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湯浴みはシャーロットと2人きりにさせてもらって、お父様の奇行についてあれやこれや話し合ったのだけど、私もシャーロットもお父様の行動の真意を当てることは出来なかった。
「一体手紙に何を書いたんです?」
と聞かれたから
「今まで好きだったけどもう諦めるし、いずれ出ていくって書いたわ」
と答えたら
「そうですか…娘が離れると分かって、寂しくて過保護になっただけかもしれませんね」
とシャーロットの考えを教えてくれた。
確かにその線が濃厚な気がする。
二週間可愛い娘を演じたからね。
まあ、女としてみてもらう作戦は失敗したけど、そっちの方向は成功したんでしょう。
「とりあえずまた肩揉みのやり方を教わって、ぎこちない感じでやって見るわ。」
「はい、それが適策かと。」
「はあ…出ていくまで頑張るわね。ここを出たら一緒に茶葉を育てましょう?もちろんたくさんお給金を支払うわ!お父様からいっぱいもらうからね。2人で分けましょう。」
「私はもう充分頂いてますから。茶葉を育てるのも楽しみです。」
シャーロットはどこまでも優しいメイドだった。
昔から母親代わりをしてくれていただけに、本当に母のような存在だわ。
「閣下、ララです」
いつもの儀式だから緊張感はない。
ただ、ドキドキはしてしまうだろうけど…。
執事がドアを開けると同時に、外に出てドアを手で押さえててくれた。
いつもは内側でドアを開けててくれるのに、なぜ?
「シャーロットも、いいかな?2人にしてもらって。悪いね。」
お父様はそう言うとドアをさっと閉めてしまった。
2人きり?どうして?
「ララおいで」
何でベッドの上に座って私に両手を広げるの?
やめてほしい。
そんなこと一度だってしてくれたことないじゃない。
ハグだって遠慮がちにそっと包むだけで、力一杯抱きしめてもらったことなんてない。
「えっと…」
首を傾げて戸惑っていると
「そうだった、忘れちゃったんだね」
と言ってお父様は立ち上がるとこっちまで歩いてきて、つっ立っている私の手を引っ張って自分の胸の中に収めた。
「えっ…」
お父様は、力強く抱きしめると耳元で言った。
「信じられないかもしれないけど、実は私と君は愛し合っていたんだ」
「!?」
私は声にできないほど驚いて胸元から顔をあげると目を見張ってお父様を見た。
「婚約した日、ララが私を好きだと言ったんだ」
それは…ベッドの上で繋がったときのこと?
「それで、私も同じ気持ちだと言ったらたまたま聞いていたリビーがショックを受けて出て行ってしまってね」
「…はい?」
「まあその方が都合が良いから、毎晩私たちはこの部屋で愛し合ったよ」
「あい…!?」
この人は、何を言っているの?




