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強化回

「たぶん分かったぞ。ある村に美しい少女がいました。家族とごく平凡な生活を送っていた少女。しかしある日突如としてやって来た強大な力を持つ魔族によって村は滅ぼされて、ただ1人生き残った少女は復讐のために冒険者となって力をつけるのであった。」


どうだこの完璧な推理。大概お願い事があるって言って何か倒してくれって言ってくる女の子は、こういう過去を持ってるはず!


「違う。」


「違った!痛恨のミス!復讐以外に何があるんだ一体!?」


「正解は、高ランク冒険者になって貴族のお抱えになって楽に生活したい美少女冒険者のユイは、面白そうなおもちゃを見つけたので何処まで遊べるのか試してみたい。でした。」


「思った以上にどうでもいい!じゃあ、親に決められた婚約者が嫌になった貴族令嬢のユイは冒険者として生活をする事を決めたのだ、とか、病気の母を見捨てて逃げていった父親に復讐するために冒険者になったのだ、とかの平凡じゃない過去は持ってないのね!?」


「うん。両親も健在だし、先祖代々平民。」


良かった。面倒な事情じゃないなら、付き合ってやってもいいか。なんやかんや一週間楽しく冒険者生活してたから、今更コンビ解消とか嫌だもんな。


「じゃあ何を倒せば良いんだ?」


「未だに最下層まで辿りついた者がいないと言われ、名だたる武芸者が挑戦したものの誰も帰ってこなかった史上最難関のダンジョン『武神の墓場』の最下層ボス。」


「いやそんな隠し要素っぽい高難度ダンジョンなんて行かねーよ!俺の目指す生活は、高ランク冒険者になってやばい奴が現れたら渋々倒しに行くみたいな生活で良いの!」


「じゃあ強くなりたい。強くなって好き勝手に生きて、若い頃に貯めたお金で何不自由のない老後を送りたい。」


「強くなりたいって言われても、俺の強さはスキル作成で手に入れたものだし、教えられる事なんかないぞ。」


「それもスキル作成でなんとかすれば良いでしょ。」


「あ、そっか。でもスキル作成チートだからあんまり使いたくないんだけど…」


「自分の力を好き勝手使って何が悪いの?」


「そう言われるとそうだけど…」


「力を持ってるものは好き勝手に生きていい自由がある。真に強者だったら、僻んでちょっかいを出してくる弱者ごと叩き潰せばいい。」


「言われてみるとそんな気がしてきた。」


「そう。それにそうやって安全マージンを取ったつもりになって自分より強者が出てきて困るのは自分自身。とりあえずはスキル作成をレベル10にする事。」


「確かに負けてからじゃ遅いもんな。じゃあ一緒に強くなるか。」


「うん。」


こうして俺にどんなチート持ちが来ても勝てるくらいに強くなるという目標が出来た。ついでにユイも俺並みに強くする。



「じゃあ、まずは火属性魔法極めてみるか。」


「うん。火属性魔法レベル10にして全てを焼き尽くす。」


「無闇に破壊活動すんなよ?とりあえずステータス見せてもらうね。」


久々の鑑定さんの出番だ!


名前:ユイ

種族:人間

職業:冒険者

レベル5

体力:44/44

魔力:48/48

力:32 素早さ:34 耐久:30 持久力:31

所持スキル:火属性魔法レベル3


以外と悪くないステータスしてるぞ。レベルアップが4回なので全ステージ平均8くらい上昇してる。上昇値の最大値が10だからかなり優秀な上がり方だ。


「まずは、無詠唱からやってみようか。」


「うん。」


「あれ?驚かないの?無詠唱なんて不可能だ!とか。」


「さっき無詠唱でやってるの見たから。それに魔法は信じる力が重要。出来るって思わなきゃできるようにならない。」


「そっか。じゃあ手を出して。」


「セクハラ?」


「違うよ。まずは感覚を覚える事が重要だと思うんだよね。だから手をつないでユイの魔力を使って炎弾魔法を使おうと思ってね。」


決して、すべすべの手に触れたいなんて邪な気持ちはない。


「じゃあ使ってみるね。右手をあの遠くの岩に向けて。」


炎弾魔法をイメージする。いつもと違うのは、俺の魔力じゃなくて、ユイの魔力を使うところだ。



魔力の塊がユイの掌に現れ、それが岩に向けて射出される。着弾地点で半径10メートルほどの爆発を起こして、岩は跡形も無くなった。


「どんな感覚かわかった?」


「なんとなく?」


「じゃあ今度は今のを思い出して自分でやってみようか。補助はするから。」


さっきやったのが補助輪をつけて自転車を押してもらう事なら、今度のは補助輪を外して自転車を押してもらう感じだ。


ユイが右手に魔力を集中させる。魔力がちゃんと形になるように少しだけ補佐をする。魔力を集中させてから10秒後。ようやく放たれたそれは、半径50センチほどの爆発を引き起こした。


「よく出来たじゃん。これならレベル10までの道は近いよ。」


「でも、時間も掛かりすぎたし消費魔力もいっぱい使ったのにあの威力…」


「仕方ないよ。魔法のレベルを上げるっていうのは、ひたすら効率を上げる事だからね。」


魔法の威力というのは、スキルレベルと魔力によって変わってくる。例えば、火属性魔法レベル10、魔力2030の俺が消費魔力1で放つ炎弾魔法の威力は、火属性魔法レベル10、魔力50の人が消費魔力1で放つ炎弾魔法の威力は同じだ。この場合変わってくるのが、俺は火属性魔法レベル10、消費魔力2030の炎弾魔法を放てるのに対し、相手は消費魔力50までの炎弾魔法しか使えない。ステータスの魔力とは、魔法に込められる魔力でもあり、総魔力量の事でもあるのだ。ユイの場合なら、火属性魔法レベル3の消費魔力48の炎弾魔法が使える。


このレベルのままユイの火属性魔法を10にするという事は、スライムを焼き尽くす魔法を何発か使える少女を、一撃で一軒家を全壊させる魔法を48発使える少女にするという事だ。俺は一軒家を全壊させる魔法を2030発使える男。


まあ、化け物ですね。遠距離から数十発放つだけで、城とか無くなるな。毎秒15発撃てるから、3秒もあればいける。


「どうする?個人的には、冒険者生活休んでレベル10まで上げるのがいいと思うけど…」


「そうする。」


「おしっ!じゃあ毎日魔力が切れるまで全力でやるか。俺の魔力2030も分け与えるからいくらでも出来るぞ。」


「うへ…」



そうして、ユイの修行は1ヶ月掛かった。1ヶ月魔法使うだけの生活を過ごしたユイは、火属性魔法レベル10の魔力270まで上がった。





ほんのちょっとずつだけどアクセス数が増えてるのが嬉しい。まあ推移をグラフにしたら傾きが1.03くらいだと思うけど…

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