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領地から帰ってきて、ララと共に馬車を降りると、バトラーが血相を変えて走ってきた。
「旦那様!おぼっちゃまがお帰りです!!」
なんと、リビーが帰ってきたと言う。
しかも恋人と一緒に…。
「閣下、ララ、お帰りなさい。そして申し訳ございません。全て話します。」
男爵邸へ入ると、玄関口で私たちを待っていたリビーと男性が、立ったまま頭を下げてきた。
なぜ王宮騎士が隣でリビーを支えるように立っていたのか不思議に思ったが、どうもリビーに向ける視線や触れ方が普通ではなかったので、そういいうことか、と割とすぐに判断できた。
リビーがララと結婚をして、愛人として迎えられない理由は…同性だったからか…。
駆け落ちもそれが理由で、私がリビーに恋人がいるとわからなかったのも、同性だったから…。
「ララ、すまなかった。全て君に責任を負わせてしまって。君から手紙が届かなかったから、失敗に終わったと思い、彼と共に来たんだ。私から全て閣下へ話すから、ララは部屋で休んでいて」
リビーはララにそう言うとララを抱きしめて何か一言耳元で伝えた。
なんと言ったかは全く聞き取れなかったが、おそらく謝ったんだろう。
と、ここでも私はまた勘違いをした。
ララの精神状態を思っても、まずは休むことが先決だと思ったし、シャーロットにララを私の寝室へ連れていくよう頼んだ。
私はリビーと騎士と、バトラーと共に応接間へと入った。
「ずっと言えなかったことをお許しください。男性同士での婚姻は認められていないため、黙っておりました。ララにも誰にもバレないよう隠し通すつもりだったのですが、ある時ララに見られてしまい…」
私はこめかみに手を置いた。
頭痛がする。
「ララは、跡取りができればいいからと言って、私を逃してくれました。わざと妊娠しやすい日を狙って、婚約を交わし、閣下を夜這いすると言いました。私はララの提案に甘え、彼と共に領地で甘い時間を過ごしました。」
甘いとか言わないでくれ…
想像したくもないのに、頭の中によぎってしまう。
「とても幸せで」
とか続いた言葉を遮って私は話した。
「まずは、気付かなかったことを謝る。リビーも誰にも言えずに苦しい想いをしたな。すまなかった。」
リビーはまさか私が謝るとは想定してなかったようで綺麗に涙を流した。
それを恋人である騎士が親指で拭い出した。
「閣下、私からも謝らせてください。誠に申し訳…」
「ああ、いい、謝らなくていいんだ…。それより、続きは?」
騎士の謝罪を制すと、リビーはグスッと鼻を啜ったあと、話を続けた。




