お説教
シグレちゃん登場です。
短めです!
「イディオン様は何してるんですか?」
「いや………シグレ、怒ってる?」
「当たり前です!ダリアさんは本当に素敵な先生なんです!私もアカリも姉の様に慕っている人なんです!それなのに、からかって失神させるなんて怒らないわけないでしょうが?」
シグレは無表情で一気にそう言った。
「僕は可愛いって思ったから可愛いって言っただけだよ?からかった訳じゃないよ?」
「………ダリアは兄弟が沢山居るんです………しっかり者で働き者、兄弟の面倒を一番みている良い人です。しっかり者すぎて男性からはお母さんみたいだって良く言われるらしいので………可愛いに驚いてしまったんですね。」
僕はシグレの言葉に首をかしげた。
「すっごく可愛かったんだよ!変な奇声をあげてて………シグレ、僕は彼女と友達になりたいんだけど、嫌われてしまったかな?」
「………奇声が可愛いって言ったら嫌われますから止めてくださいね………一応ダリアにそれとなくイディオン様と仲良くなれそうか聞いてみますね。」
「ありがとうシグレ。」
「どういたしましてお兄様。」
シグレはアカリが産まれてから僕の事を極力お兄様と呼ばなくなっていたがこの瞬間だけは僕の可愛い妹に戻ってくれたらしい。
「ありがとう愛してるよシグレ。」
「私もです!勿論、ヴィスコ様とアカリの次にですけどね。」
僕たちはクスクスと笑いあった。
ダリアが起きたら呼ぶから出ていけとシグレに彼女を寝かせている部屋から追い出され、僕は部屋の前をうろうろしていた。
何だかこんな状況を見たことがあった気がした。
………そうだ、シグレがアカリを産んだときの父上もこうやって部屋の前をうろうろしていた。
何だか可笑しくて笑ってしまった。
「イディオン様………ニヤニヤしていて怖いですよ………」
「シグレ‼彼女は?」
「目をさましましたよ。どうぞ。」
シグレにうながされて部屋に入るとダリアは慌てて立ち上がろうとした。
僕はそれを止めてベットの隣においてあった椅子に座ると言った。
「大丈夫かい?嫌な思いをさせて本当にごめんね。」
「えっ!いや、あの、嫌な訳じゃなくて………私の方こそ宰相様に失礼な事を………私をここまで運んでくださったようで、ありがとうございました。」
「失礼?された覚えがないな~………君はとっても軽いね?ちゃんと食べなきゃ駄目だよ。」
「?私は背が高いので重いと思います‼」
「軽かったよ?何時までも抱き上げて居られそうだったよ?」
彼女は顔を真っ赤に染めた
「イディオン様、ダリアさんを苛めないで下さい。」
「え?ああ、シグレ、居たんだね。」
「イディオン様はダリアさんを口説いて居るんですか?」
シグレの言葉に首をかしげ、暫く考えてから僕はダリアに微笑みかけた。
「口説いても良いかな?」
僕の言葉にダリアはまた失神してしまったのには驚いた。
シグレが呆れ顔で呟いた。
「ダリアさんに暫く近寄らないで下さいね。」
「何で?!」
「ダリアさんは男性に免疫がないのですからイディオン様のスキンシップやアピールに絶えれる訳がないのです!だから暫く!」
はっきり言って彼女と話がしたい。
でも、シグレが暫くって言うならシグレに考えがあるのだろう。
「暫くってどのくらい?」
「………暫くです。」
その後またシグレにお説教されたのは貴重な体験だった。