第四話 入隊前戦その3 〜怒り〜
「さて、師匠としての誇りにかけてお前を守る――と言いたかったのだが……。守ってほしいか?」
「いらねぇよ!師匠にだけカッコいいところ見せてられっかよ!」
〈氷結轟〉の[魔法刀]を作る。
『あぁ?まだ実力差にぃ、気付けねぇのかよぉ⁉︎』
「黙れ、〈圧縮空間〉!」
『無駄ナコトヲ』
スブレットと河合の周辺が元の重力へと変わる。同時に周りの重力が10倍程度となる。
『終わりだぁ!〈超金属隕〉ォ!』
超重力の空間で巨大な超金属が地面へと衝突する。そして俺は、いや俺たちは死んだ。そう思っていた。目を開けると目の前が焦土と化していた。
『ヨォ、気をつけろよ?お前ら。』
(――ッ?誰だ?)
その横には短髪の身長170センチくらいの男が立っていた。
『おっと、言い忘れてたな。俺の名はグラル、“混沌神”グラルだ。』
「敵……ではなさそうだな。行くぞ緑井」
『死ネ、グラル!』
『死ぬのはテメェだよ』
グラルとスブレットの攻防が始まる。
『コイツの相手は俺がする!だからお前らはそこの長髪野郎を相手しろ!』
「さて、行くぞ緑井」
「えぇ〜?イヤなんだ――ってハァ?!」
『死ねェ!エリートォ!』
いきなり河合が飛んできた。師匠の胸が河合の剣で切られる。
「グフゥッ!――黙れ詐欺野郎!」
「師匠に手を出すなぁ!〈氷結斬〉!」
俺の刀が河合の剣で弾かれた。コイツ普通に強いぞ……。それに加えて能力とやばいくらいの魔力量ってやばくね?なんかさっきからめっちゃ危ないんだけど⁉︎
『〈霊崩斬〉ァ!』
くそっ!こいつ神になったから霊子で攻撃できるようになってる⁉︎そうのやめてほしいんですけど……。
『〈超金属連隕石〉ゥ!』
お次は隕石大量ですかね?でもまぁ、全力でかかったら……。
「フッ、こんな金属の塊如きに死んではられん。」
師匠が俺の体を包む。
「ちょ、師匠!死んじゃうよ!」
そして俺の視線は暗くなる。
『チッ、お前なんでここにいるんだよ⁉︎どうせあれだろ?『ニレルゼの不興を買った』とかなんだろ!』
ピキッ!スブレットの額に青筋が浮かぶ。
『おっ!図星か!はははは!』
『死ネ!ゴミクズ、〈重力崩轟爆〉!』
『ハハッ、おもしれー!〈混崩〉!』
力と力がぶつかり合う。破壊のエネルギーが充満し、超重力爆発が起ころうとするのを混沌のエネルギーが抑え込む。そしてそのエネルギーは次元の先まで影響を及ぼす。
グラルは器用なのでそのエネルギーを次元の先まで送っている。そのエネルギーが消えた時、グラルは――
『もういっちょ!〈混崩〉!』
スブレットに追い討ちをかける。しかしスブレットは自分のエネルギーの7割を消費して相殺する。しかし、その空間は膨張し、爆発する。ボロボロのスブレットが地面に落ちる。それと同時にスブレットは死にかけで仰向けになっている死頭矢にその上にいる1人の青年――緑井を発見する。
『セ、セメテ……ア、アイツダケ……デモ、〈重力崩弾〉……』
しかしそれはグラルによって弾かれる。
『させねーよ!』
(死ぬ……のか?お、俺は。)
腕を上げようとしてもあげられない。今は仮面も外れている。
「師匠――⁉︎」
(緑井!腕がないじゃないか⁉︎)
もう声にならないのに、緑井には届いたみたいだ。
「俺なんかどうでもいいんだよ!なんでだよ⁉︎クソがぁ!ク――ッ!河合宏史!お前を俺は殺す!絶対に、殺してやる!」
ハイ、かづっぴです。夜に投稿できませんでしたー!……すいません。見返して思うところは誤字が多い!というトコですね。あと毎回切りどころが悪いというところも課題かと。そういうところも感想に書いてください。これからもよろしくお願いします。