第一話 神と神の対面
神界“宮殿”にて、ニレルゼは霧がかった床の上に立つ。その向かい側の椅子に座るのは“混沌神”グラルだった。
『グラルよ、私に何か用でも?』
高く澄み渡る声が宮殿に響き渡る。そして
『何故お前は〈人類滅亡計画〉を実行した?』
低く、はっきりした声がニレルゼを苛立たせる。
『人類がきにくわないからだ。』
『……』
『これに反感を持つ神は0.86%と1%にも満たしていないが、お前は何故反発する?』
『お前はそういうやつだったか…?』
『?元からこんな感じだったが』
『……』
グラルは沈黙する。
『それに私は…』
何かを言おうとしたニレルゼの声をドッ!という轟音が遮り、それと共にニレルゼに迫るグラル。その手には覇気が込められており、音速の数十倍の速さで進む。ニレルゼは咄嗟にしゃがみ込み、そのパンチをかわす。
パァンっ!という音が鳴り響き、ニレルゼの後方にあった極太の柱が崩れ落ちる。そしてそれを貫通した衝撃波が壁にに当たり亀裂を入れる。ニレルゼはグラルから距離を取る。
『私は、なんだよ』
『ふむ、流石は特殊個体よな。40年しか生きていないとはいえ強いな。』
チッという舌打ちをしてからグラルは前方に手を伸ばす。そして赤褐色の球を生成する。
『〈混色魔引玉〉』
その玉は周りの物質、魔力、霊力を引きずり込む。そして玉を収縮させ、野球ボール程度の大きさに変える。グラルはそれを掴み、砕く。膨張するエネルギーを手に収め、ニレルゼの上空へ飛び、直下する。
しかし、グラルのパンチはニレルゼの横1センチの床に直撃する。
崩壊していく床。グラルはこれを狙っていた。
この神界はニレルゼの作った空間である。そこで戦うのだからグラルが不利になりかねない。
下界へ落ちる2人。
『正々堂々戦おうぜ。』
ニレルゼは自らの魔力で空間に干渉し、空間を操作する。ニレルゼはそうして宙に浮く。グラルも同様にして宙に浮く。
(これで常時発動型の〈神界守護結界〉は封じたわけだし、思いっきりぶっ放すか!)
『戦略級破壊魔法、神滅魔法:〈灼熱轟爆球〉!』
そう言ってグラルは半径50メートル程の火球を出現させる。熱量にして数千万℃に達する。その火球は5秒ほど滞在し、爆発する。数千万℃の熱は空気を爆風とさせ、数キロ先まで吹き荒れる。
煙が上がる時、1人の剣を持った美しい少年が立っていた。ニレルゼだ。無傷であった。
怒りの感情がグラルの心を埋め尽くす。
(クソがっ!強いとは思っていたがここまでかよっ!)
しかしグラルは冷静に考える。
(だがこいつは30億年生きたバケモンだ。耐性やらなんやらを大量に獲得していてもおかしくない。)
そしてグラルは刀を抜く。
『〈混沌融合斬〉』
そう言って自分の魔力と自色気を融合させ、刀に力を付与する。
自色気は人によって発色の違いがある。ニレルゼは虹色で、グラルは薄茶色だ。
『フンッ』
グラルは斬撃を飛ばす。その斬撃はニレルゼまでの間を空間ごと斬っていく。しかしニレルゼはその斬撃を剣で弾く。ニレルゼの剣には当然のように圧倒的なまでの自色気が付与されている。
グラルはニレルゼの頭上10メートルまで転移する。そして〈混沌融合斬〉の雨がニレルゼを襲う。
ニレルゼはそれを相殺しながらグラルへ近づく。
常人には見えないほどの速さで剣を打ち合う二柱。すると
『あら、楽しそうね』
1人の天使が1人の護衛の天使を連れてやってきた。
『レイハ……』
その1柱の天使は天使の王だった。
『お前は後回しだ、〈情報牢獄〉!』
レイハの周りを青い膜で覆う。情報牢獄は使用する人のエネルギー量によって質が変わる。なのでこの情報牢獄の情報は多過ぎた。
『あら、ごめんなさいね。少し出るのに時間がかかるわ。ハル、行ってきて。』
『はい』
そしてハルはグラルの元へ駆け寄る。しかし
『邪魔だ、〈落下打撃〉!』
そしてハルは下界へと落ちる。
天使は異界へと飛ばされると堕天使となってしまう。ニレルゼは今の攻撃に擬似転生の力を込めていた。なのでハルは堕天してしまった。
『チッ』
グラルは舌打ちする。
(なんだ、なんだ、なんだよ!ふっざけんな!規格外すぎるだろ!?)
そう考えているところにニレルゼの攻撃が襲う。その攻撃で刀を砕かれるグラル。
『終わりだ、〈憤激轟烈斬〉!』
そしてグラルの思考は終了した。
さて、どうしてこんなに早く更新されるのだろう?答えは簡単、先に書いてたから!書いていても投稿し忘れることもあるので気をつけてね☆