言うのもあれだがかなりいい方に入っていた。

だから大丈夫だと信じたい。

死後の世界で、今はもう存在しない、顔面偏差値を暴落される訳にはいかないのだ!

あとは心の底から愛して欲しいとかそんな所だった。

なかなか難しいよね。


そんなこんなとくだらないことを話していたらもう俺の番だった。

天使が入ってきた。

見慣れた天使だ。

それなりに上等な赤ワインをくれるのでよく話した。

天使の前に後輩ちゃんとの別れを済ました俺が進み出る。


さぁいこうか!

新しい人生の幕開けだ!














あれ?

いかないの?


天使が哀れなる後輩ちゃんを連れて来た。

なぜに?

俺も後輩ちゃんも頭に?が浮かんでいるかのようだ。

まさかの俺スルー?

と思ったらふたり一緒に門へ通らされた。


さぁ今度こそ、新しい人生の幕開けだ!

(後輩ちゃんといっしょ)


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