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「執事やメイド、みんな知ってることだから安心していいよ。君が恥ずかしがるからみんなの前ではキスをしなかっただけで…本当は2人でもっと大胆なことをしていたんだからね」


たしかに、性交したけど。

それは、たった一回よね?


「びっくりさせちゃってごめんね。でも事実なんだ。頭の中は忘れちゃってても、体は覚えてるから大丈夫だよ」


そう言うとお父様はいきなり私の胸の上に手を置いた。


「なっ!何を…」


「ほら、これだけで赤くなって、体が熱くなってきたよね?覚えてる証拠だよ」


「ちがっ…」


違くないけど、確かにお父様の前ではドキドキしちゃうし、あの一夜以降は体が燃えるように熱くなっちゃうんだけど、毎晩してないわよね!?


お父様は私が何も言えないことを良い事に、ゴツゴツとした指で私の顎をクイッと上にあげた。


「あんなに毎晩キスをねだっていたのに、忘れてしまうなんて悲しいな」


眉尻を下げてそんなことを言うもんだから、とんでもなく色気が溢れていて、私の心臓が加速していってしまう。


「お…お父様…あの…」


「思い出せないならまた刻んでいけばいいから」


そう言って綺麗なお顔を近付けてきた。


あ…わかった。

本当は記憶があることをわかっていて、私を試しているんだわ。


なんだ…。


また傷ついちゃうのね私は。


″お父様が言っていることが事実で本当に階段から落ちて頭を打って記憶を失った″のかと一瞬でも期待してしまったわ。


「ごめんなさい。私…」


嘘をつきました、と言おうとした言葉はお父様の唇に奪われてしまった。


は…?

今、キスしているの?


触れるだけのキスを繰り返したあと、お父様の舌が入ってきた。


だから、どうして?

なんでこんなことになっているの?


どんどんキスが深くなってきて、何も考えられなくなった時、お父様が私を抱き上げてベッドに向かった。


「えっ…あの閣下…」


「うん」


閣下は返事をすると私をベッドに押し倒してきた。


そして首筋にキスをして、シュミーズドレスの上に羽織っていたガウンの紐を解いた。


「えっ?えっ?」


カバッとガウンを開けるとシュミーズドレスの紐にまで手を伸ばした。


「まままままま、まってくださ、い」


上手く舌が回らなかったのを聞いてクスッと笑うと、また閣下がキスをしてきたからもう喋れなくなった。


なんなの?これが大人のキスなの?

私がしたのと全然違うじゃない!

お母様に教わったような深い口付け方で、力が抜けて行ってしまう。

止めたいのに心臓の音が止まらない。

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