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閣下は紐を引っ張るといとも簡単にドレスを脱がして、ショーツ一枚の格好にした。
「いやっ…」
恥ずかしくなって胸の前に手を当てたらまた閣下がクスクス笑った。
「あんな大胆に、触ってと言っていたのに恥ずかしがるなんて」
そ、それは確かにあの″一夜限りの夜″に言ったけど!
「なめて、とかも言っていたよ」
それは絶対言ってない!
だってお父様は私の茶葉で動けなかったもの!
舌を上手く動かすことができないのにそんなこと言う訳ないじゃない!
「綺麗だね」
私の両手を掴んで頭の上まで伸ばすとじっと胸を見つめてそう言った。
「いや…ごめんなさい…許してください」
試したいのなら白状するからやめてほしい。
これ以上傷つける場所がないくらいに心臓は傷ついてるの。
「何がごめんなさい?」
やっぱりバレてるのね。
「嘘をつきました…」
「ああ、君は嘘つきだね」
呆れられてしまったと思ったら、いきなり胸にキスを落とされた。
「ひゃあっ…なん…」
「本当はこうしてほしいくせに、口ではやめてなんて言うんだからね」
「そっそういう意味の嘘では…あっ…!」
「じゃあ、どういう意味の嘘?」
親指で胸の先端をぐっと押し込んでお父様がそう聞いてきた。
「いやっ…触られたら…話せな…」
「私を好きだと言ったことが、嘘だった?」
「〜〜っ」
お父様が両胸の先端をキュッとつまんできたから、声が出ないように私は口を閉じた。
「ああ、記憶がないから私を好きだと言ったことは忘れたんだったね」
どうして?
何が起きているの?
嘘をついた私に仕置きをしているんじゃないの?
「何度も体を重ねたのになあ…」
しつこく胸を弄ばれて、息をするのがやっと。
口を閉じていても声が漏れちゃう。
嘘をついているのはお父様でしょう?
私としたのはたった一夜じゃない!
まあ3回したけど、それは何度も、に入るの?
お父様はあたかも何日もしたと言っているように聞こえるんだけど!?
「愛しているよララ」
「ーーー」
1番欲しかった言葉がいきなり降ってきて、閉じていた目も口も開いた。
今何て言ったの?
「愛してる」
何も言葉が出ない代わりにじわっと目に涙が溜まった。
多分私は花瓶を割った後に本当に階段で足を滑らせたんだわ。
頭を打って記憶を無くしたのではなく、打った後に意識を失って今は夢の中にいるんだと思う。
じゃないと辻褄が合わない。
私とお父様が恋人になってオリバー卿を追い出したのではなく、卿が恋人とここから出て行っただけだもの。




