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「廃妃の息子で…廃皇子!?」


私はお母様と、お母様の恋人と三人で温かいお茶を飲んでいた。

一緒に来てくれたシャーロットは、お母様が用意した部屋で先に休んだ。


オリバー卿が馬車を用意してくれたおかげで、お母様のもとへ無事に会いに行けた。


″上手くやれなかった″私を

叱ったり、落胆の目を向けると思っていたけどお母様は暖かく迎え入れてくれた。


そして、お母様は恋人のことを″廃皇子″と紹介した。

つい驚いて声をあげてしまったが、だから頑なに相手が誰か教えてくれなかったのねと納得した。


「もう平民になったからね、かしこまらずに普通に接してくれたら嬉しいな」


眩しい笑顔を向けられて思わず目を閉じてしまった。

これが王族の後光…なんてまばゆいのかしら。


「ちょっとララ、あなた年上の男性が好みだからってこの人を好きになってはだめよ」


お母様が牽制してきて、その姿が有名な娼婦ではなく1人の乙女に見えて思わず笑ってしまった。


「お母様…私が好きなのは閣下だけですから。他の人には、たとえどんなに素敵でも心が動きません」


そう、考えただけでこんなに全身痺れるのも、胸が痛いくらいにドキドキするのもブルーだけ。


「男性なんていくらでもいるからね。あなたはまだ14なのだから、この先もっと素敵な恋愛ができるわよ。また私が富豪を見つけてきてあげる。次は平民にしようかしら…貴族は何かと厄介ね」


「僕も貴族は推奨できないな。王族なんて以ての外だよ。平民が1番。僕も最初から平民で生まれたかったな」


何があったのかは分からないけど、お母様の恋人は悲しそうに笑った。


廃妃が何かをしでかして、そのまま皇子まで見放されてしまったみたいだけど、詳しくは知らない。

王室や皇室における継承問題や、家督相続における問題なんて私には全く分からないし興味もない。


私の興味なんて、どうやったら花を咲かせられるか、どうやったらブルーが喜んでくれるかだけなのに…。



「ひとまず、ゆっくりしましょうララ。よく頑張ったわ。もう遅いし今夜は休みなさいな」


お母様は私を暖かい膝掛けで包んでくれた。

手足も冷え切っていたけど、心が1番冷たくなっていたように思う。

お母様の優しさがありがたかった。


「閣下とのこと、詳しく聞かないのですか?」


「全部シャーロットから手紙で聞いてたわよ?」


「えっ?いつの間に?」


「彼女を見くびってはだめよ。昔から有能なんだから」


そうだった。

元々シャーロットの主人は、私ではなくお母様だったわね。


お母様の居場所もシャーロットが教えてくれたしね。


娼館をやめたあとは、誰にも居場所を告げずに恋人と遠くで幸せに暮らす、なんて言っていたから私はお母様の新居がどこか知らなかった。


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