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夢の中の僕

作者: 灰庭 太郎

昨日、僕は夢を見た。


自分がもう一人いる夢だ。

もう一人の自分は、今の僕よりもちゃんとした人間だった。

朝早く起きて、きちっとした服装をして、明るく真面目に仕事をしていた。

そんなもう一人の自分を、僕は遠くから見下ろすように見ている。

あぁ、自分もあんな風にあれたらいいなと思っている。

けれど、心のどこかであんなのは嘘っぱちだと思っている。

僕はあんな人間じゃないと、もう一人の僕を見ている僕の中のもう一人の僕が叫ぶ。

そして、もう一人の僕を見ている僕の中のまた別の一人である僕は、周りに褒められているもう一人の僕をうらやましそうに眺めている。

僕は、たくさんの僕に囲まれて身動きがとれなくなってしまった。

どこに進んでも、行き止まり。

僕は、僕の中の僕と僕が見ている僕に挟まれてただ頭を抱える。


そんな、八方ふさがりな所で僕は目が覚めた。


こうやって書き起こしてみると、なんだか暗い夢のようにも思うけど、しかし夢の中の様子はどちらかといえばコメディのようで。

僕は意外と楽しんでいたと思う。

そのおかげか、いつもより明るい気持ちで目が覚めた僕は。

いつもより少しだけ早く起きて、いつもより軽い足取りで玄関を出る。


たまにはこんな日があってもいい。

素直にそう思えた朝だった。

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