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知りたくてしょうがない好きな人の過去。


勉強が大好きで、本をよく読んだこと。

体を動かすことは嫌いで、乗馬の練習が苦痛だったこと。

領地経営には幼い頃から興味があって、両親と共に領地へ赴いては学ぶことがたくさんあって楽しかったこと。


好きな食べ物はパンで、肉や魚や野菜は好きでも嫌いでもないこと。


苦手な食べ物は貝類全般。


歌劇や、楽団には興味がないから女性が喜ぶことを知らないし何もできない、なんて言われて目を閉じながら笑ってしまった。


「お父様…ありがとうございます。とっても興味深かったです。安心して眠れます。おやすみなさい…」


「ああ、おやすみ。明日また一緒にモーニングティーを飲もうね」


優しいのね。

こんな簡単に騙されて。

眠れるわけがないでしょう。


私が嘘の寝息をたててからも、閣下はしばらくそばを離れずに手を握っていてくれた。


父親のいない私にはこの大きな骨張った手が想像以上にあたたかくて…安心できて、自然と涙が一筋こぼれてしまった。


閣下は指で拭った後、また手を握ってくれた。


ごめんね、その優しさにつけこんじゃうね。


私が完全に寝たと思い込んだ閣下が私を抱き上げた時


「いやぁっ!」


と言って閣下にしがみついた。


「お父様連れていかないで…!ひとりにしないで…!」


目を閉じながらも強い力で閣下から離れなかった私を、あきらめたようにもう一度ベッドに戻してくれた。


そのまま抱きついていたら、


「仕方ないなあ」


と小さく漏らして、朝が来るまで閣下は床に膝をついたまま上半身だけベッドに寄りかかって私に抱きしめられたままの状態でいてくれた。


好きな人を前に寝れるわけがないと思っていたのに、ずっと欲しかったぬくもりと安心感を得られて満たされた私は眠ったらしく、気付いたらもう朝だった。

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