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「作戦失敗よ」


閣下に朝の挨拶をして、2連続徹夜のシャーロットと夫婦の部屋にもどったあと私はそう言った。

全然思い通りにいかなかった。

昨夜はさすがに抱いてもらえないとはわかっていたけど、誘惑して反応させるくらいは出来ると思っていたのに。

まさか自分が先に寝るなんて…


「今日は一日、周りを固める作戦でいきましょう。」


私は部屋の窓から、外を見た。


「あの子も、あっちの子も全然だめじゃない。庭師は何をしているのかしら。」


萎れかけている花を見て私は笑った。


「シャーロットは夜まで休んでいて。その間にやってやるわ。植物博士の力を見せてやろうじゃないの。」


2週間で出来る限りのことをしてみせる。



男爵家のメイドたちには

儚くも美しく見える笑顔で、何事にもお礼を言ったり街に出掛けてはお菓子を買ってきて一緒に食べたり、窓の外を眺めては

″オリバー卿はきっとすぐ帰ってくるわよね?″と切なそうな目を向けて聞いたりした。


執事には

″今からでも私にできることをさせてください″

とお願いをして、家計簿の書きた方などを習ったり肩揉みの方法を教わった。


時折ため息を吐いては


「あっごめんなさい…みんながいてくれてこんなにも幸せなのに、私ったらおかしいわね。なんだかこのまま卿が帰ってこない気がして怖いのよ」


と嘘をついておいた。


3日もあれば庭の花が咲き誇った。

どうしてほしいかお花たちに聞いたからね。

花によってはガンガン水を吸っていい子もいれば、あまり太陽にあたらない方が育つ子だっているし、それぞれなのよ。


(私の茶葉コーナーなんてものも作ってもらって、庭師やメイドと種を植えた。

これは作戦ではなくただの私の趣味で、やりたかったことだからすごく楽しかった。)


夜になると眠れないと言ってメイドに歌を歌ってもらったり、執事に私の茶葉をもっていって淹れてもらっては一緒に飲んで感謝の言葉と共に、執事用に作った疲労回復の茶葉を渡した。


閣下には眠る前に毎夜、執事に教わった肩揉みを披露した。

閣下はおやすみの抱擁とおでこにキスをくれた。

(これは1番のご褒美だった)


2週間は、意外とあっという間だった。

力の限りできることをやり切ったから、メイド達や執事と信頼関係を少し築くことができた。

楽しい瞬間もあったけど、妊娠できていないかもしれないという不安もあったから毎日が幸せだけで満たされるということはなかった。


私は毎月決まった周期で月のものがくるから、2週間経った今日、下着が汚れていないことを何度も何度も確認して、幸せな気持ちで夜を迎えてベッドに横たわった。


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