そんな幸福論。~幸せを追う少女~
私たちが道を違ったのはいつのときか。
幸せを呼ぶはずの私の力も
幸せになるはずのあなたの未来も
全ては無へと消えうせた。
あなたは、恨んでいますか?
この無力な私を。
あなたは、想ってくれていますか?
こんな、何の役にも立たない私を。
どんな形でもいい。
あなたの心の中に、ほんのひとかけらでも私という存在が残っていれば。
それでいい。それだけでいい。
それだけでも、私なんかの器には重すぎる。
それだけでも、私の心を苛む罰になる。
それでも、覚えていて欲しい。
あなたの心の中に、存在していたい。
空を飛べなかった彼女のように
全てが嫌いだった彼女のように
自分を差し置いて周りを幸せにする彼女のように
私も、そんなだったら今幸せでいられたのだろうか。
願わくば――
――奇跡をもう一度起こすという、幸せを